Stone Kiss by Faye Kellerman

タイム誌で紹介された小説の3冊目。こちらの心理的な状態がよくなかったためもあり,200ページほど読んで挫折することにしました。

こうした小説は一気に読むべきなのですが,いろいろなことがあって断続的であったこと。これはDecker/ Rina Lazarusという夫婦の夫がL.A市警,妻はよく知りません。夫婦の探偵小説のシリーズのよう。その10作目ぐらいの作品。かつ,今回はDeckerも含むユダヤ教徒の一族の話。Deckerの親戚が殺害され,その被害者の姪が失そう。200ページ読み終わったところでもほとんど進展なし。重要な役割を果たしそうなDonattiは以前の事件でDeckerやRinaと関係があったよう。シリーズものの途中から読み始めるのはやはり大変。

なぜ,この小説がタイム誌の旅行ミステリとして紹介されたかというと,Decker/ Rinaはもともとロスが舞台。今回は義理の兄(弟)(Deckerの一族もかなり複雑,腹違いの兄弟とか,養子になったとか,きちんとメモでもとっておかないと理解できない状態)に請われて姪の失踪を調べることになっており,観光気分の家族を従えてのニューヨーク滞在。(200ページの段階でも「明日は妻の両親に会いにフロリダへ」と言っています。)ニューヨーク,マンハッタン島が舞台になっています。数年前にごく短期の旅行をしたので,地図を見ながら,読めば楽しかったと思いますが,どうにもいろいろなじめずに40%読んだところで挫折します。

最近は途中であきらめることはほとんどないので,大変残念です。

(2004年6月19日)

読書再会。当分読む本がないので再開しました。今度はちょっと背景知識を得ることにしました。話そのものはどうということもなかったのですが,ユダヤ教やら,物語の背景などがないと苦しいかも。

Deckerシリーズの概略を調べました。

原題 邦訳 物語の展開
1 The Ritual Bath 水の戒律 警官 Deckerが正統派ユダヤ教徒の地区で捜査。若き未亡人Rina Lazarusに出会う。
2 Sacred and Profane 聖と俗と 警部になったPeter DeckerはRinaとその連れ子Sammy とJakeと仲良くなる。Deckerは16歳の娘の父親。Sammyが事件に巻き込まれる。
3 Milk and Honey 豊饒の地 Rina Lazarusの実家があるNYで,結婚をすすめる。
4 Day of Atonbemnet 贖いの日 Rinaと結婚して新婚旅行。ブルックリンでユダヤの新年祭を祝う。
5 False Prophet 堕ちた預言者 被害者はライラ・ブレヒト――往年のハリウッド女優を母親にもち、みずからは高級フィットネス・クラブを経営する美貌の主。
6 Grievous sin 赦されざる罪 二人に赤ちゃん誕生。
7 Sanctguary 父親殺しの嫌疑がかかっている2人の兄弟を捜してイスラエルへ。
8 Justice Deckerの娘は19歳。娘も事件に巻き込まれる?
9 Prayers for Dead 心臓外科医Azor Sparksが殺害される。Rinaの過去にも関係あり?
10 Serpent's tooth レストランでの無差別殺人。
11 Jupiter's Bones 宇宙物理学者のEmil Euler Ganzが出奔。そしてカルト集団の教祖として登場。
12 Stalker Deckerの娘Cynthia は警官になる。彼女に危険が及ぶ。
13 The Forgotten Rinaが働くユダヤ教の教会に嫌がらせ。
14 Sone Kiss

というわけで,第1作から物語は連続しており,その背景知識がないとなかなか読みにくいです。

creosote-impregnated timbers クレオソートをしみ込ませた

There was a smell of dust in the air, the acrid mixed odour of the destroyed ceiling board and the creosote-impregnated timbers that had repelled the ants.

<木を燃やした煙によって煙突の壁にたまるタール; 木材防腐用》

Cheerios

Fortified with Cheerios, two pieces of toast, a large glass of orange juice, and four cups of coffee, he felt ready to fulfill a mission.

昔,チェリオという飲み物があったので,それだと思いましたが,チェリオは日本製の飲料でしたね。アメリカで生活していれば,ごく当たり前の食品でした。

yarmulkes

Atop their heads were large black yarmulkes. The three sisters wore somber-colored skirts and blouses also torn near the collar. Two of the three women had on wigs; Raisie had elected to wear a scarf.

ヤムルカ,この小説では,義理の兄(弟?)がユダヤ教の司祭であることもあり,ユダヤ教徒の描写が頻発します。

hespid

"At the hespid yesterday, I spoke to people who worked with Ephraim. I also spoke with others who knew your son. Ephraim seemed like a man who was full of heart."

弔辞か説教のようです。(ユダヤ教の葬式などで?)

Or maybe he was reading too much into the camaraderie. Maybe they both wanted to get away from the crowd-which was certainly understandable.

menachem avel

Decker could see that others wanted to draw close to Mr. Lieber, to participate in the mitzvah of comforting the mourner -menachem avel.

直前に説明のある「会葬者を慰める」人のようです。

Naugahyde cushions 

The place was as small as a kiosk, crammed with a half-dozen linoleum-topped tables and chairs with cracked Naugahyde cushions.

ノーガハイド:なめし革のように見えるビニールを被覆した丈夫な織物;ソファー,スーツケースなどに用いる

Keflex

"I'm concerned. Do you have a doctor I can talk to? You need Keflex."

(商標)ケフレックス:セファレキシン cephalexin の商品名

Tito's Pizza Joint

He went out of the shul and began walking down Broadway, a whiff of garlic hitting his face because the shul was next door to Tito's Pizza Joint.

Alvin and the Chipmunks.

I'd have their dicks in a vise so fast, they'd be talking like Alvin and the Chipmunks.

これもアメリカで生活していれば,当然のアニメのようですね。

the Kemelman series

"Not strange at all. Haven't you read the Kemelman series?"

ケメルマン Harry Kemelman (1908- ) 《米国のミステリー作家; 作品にはユダヤ人のラビ David Small_ を主人公にした Friday the Rabbi Slept Late (1965), Thursday the Rabbi Walked Out (1978) などのシリーズや大学教授 Nicky Welt を主人公とする安楽椅子探偵ものの短篇集 The Nine-Mile Walk (1967) がある》(リーダーズ+)有名な作家のようですね。

Mitsubishi Montero

"So why are these vehicles parked here, in a muddy field?" Decker pointed to a Jeep Cherokee and a Mitsubishi Montero.

あの三菱ということで,ひいてみました。パジェロのことですか?

(2004年7月4日)