A DAY IN THE LIFE
(ア・デイ・イン・ザ・ライフ)
Time Data: 5分03秒  Recording Data: 1967年1月19日〜
Studio Data: EMIスタジオNo.2 Mixing Data: Take 6&7
ジョンとポールが様々な手法を取り入れて完成させたビートルズの代表曲である。ジョンはピアノの上にデイリー・メール紙を置いてそこの記事から歌詞を発展させていく。たまたまその作業の前日に彼等の知人でギネス・ビールの御曹子タラ・ブラウンが自動車事故で死亡した記事があり、それが最初のパートの歌詞になる。この曲は大きく3つの部分に分かれていて、その中間部にポールの曲が挟まれている。同じ新聞にあったブラックバーンの道路陥没も歌われ、さらに当時ジョンが出演した映画「ハウ・アイ・ウォン・ザ・ウォー」の事にも触れられている。ベーシック・トラックの録音は1月19日と20日に行われ2月3日にはリンゴのドラムを収録して完成する。問題はそれぞれのパートの間に存在する無音部分だった。ジョンとポールはいろんなアイデアを検討し、最終的にフィル・ハーモニー・オーケストラの音を入れる事になった。たかが24小節の演奏にオーケストラは雇えないというジョージ・マーティンの猛反対で最終的に半分の規模のオーケストラを起用した。2月10日に行われたその収録ではビートルズの注文で団員みんなが正装しおかしなパーティー・グッズをかぶらされたり、見学に招待したストーンズのメンバーはじめ招待客にはサイケな衣装で立ち会わせるなど不可解な行動をして話題になった。試行錯誤の末オーケストラにはこの24小節の始めに一番低い音を、最後に一番高い音を一度たりともフラットしない事が条件でスピードは自由で演奏してもらう事に決定する。小節の区切りを知らせるカウントはマル・エヴァンズが担当し、実際にその音は右スピーカーから聴き取れる。一回目の演奏では最後に時計が鳴る様にセットされ、その音はポールのパートにリンクし"Woke Up...."と繋がる巧い仕掛けになっている。この時計の音もモノラル盤でははっきりと収録されている。そして最後の演奏が止まると聴こえる永遠とも言えるピアノの重い音は3台のピアノをビートルズのメンバー全員とマル、そしてジョージ・マーティンのハーモニウムが創り出したものだ。ピアノの残響音に混じってビーッという電子的な音がこのハーモニウムのもの。また、よく聴くとその間に椅子を立つ彼等の雑音も聴く事ができる。このサウンドと盛り上がるオーケストラのサウンドもポールのパートと共にドラッグを表現しているとしてまたまた放送禁止の憂き目に遭った。
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