お気楽、お四国巡り 札所の疑問・情報

えっ、女人泰産から泰山寺?。


「時間調整が難しいね、はは。」
「道に迷ったからでしょ、変な神社へ寄るからだよ、もー。
なんとかして、この渋滞。」
「・・・・・、いつものことですよ、はは。」
「えーと、次の札所は、えーと、何番?。
54番?、名前はたしか?。
えーと、51番が石手寺だから、52番太山寺、53番円明寺。
だから、54番の円明寺かな?。」
「違うよ、延命寺と書いて、「えんめいじ」ですよ、まだ覚えてないの?。」
「はは、はー。
いつものように参道狭いけど、ブツブツ。」

・・・・・・、数十分後。

「えーと、次は?。」
「もー、次は55番の南光坊でしょ。
あれれ道が違いますよ、違います。」
「はは、やっぱり、勢いで曲がったから、間違っちゃった?。
ま、今日のお泊りは、今治市内だから、関係ないよ、はは。」
「・・・・・・、ごまかすんじゃない。」
「到着、到着です、56番 泰山寺でーす。
仁王様は廊下に立たされたまま?。はは。
えーと、ここに閻魔さんが居るはずなんだけど、どこ?。」
「はー、ここには居ませんよ、居ません。
ひょっとして、閻魔さんの化身、地蔵菩薩さん?。
ここのご本尊が地蔵菩薩さんだからですか?。」
「はは、ちがいます。」
「札所の名前見てください。「泰山」でしょ。
これ、閻魔さんのことだよ。」
「えー、ちがうよ、これ。
女人泰産の泰産から泰山だよ。
地蔵菩薩さんの10個のお願い事からきてるんだよ。
そんなことも知らないの?。」
「・・・・・・、ふー、覚えていません、はは。」

伊予の56番泰山寺。
ずーと勘違いしてました、閻魔大王さんの別名が泰山王じゃなくて、薬師如来でした。
だけど、縁起から、十王信仰となにか関係あるかもしれません。
ちなみに、名前は地蔵菩薩さんの十大願からきているそうでした。

○縁起より

霊場会hpより

泰山寺には、水難で人命を失う悪霊のたたりを鎮めた伝説が根強く残っている。
弘法大師がこの地を訪れたのは弘仁6年のころ。蒼社川という川がこの地方を流れており、
毎年梅雨の季節になると氾濫して、田地や家屋を流し、人命を奪っていたため、村人たちは恐れ苦しみ、
人取川といって悪霊のしわざと信じていた。この事情を聴いた大師は、村人たちと堤防を築いて、
「土砂加持」の秘法を七座にわたり修法したところ、満願の日に延命地蔵菩薩を空中に感得し、治水祈願が成就したことを告げた。

大師は、この修法の地に「不忘の松」を植えて、感得した地蔵菩薩の尊像を彫造して本尊とし、堂舎を建てて「泰山寺」と名づけた。
この寺名は、『延命地蔵経』の十大願の第一「女人泰産」からとったと伝えられる。
「泰山」にはまた、寺があった裏山の金輪山を死霊が集まる泰山になぞらえ、亡者の安息を祈り、死霊を救済する意味もあるという。

「四国遍礼霊場記」より

金林山泰山寺
此寺大師乃開基ときこゆ。隆弊しらず。本尊地蔵菩薩大師の御作なり。茆堂蕭條として。樹木おほし。籬落山華を帯。
野風をのづから往来。数家乃田邑斜陽に対す

「四国遍路日記」澄禅より

廿九日寺を立ちて田中の細道を南の方へ一文字に通りて泰山寺に至る。別宮より一里なり。
泰山寺、本堂東向き、本尊地蔵菩薩。寺主は無し、番衆に俗人も居る也。
時雨降り来たる間此の寺に休息す。日暮れ迄雨降る故、其の夜はここに一宿す。

○似ている

発音だけで見たら非常に似ている。
「たいさんじ」と「えんめいじ」
えんめいじの方は、両方漢字が同じだったのを、
明治に入り郵便が発達して、混乱が生じたから、
54番の漢字を延命寺にしたと縁起にでてきます。
あまりにも似すぎているから、意図的に配置(分家?、勧請?)したのかと思いました。
それと、泰山王は太山王とも、書くみたいです、うーん、おもしろいな、これ偶然なんでしょうか。

52番 太山寺と53番 円明寺
56番 泰山寺と54番 延命寺

 



○十大願

「延命地蔵菩薩経」より

一、女人泰産 子宝にめぐまれる。
二、身根具足 健康を得られる。
三、衆病悉除 病が治る。
四、寿命長遠 安らかな長寿を得られる。
五、聡明智慧 仏と同じような知恵が得られる。
六、財宝盈溢 財産を得る。
七、衆人愛敬 多くの人を愛することができ、また愛される。
八、穀米成就 五穀に恵まれる。
九、神明加護 神仏の加護を受けることができる。
十、證大菩薩 大いなる悟りを得ることができる。

