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「朝から雨、雨、雨。 止みそうもないから、覚悟しましたよ、はは。」 「それって、開き直りでしょ。」 「ふー、ふー、ふー。」 「えー、こんな日に限って、峠越え?。 迂回ルートはなかったのかよ。」 「あ、ありません、ここしかありません。」 「ひょっとして、道に迷って、ここしかなくなったんでしょ。」 「せ、正解です、はは。」 ・・・・・・、数十分後。 「うえー、うえー、うえー。 やっぱり、ぬれるよ、ぬれちゃうよ。 腕がビショビショ。 ポンチョなんか嫌いだー。 あれ、相方静かだけど、どうした。」 「・・・・・・、えっ、ひょっとして泣いてるの?。 こんな雨に遍路させられて泣いてるの?。 私が泣かしたんじゃありません。 こんなところを歩かした、お大師さんが悪いんです。 お大師さんが、悪いんだよー。」 「・・・・・・・、なに叫んでるの?。」 「あれ、泣いてたんじゃないの?。」 「えっ、あっ、これね、これ。 突風で、フードがめくれて、雨の直撃受けただけです。 さっさと、タオル出してください。」 「ふー、よかった。」 「はー、何がよかったんだよ。 こんなときに、お遍路させるんじゃない。」 「・・・・・・、ほら、お大師さんのせいでしょ。」 「あんたの、せいだよ。」 雨の日は開き直って峠越えです。 顔面直撃の雨に、涙とも汗ともわからない、複雑な表情にしてくれるのでした。 |