徳を積んだ回数を、巡拝回数のお札の色でわかるように、
巡拝回数と年数で徳を積んだことがわかるものがあります。
それが先達制度です。
わかりやすいのが、団体ツァーなどで、先頭に立ち、赤い杖を持って、
お遍路さんたちを導いている人が先達です、字のごとくです。
2010年現在として、下記のとおり。
○先達のアイテム
外見から普通の遍路と何が、違うかです。
1.錫杖付き赤い杖。
2.唐草模様のわげさ。
3.赤い納経帳。
4.先達階級のわげさ巻き(青地に銀字は,権中先達以上、橙地に金字は,権大先達以上)
5.専用さんやふくろ(紫色は,権中先達,錦色は,大先達)
6.専用わげさ入れ(錦柄)(中先達)
以上が、先達の出で立ち、持ち物(アイテム)です。
これらは、四国八十八ヶ所霊場会の公認を受け、授与された方たちです。
霊場会の公認を受けなければ、この出で立ちはできないということです。
霊場会から授与されるものとして他に
・先達公認證
・先達教典(先達、遍路の解説本)
・四国八十八ヶ所霊場会公認先達之證(プラスチックのプレート、家の玄関に貼り付ける?)
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・金の錫杖(特任大先達)、銀の錫杖(準特任大先達)
先達になるためには、いろいろな条件をクリアしなければなりません。
○公認してもらえる条件。
1.四国八十八ヶ所霊場を、すべて4回以上巡拝していること(高野山も含めるかはよくわかりません)
2.札所から推薦してもらうこと。(原則 四国内の方は札所、四国外は真言宗系のお寺)
3.先達研修会に、必ず出席して研修を受けること。
4.礼禄(先達研修会を欠席の場合は、翌年へ持ち越し)
○試験はあるの?。
筆記試験、面接、口頭試問などはありません。
研修会?を受けるだけでなれます。
○推薦について
札所等から推薦してもらいます。
これはご縁がなければ、無理だとおもいます。
このご縁も、いろいろなパターンがありまして。
私の
知っている範囲で書くと。
1.「あなた4回以上廻っているから、先達にならない、推薦しますよ」という、某納経所のパターン。
2.先達等(ツァー等)と知り合いになって、お寺へ声をかけてもらうパターン。
3.遍路の講に所属して、お寺へ声をかけてもらうパターン。
4.札所の方(住職等)と懇意になるパターン。
*どこか一カ所の推薦があればOKで、88ヶ所全部のお寺の推薦を取り付ける必要はありません。
○申請審査の流れ。
1.自己推薦(推薦してもらうお寺へ申請書提出)
2.寺院の推薦(推薦してくれるお寺が各部会へ申請書提出)
3.霊場部会(阿波部会・土佐部会・伊予部会・讃岐部会)の推薦(各部会が先達審査委員会へ申請書類提出)
4.四国八十八ヶ所霊場会の先達審査委員会の審査
○日程の流れ。
1.4月までに、推薦してもらうお寺の決定します。
納経帳で回数確認するお寺があります。
2.5月初旬ごろ「先達補任/昇補申請書」を受け取とり、7月末までに、推薦してもらう寺へ提出。
写真、住民票が必要。
「先達会(講)」欄の記入がありますが、1人先達会(講)を創ってもOK。
3.10月中までに審査
霊場会の各部会(阿波・土佐・伊予・讃岐)の審議会
霊場会本部の審議会
4.10月下旬から11月初旬ごろ、審査結果通知が郵送されます。
礼禄5万円を振り込みます。
この料金に輪袈裟、金剛杖等含んでいます。
5.12月3日(初旬)、善通寺にて研修会を受講し、先達のアイテムを受け取ります。
朝の10時ぐらいから、午後の3時ぐらいまで
○推薦枠あり
四国の札所は、推薦枠(推薦出来る数)がありますから、時間の余裕を考えましょう。
私の聞いたところによると、○番札所で推薦枠が一杯になったら、系列?の△番札所の推薦枠が空いていたら、
△札所からの推薦となるそうです。
○先達になった時の、その他の特典
・伊予鉄観光発行「へんろ」新聞の無料配付(礼禄から?)