○延命地藏菩薩経

次の三点が読み取れましたので、縦に並べてみました。

「十大願の福が授けられる」
「八大恐怖を除く」
「三十七?に示現して救う」

如是我聞。一時。佛在きゃ羅陀山。與大比丘衆萬二千人倶。菩薩三萬六千人倶。
一切諸天。及龍夜叉。人非人等。金輪銀輪諸輪王等。從十方來。爾時世尊。
説是大乘。無依行已。石有帝釋。名無垢生。白佛言。世尊。我欲護世。
若佛滅後。末法衆生。當何拔濟。佛告帝釋。有一菩薩。明曰延命地藏菩薩。
毎日晨朝。入於諸定。遊化六道。拔苦與樂。若再三途。於此菩薩。見體聞名。
生於人天。或生淨土。在三善道聞其名者。得現果報。後生佛土。何況憶念。
心眼得開。決定成就。

亦是菩薩得十種福。

一者女人泰産。
二者身根具足。
三者衆病悉除。
四者壽命長遠。
五者聰明智慧。
六者財寶盈溢。
七者衆人愛敬。  
八者穀米成熟。
九者神明加護。
十者證大菩提。

亦除八大怖。

一者風雨隨時。
二者他國不起。
三者自界不叛。
四者日月不蝕。
五者星宿不變。
六者鬼神不來。
七者飢渇不發。
八者人民無病。

佛告帝釋。於未來世。若有衆生。受持此經。
 恭敬供養。是菩薩者。百由旬内。無諸災患。惡夢惡相。諸不吉祥。魍魎鬼神。
 鳩槃荼等。永不得便。天狗土公大歳神宮。山神。木神。江海神。水神。火神。
 饉餓神。塚神。蛇神。咒詛神。靈神。路神。竃宅神等。若聞此經。是菩薩名。
 吐諸邪氣。自悟本空。速證菩提。爾時帝釋。白佛言。世尊。沿命菩薩。
 何化六道。得度衆生。佛告帝釋。善男子。諸法空寂不住生滅。隨縁生故。
 色身不同。性欲無量。普為得度。

延命菩薩。

或現佛身。
或現菩薩身。
或現辟支佛身。
或現聲聞身。
或現梵王身。
或現帝釋身。
或現閻魔王身。
或現毘沙門身。
或現日月身。
或現五星身。
或現七星身。
或現九星身。
或現轉輪聖王身。
或現諸小王身。
或現長者身。
或現居士身。
或現宰官身。
或現婦女身。
或現比丘比丘尼優婆塞優婆夷身。
或現天龍夜叉。人非人等身。
或現醫王身。
或現藥草身。
或現商人身。
或現農人身。
或現象王身。
或現獅子王身。
或現牛王身。
或現馬形身。
或現大地形。
或現山王形。
或現大海形。

三界所有四生五形。無所不變。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 





○地蔵菩薩本願経より

二十八種の利益、七種の利益について、縦に並べてみました。

爾時世尊 挙金色臂 又摩地蔵菩薩  摩訶薩頂 而作是言
地蔵地蔵 汝之神力不可思議 汝之慈悲不可思議 汝之智慧不可思議 汝之辯才不可思議
正使十方諸佛 讃歎宣設 汝之不思議事 千萬劫中 不能得盡
地蔵地蔵 記吾今日 在刀利天中 於百千萬億 不可設不可設 一切諸佛菩薩 天龍八部大会之中
載似人天 諸衆生等 未出三界 在火宅中者 付嘱於汝
無令是諸衆生 堕悪趣中一日一夜 何况更落 五無間及阿鼻地獄 動経千萬億劫 無有出期
地蔵是南閻浮提衆生 志性無定 習悪者多 縦発善心 須臾即退
若遭悪縁 念念増長 以是之故 吾分是形 百千萬化度 隋其根性而度脱之
地蔵吾今慇懃 以天人衆 付嘱於汝 未来之世 若有天人 及善男善女人 於佛法中 種少善根 一毛一塵 一沙一帝 汝以道力 擁護是人
漸修無上 勿令退出 復次地蔵 未来世中 若天若人 隨業報応 落在悪趣 臨墜趣中 或至門首
是諸衆生 若能念得 一佛名一菩薩名 一句一偈 大乗経典
是諸衆生 汝以神力 方便求抜 於是人所 現無辺身 為碎地獄 遺令生天 受勝妙楽
爾時世尊 而説偈言 現在未来天人衆 吾今慇懃付嘱汝 以大神通方便度 勿令堕在諸悪趣
爾時 地蔵菩薩摩訶薩 胡跪合掌 白佛言 世尊唯願世尊
不以受為 未来世中 若有善男子善女人 於佛法中 一念恭敬 我亦百千方便 度脱是人 於生死中 速得解脱
何況聞諸善事 念念修行 自然於無上道 永不退転 説是語時 会中有一菩薩
名虚空蔵 白佛言 世尊我自至刀利天 聞於如来讃嘆
地蔵菩薩威神勢力 不可思議 未来世中 若有善男子善女人 乃及一切天龍 聞此経典及地蔵名字 或瞻禮形像 得幾種福利 唯願世尊 受未来現在 一切衆生等 略而説之

