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蛇行している、蛇行。
すぐそこに道が見えるけど、蛇行しているから歩く歩数が増えているよ。
直線だったら、絶対転げているよね、ここの「遍路ころがし」。
チリーン。
あれ、いま鈴の音が聞こえなかった?。
気のせいかな、はは。
おー、やっと蛇行した道を抜け出せたね、ふー。
チリーン。
えっ、また鈴の音、周りには誰も居ないよ、うう。
ひょっとして、幻聴かな、はは。
まさかね。
えーと、ここの本堂はどっちかな、えーと、こっち。
チリーン。
・・・・、うう、聞いてない、聞いてない。うう。
「グレねこさーん、足は早すぎ。」
「おー、白ねこさん。」
「チリーン。」
「ひょっして、さっきから鈴の音がしてたけど、あんたの。」
「はは、谷底から聞こえました、はは。」
奥深い谷底から山上の札所へ。
もうすぐだと、疲れた体を無理やり前に押し出して歩いていたら、どこからか「チリーン」。
まわりに誰も居ません、だけど、「チリーン」
おいおい、おいです。
幻聴かと思いましたが、しばらくすると「チリーン」
今度は、鳥肌か、ガクガク、怖いです。
いそいで、本堂へ。
そのとき、谷底に入る前にすれ違った、白猫さんがやってきました。
腰につけていた鈴が、鈴の音が、谷底から、風に乗って聞こえて来ていたのでした。
ふー、怖かった。 |