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「ずいぶん歩いたけど、何キロかな?。」
「・・・、もうしわけありません、全然覚えておりません。」
「なに、なんでー。」
「札所から札所が問題であって、歩いてきた距離は、関係ございません。」
「・・・・・、記憶力の問題だね。」
「うう、ご名答です。
くー、ここの峠道は、けっこうきつかったな、ふー、ちょっと休憩、休憩。
風も、ここちいいから、お遍路日和だよ、はは。」
「脳天気なやつ。」
「はー、なんか言った。」
「別に。」
「さてと、下りだから膝に負担がかからないように、金剛杖でサポートしてね。」
「くー、もー、なにこれ、力が入らない。
このカバージャマなんだけど。」
「うう、うう、金剛杖のカバーのことね。」
「不便だから、いらない。」
金剛杖のカバー。
お遍路さんの杖は、もともと野垂れ死んだときに塔婆になるということで、
杖の上部が塔婆になって、梵字(ぼんじ)が書かれています。
この部分を直接、手で触れるのが失礼であるからとカバーが被せられています。
だけど、水平移動、のぼり移動の時は、ここに手が触れませんが、下りの時は、カバーに触れます。
非常にジャマです、力が入りません。
それと、通しで歩いていると、杖が短くなってきます、カバーが邪魔です。
四つ編み紐を付けた瞬間、カバーはとりました。
快適です。 |