お気楽、お四国巡り 歩き遍路  通し

落ち葉の絨毯が足の力をそぐ。そこは谷底。

谷へ下る、下るけど、楽だよ。
おっ、水平になったから、谷底だな。
えーと、道標があるけど、こっちだな。
なんか暗くてジメジメしてるよ。
気持ち悪いよー。
太陽が遠いよ、暗いよー。
うわー、 さらに、暗くなってきたけど、大丈夫なのー。
いやいや、こりゃ、まずいよ。
なんか強烈に気持ち悪いよ。
うわー、 早足が、駆け足になってきたよ、あそこに光が見えるー。
うわー、なんじゃこりゃ、まだ続くのかよ。

澄み切った青空が、谷の方へ下る遍路道を進めば、
進むほど、遠ざかっています。
谷底に下りたときは、木々が空を覆い尽くし、あたりは薄暗らかったです。
落ち葉が絨毯のように敷き詰められて、歩きやすいのには歩きやすいけど、
このフワフワ感が足の踏ん張りを吸収してます。
力が入りません。
そこに人工物の道標がありますが、よけい目立って不気味です。
ここを抜けなければ、どうしようもありません、引き返す時間もありません。
イヤがる体を推し進め、般若心経を唱えながら、足早に、最後には駆け足です。
怖い、怖すぎます、なんか体が重いです、考えれば考えるほど、怖さが増してきます。
周りは見ません、見たくありません。
一心に般若心経を唱えながら光の出口に到着しましたが、
それは一瞬でした、まだまだその道は続くのでした。
二度と歩きたくないところです。

○どこ?

この遍路道はどこかといえば、讃岐の81番白峰寺から82番根香寺へ行く谷底の道です。

○映画に出てた?

この道は、映画「「大地の子守歌」に登場していたような気がします。
主人公が、出演していた田中絹代から巡礼鈴(鐘)を着けてもらうシーンがあります。
そこに出てくる道標が、ここで見た道標とそっくりでした。

○どこを歩く

実際、このときが最初で最後になりました。
今は、舗装道路を使っているのでした。

○えっ、信じられない

史跡等の指定等について(2013年6月21日 文化庁報道発表より、抜粋)

文化審議会(会長 宮田 亮平)は,6月21日(金)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て,
史跡名勝天然記念物の新指定16件,追加指定等24件,登録記念物の新登録13件,重要文化的景観の新選定3件,追加選定等1件について,文部科学大臣に答申しました。
今回答申された史跡等の指定等の詳細については,別紙のとおりです。
この結果,官報告示の後に,史跡名勝天然記念物は3,103件,登録記念物は78件,重要文化的景観は38件となる予定です。

「新指定・新登録・新選定」答申物件

史跡名勝天然記念物の新指定

5 讃岐遍路道

根香寺道【香川県高松市・坂出市】

遍路道は全長1400㎞にまたがる四国八十八箇所霊場札所巡拝の道で,そのうち,八十一番札所白峯寺と八十二番札所根香寺を結ぶ道のうち約2.2㎞である。
道端に遺存する道標,遍路墓,丁石,茶堂跡などを含め指定する。
(四国八十八箇所霊場札所巡拝の道のうち,八十一番札所白峯寺と八十二番根香寺を結ぶ道。)

遍路道は,四国4県にまたがる空海ゆかりの寺社を巡る全長1400㎞にも及ぶ霊場巡拝の道で,遍路は空海の足跡を追体験する巡礼とされている。
遍路道は古来より人々の往来や文化交流の舞台となり,沿道には数多くの石造物等の文化財が残されている。
遍路の始まりについては定かではないが,少なくとも16世紀には四国内や他国からの遍路が訪れていることが分かる。
今回,香川県域の遍路道を讃岐遍路道と名づけ,香川県坂出市から高松市にかけての,第八十一番札所寺院白峯寺から第八十二番札所寺院根香寺を結ぶ,
道方が良好に残る約4.8kmの根香寺道のうち約2.2㎞(両市とも1.1㎞)を指定するものである。
『四国遍路道指南』の記述から,文献史料上はこの遍路道が江戸時代前期まで遡ることが裏付け
られる。道沿いには43基の丁石,10基の道標,1基の遍路墓をはじめ,下乗石,灯籠,石仏などの石造物が確認されている。
また,香川県教育委員会による発掘調査により,19世紀頃の庵や茶堂であったとみられる施設の存在もうかがえる。
遍路道は,官道や江戸時代の五街道とは異なり,広範囲にまたがる回遊式の巡礼道であり,民間に広く普及した信仰の道として貴重である。