五島邦治のホームページ
平成24年5月1日

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■都の海人(みやこのあまびと)■ |
平安時代前期、嵯峨天皇の皇子で源融〈トオル〉という人物がいました。皇族から臣下に下った人で左大臣にまでなった人です。政治的にも文化的にも平安前期を代表する貴族で、『源氏物語』の光源氏のモデルのひとりと考えられています。 融は現在の |
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この能「融」は、私の好きな能のひとつで、老人と僧侶の風流心が和合するところがすてきです。あまりにも僧を案内するのに熱中しすぎた老人は、汐を汲むのを忘れたといって、海水を汲みに戻り、桶の水に浮かんだ月を眺め居ると見るや、そのまま消えてしまいます。実は融の化身だったのですね。そんなわけで、後半は、多くの能がそうであるように、融の亡霊が出現して、月下に遊舞の袖を返します。 少し前置きが長くなりましたが、この風流の精神と、その価値を分かち合える人との交流、そういったものを歴史学者としてのわたしも(いまはたまたま歴史学者ですが、他のどんな職業家であったとしても)、心根のどこかにもっていたいと思っています。それは、生きるうえでの価値というのか、歴史学者の前提である人間として基礎をつくっていたり、歴史研究を生み出す原動力にも実はなっていたりするものだと思うのです。 |
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■マンスリー・エッセー 洛水余滴【更新】 |
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