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えーと、ここを曲がって、あれ、シールがないぞ。
あれー、立て看板が壊れている、こっちで正しいのか、不安だな、引き返すか。
あっ、おじさんだ、聞いてみようかな、うーん。
「お遍路さんでしょ、そこの道、そっちの方角が遍路道だよ、まっすぐね」
「あ、ありがとう、この道で正解だったんだ、よかったよ」
ここをあがって、山道に入り、・・・・、えっ、なに、トンネル。
こんなところに、トンネル。
なんか体が嫌がってるな。
引き返したいけど、時間ロスするからな。
解説の看板あるけど、無視して、さっさと、通過です。
うう、暗い、なんか暗すぎる。
入れ口は広いのに、出口は小さいです。
真っ暗です、足音が響きます。
後ろから何か引っ張られます、なんだろう。
なに、・・・・広かった入り口も小さいぞ、暗い、なんかイヤだ。
振り返るんじゃなかった、よけいに怖いよ。
こんな時のおまじない、「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦
菩提薩婆訶、般若心経」。
やっと、抜けたな、トンネル。
鳥肌たっているよ、汗が、うわー。
二度来たくないな、あれ、雨。
朝から天気が悪く、何時振ってもおかしくない天気でした。
この時のルートには、幹線道路と丘越えの二つありました。
雨が降れば、丘越えは危険を伴うので、どうするかなと思いながら、
ちょっと足早に次の札所を目指して歩いた道中のことでした。
最初、遍路看板もなく不安になったから、
引き返そうかなと思ったとき、犬の散歩中のおじさんに遭遇。
歩く方向が正しいことを確認できたから、先に進みましたが、
なぜか気分的に、イヤな感じがし始めました。
いままでだったら、歩く都度に次の道がわかったんですが、
この時は、細い脇道(道とは言い難い)からのぼり、その先にトンネルが出現。
面食らいました、想定外です。地図を読み間違っていたかも知れません。
いかにも、古めかしいトンネルです、照明もありません、
地元の方が生活道のために山をくり抜いて作られたんだと思いますが、使われている気配がしません。
このトンネルで、感じたことでした。
光がさしこまず、吸収されます。
光以外にもなにか、吸われているようです。
いままでの道中で、初めて般若心経を唱えていました。
要の部分です。「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦
菩提薩婆訶、般若心経」。を口ずさみました。
知り合いから、怖いことを経験したときの、おまじないだと教えられていたので、即座に口ずさみました。
ちょっと、気持ちも落ち着いたので、引かれるままに後ろを振り返ったら、体が目の焦点をあわそうとしませんでした。
あわしたら、まずかったんでしょうか。
もう、二度と歩きたくない遍路道の、No.1でした。 |