佛告虚空蔵菩薩諦聴諦聴 吾當為汝 分別説之
若未来世 有善男子善女人見地蔵形像 及聞此経 乃至読誦香華 飲食衣服珍宝 布施供養讃歎瞻禮 得二十八種利益

一者天龍護念
二者善果日増
三者集聖上因
四者菩提不退
五者衣食豊足
六者疾疫不臨
七者離水火災
八者無盗賊厄
九者人見欽敬
十者神鬼助持
十一者女転男身
十二者為王臣女
十三者端正相好
十四者多生天上
十五者或為帝王
十六者宿智命通
十七者有求皆従
十八者眷属歓楽
十九者諸横消滅
二十者業道永除
二十一者去処盡通
二十二者夜夢安楽
二十三者先亡離苦
二十四者宿福受生
二十五者諸聖讃歎
二十六者聰明利根
二十七者饒慈愍心
二十八者畢竟成仏

復次虚空蔵菩薩 若現在未来 天龍鬼神 聞地蔵名 礼地蔵形
或聞地蔵 本願事行 讃歎瞻礼 得七種利益

一者速超聖地
二者悪業消滅
三者諸佛護臨
四者菩提不退
五者増長本力
六者宿命皆通
七者畢竟成佛

爾時十方 一切諸来 不可説不可説  諸佛如来及大菩薩 天龍八部 聞釈迦牟尼佛 稱揚讃歎
地蔵菩薩 大威神力 不可思議 歎未曽有 
是時刀利天 雨無量香華 天衣瓔珞 供養釈迦牟尼佛 及地蔵菩薩己 一切衆会 倶復瞻禮 合掌而退


・二十八種の功徳
一者天龍護念 いっしゃてんりゅうごねん  天龍八部衆が守護してくれる
二者善果日増 にしゃぜんがにちぞう 善い果報が日ごと増す
三者集聖上因 さんじゃしゅうしょうじょういん 宗教的な功徳に恵まれる
四者菩提不退 ししゃぼだいふたい 悟りを求める心を失わない
五者衣食豊足 ごしゃえじきぶそく 衣食に欠かない
六者疾疫不臨 ろくしゃしつやくふりん 疾病などに感染しない
七者離水火災 しちしゃりすいかさい 水火の災いに遭わない
八者無盗賊厄 はっしゃむとうぞくやく 盗難の災厄に遭わない
九者人見欽敬 くしゃにんけんきんぎょう 見る人に敬われる
十者神鬼助持 じっしゃじんきじょじ 鬼神も害さず守護してくれる
十一者女転男身 じゅいっしゃにょてんなんしん 性別による不利益をこうむらない
十二者為王臣女  じゅうにしゃいおうしんにょ 女性が大臣になれる
十三者端正相好 じゅうさんじゃたんじょうそうごう 端正な姿かたちになる
十四者多生天上 じゅうししゃたしょうてんじょう いつも天界に生まれる
十五者或為帝王  じゅうごしゃわくいたいおう あるいは帝王となる
十六者宿智命通 じゅうろくしゃしゅくちみょうつう 前世を見通す力を得る
十七者有求皆従 じゅうしちしゃうぐかいじゅう 求めるものがあれば、みな従う
十八者眷属歓楽 じゅうはっしゃけんぞくかんらく 家族や部下も喜びに満ちる
十九者諸横消滅 じゅうくしゃしょおうしょうめつ 諸々の悪い死に方をしない
二十者業道永除 にじゅしゃごうどうようじょ 悪業の報いによる転生を除く
二十一者去処盡通 にじゅういっしゃこしょじんつう 立場ごとにことごとく通達する
二十二者夜夢安楽 にじゅうにしゃやむあんらく 悪い夢を見ない
二十三者先亡離苦 にじゅうさんじゃせんもうりく 死者は成仏するむ
二十四者宿福受生 にじゅうししゃしゅくふくじゅしょう 生まれながらに福を具えている
二十五者諸聖讃歎 にじゅうごしゃしょしょうさんだん 諸々の菩薩聖者に讃えられる
二十六者聰明利根 にじゅうろくしゃそうみょうりこん 聡明で勝れた能力を持つ
二十七者饒慈愍心 にじゅうしちしゃにょうじんみんしん 慈悲の心を巡らすようになる
二十八者畢竟成仏 にじゅうはっしゃひっきょうじょうぶつ ついには仏となる
 ・七種の利益
一者速超聖地 いっしゃそくちょうしょうじ 速やかに悟りの境地に入る
二者悪業消滅 にしゃあくごうしょうめつ 悪業が消滅する
三者諸佛護臨 さんじゃしょぶつごりん 諸仏に護られる
四者菩提不退 ししゃぼだいふたい 悟りを求める心を失わない
五者増長本力 ごしゃぞうちょうほんりき 本力を増長する
六者宿命皆通 ろくしゃしゅくみょうかいつう 宿命にみな通じる
七者畢竟成佛 ひちしゃひっきょうじょうぶつ ついには成仏する