同じ住所に、複数の先達が居る場合は、その住所に一冊となっています。(2010年より)
・権中先達に、認定されたら「紫のさんや袋」がもらえます。
・中先達に、認定されたら「錦柄わげさ入れ」がもらえます
・権大先達に、認定されたら「錦柄手提げ袋」がもらえます。
・大先達に、認定されたら「錦のさんや袋」がもらえます。
先達にも階級がありまして、ランクアップのために、クリアしないといけない条件があります。
○上級の先達に昇補する場合
先達から権中先達 2年以上経過し、その間2回以上巡拝、礼禄
5万円
権中先達から中先達 2年以上経過し、その間2回以上巡拝、礼禄
5万円
中先達すら権大先達 3年以上経過し、その間3回以上巡拝、礼禄10万円
権大先達から大先達 3年以上経過し、その間3回以上巡拝、礼禄10万円
○ランクアップ?のタイミング
一般的なランクアップとして、先達から権中先達の時は、
2010年12月3日に先達になると、2012年12月4日に昇補となります。
先達の推薦をしていただいたお寺から、昇補の推薦をしてもらうことになります。
何年目 |
西暦 |
認定日 |
ランク |
修行?期間 |
1 |
2010 |
12月3日~ |
先達 |
2年間 |
2回以上
巡拝 |
2010年12月3日~2012年12月3日 |
2 |
2011 |
|
3 |
2012 |
12月4日~ |
権中先達 |
2年間 |
2回以上
巡拝 |
2012年12月4日~2014年12月3日 |
4 |
2013 |
|
5 |
2014 |
12月4日~ |
中先達 |
3年間 |
3回以上
巡拝 |
2014年12月4日~2017年12月3日 |
6 |
2015 |
|
7 |
2016 |
|
8 |
2017 |
12月4日~ |
権大先達 |
2年間 |
3回以上
巡拝 |
2017年12月4日~2019年12月3日 |
9 |
2018 |
|
10 |
2019 |
12月4日~ |
大先達 |
~ |
|
2019年12月4日~ |
大先達以上のランクもありますが、この位は一般の人とはちょっと別の世界です。
四国八十八カ所へ貢献度でしょうか。
いろいろな団体(講)が後押しするそうです。
○特任大先達、準特任大先達
・大先達から準特任大先達
準特任大先達(定員30名)
霊場会に多大な貢献があった人。
大先達の中から推挙される。
審議会委員全員の賛成と、四国霊場会全四部会が承認する。
・準特任大先達から特任大先達
特任大先達(定員10名)
霊場会に多大な貢献があった人。
準特任大先達の中から推挙される。
審議会委員全員の賛成と、四国霊場会全四部会が承認する。
○先達の数は
・平成18年 先達教典より
四国、岡山、広島、関西、名古屋、九州が多いです。
人口比率からの先達占有率が高いのは、四国です。
・2012年10月現在数
先達認定者累計 約14,600名
約8,900名(亡くなられた方を除いています。)
年間約500名の新任の方がいます。
ま、下世話な話ですが、時間もお金もかかるということです。
○回数とお金について
年数的に、2年、2年、3年、3年の10年
回数的に、2回、2回、3回、3回の10回
金額的に、5万、5万、10万、10万の30万円
○納経料
1.一巡のためにの
八十八カ所、88ヶ寺×納経料300円=26,400円。
2.先達になるために、四巡したら。
26,400円×4回=105,600円。
3.先達になってから、大先達になるために、十巡したら。
26,400円×10回=264,000円。
4.大先達まで、全部合計でいくら
礼禄(合計300,000円)+納経料(合計105,600円+264,000円)=669,600円
○参考に、100回巡拝したら、(錦札取得のために)
1.99回巡れば、錦の札をもてるので、
26,400円×99回=2,613,600円
2.そして錦札を納めるために1回。
26,400円
3.100回分は
2,640,000円。