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「来てます、来てます、台風が。」
「来ているというよりも、併走しているジャンか。
一緒に足摺岬に行ってどうするの。」
「いやー、怒涛のごとく押し寄せる波はすごい。」
「行くんだったら、早くして、また通行止めになったらどうするのよ。」
「土佐清水を通過したら、もうすぐだよ。」
「・・・、あの波はなに、あの木の揺れはなに、いやー。」
「心配性なんだから、着いたよ、38番金剛副寺。」
「それじゃ、今日の打ち止めだから、あれ、あれー、前に進まない、なんでー。」
強烈、強烈な風がー、前に進めず。
「いやー、よく、こんな時に来ましたね、ハハ、ハ。」
「すごい風ですね、ほんと。」
「ご苦労さんです、午前中はお遍路さん多かったけどね。
おっ、雪が降ってきましたね。」
「あっ、ほんとだ、雪だ。
えっ、雪って、真夏じゃん。」
台風の恐ろしさを知らなさ過ぎるというか、知りすぎているというか。
無謀にも台風に併走して足摺岬を目指しました。
台風より早く足摺岬に到着した私たちは、隣接の駐車場から札所へ。
前に、進めません、強烈過ぎる暴風です。
やっと、境内へたどり着きましたが、だれも居ません。
納経所の方も早々と片付けていました。
最後の「おつとめ」を終わり、ご朱印をいただきながら世間話をしていたときです。
境内一面に、雪が、ふわふと落ちてくるではないですか、えー、真夏に雪。
台風が来て、異常気象かと思いましたが、違いました。
「波の花」でした。
断崖絶壁を台風の風で舞い上がり境内一面に降るそうです。
こんな時しか見られないものですが、今日はあまりにも無謀な遍路でした。
あれ、駐車場に団体ツァー到着です、おいおい、おい。
○波の花
日本海側を旅行したときに、海岸線で見たことがありましたが、太平洋側で見れるとは思っても見ませんでした。
ましてや、あの断崖絶壁から吹き上がってくるなんて、想像も出来ません。
強風が吹いたときに、「波の花」がタイミング的に舞い上がり、ふわふわと落ちてくるそうです。 |