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「ブチねこさん、ニコニコして、いいことあったんですか?。」
「はは、やっと、やっと、出来たんだよ、これ見て。」
「はー、なんですか、それ。
形からして、掛け軸ですか?。
変な字がいっぱいですね。」
「あのね、これはだね、四国八十八ヶ所の掛け軸。
すげー、お宝なんだよ、家宝なんだから。
この人知ってるでしょ。
空海、弘法大師だよ。」
「はー、そうですか。
知らないですよ、四国八十八ヶ所なんか。
弘法大師は知ってますけどね、「弘法筆を選ばず」でしょ。」
「えー、なんで知らない、あんなに有名なのに?。」
「そりゃ、ブチねこさんだけに、有名なんじゃない?。」
「えー、そうなの?。」
四国八十八ヶ所を全然知らないときの会話です。
バブル経済がはじけたころのお話です。
知り合いが、土日の休みに車遍路で、
3ヶ月かけて掛け軸を完成させたそうです。
いまは高速、ロープウェー、山道が整備されているから、
土日使ったら、2ヶ月もあれば、楽々と車遍路で巡れます。
車遍路始めてから、苦労がわかるようになったので、すごいとがわかりますが、
その当時は、そんなことなんか全然知らなくて、失礼な言葉を連発していた記憶があります。
失礼な言葉の連発で、さびしく肩を落として去っていったブチねこさんの後ろ姿がまだ、目に浮かびます。
いまさらながら、お疲れ様です。
あの時の掛け軸は、家宝として受け継がれているでしょうか、きっと受け継がれていると思います。
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