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OK Computer | |||||||||||
| 1.Airbag 2.Paranoid Android 3.Subterranean Homesick Alien 4.Exit Music (For a Film) 5.Let Down 6.Karma Police 7.Fitter Happier 8.Electioneering 9.Climbing Up the Walls 10.No Surprises 11.Lucky 12.The Tourist |
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| 1997年にレイディオヘッドがナイジェル・ゴッドリッチとのセルフ・プロデュースで製作した彼らの第3作。「THE BENDS」の製作時に浮き彫りになった様々なマイナス要因を排除する意味からEMI側はバンドに対し製作制限の緩和を申し出た。そこで彼らは自らのスタジオ「Caned Applause」と郊外に借りた大邸宅の2ケ所で自由なレコーディングに臨む事ができた。 タイトルはコンピュータを賞賛しているかの様に捉えられがちだが、実際にはOK(許可)を出すコンピュータが支配する世界を揶揄したシニカルな意味がこめられている。 オープニングは重厚なギターメロディーが印象的なAIRBAG。変則的なドラムに後打ちでからむベース、そしてレヴェルをやや抑え気味にしたヴォーカルの周りを自在に飛び回るギター。様々なエフェクト処理を施したギター・サウンドは圧巻。 そんなドラマチックな曲からいきなり陰影を帯びた叙情的なイントロで始まる大作PARANOID ANDROIDが続く。この楽曲はあらゆる点からレイディオヘッドの代表曲と評価されている。転調を多用した複雑な構成にも関わらず最初から最後まで一貫したテーマ性を保ち違和感無くまとまりを見せるすべての「音」。そしてトムならではの厭世的かつ挑発的な歌詞。 実際のセッションではトム以外の全メンバーが曲を作り上げたそうだ。彼らはビートルズのHappiness is a Warm Gunを意識して構成の異なる複数のパターンを繋ぎ合わせる作業を楽しんだ様だ。スローテンポに変わった終盤でトムとエドがそれぞれに違う歌詞を一緒に唄う部分はやはりビートルズのShe's Leaving Homeを想起させる。 やっぱり彼らはビートルズが大好きなんだなと判るのが、同じく彼らの代表作KARMA POLICEだ。レイディオヘッドのアルバムの中では聴きやすさの点で人気のあるこのアルバム中でも特にこの2曲は有名。KARMA POLICEはビートルズのSEXY SADIEからの影響がはっきり聴き取れる。やや哀しみを含んだ美しいメロディーは深く印象に残る。 リヴァーブ処理されたフェンダー・ローズの気だるい旋律が不思議な世界を創り出すSUBTERRANEAN HOMESICK ALIENから続く哀しいメロディーのEXIT MUSICはバズ・ラーマン監督の映画『ロミオ+ジュリエット』のエンドロール用に創られた佳作。しかし、理由は不明だがバンドはサウンドトラックへの使用を頑なに拒否したそうだ。表題の割に明るいLET DOWNでは終盤にファルセット・ヴォイスのトム・ヨーク節が炸裂。 コンピュータに喋り続けさせるFITTER HAPPIERはこの世の中を無事に生き抜く方法を無機質な単調さで語り続ける文字通りシニカルこの上ない曲(?)。シニカルさは更に続くELECTIONEERINGで爆発する。アルバム中もっともロックしているこの曲で選挙運動を徹底的にこき下ろしてみせる。 パラノイアをテーマにしたCLIMBING UP THE WALLはトムの声をノイズ処理して狂気の世界を演出する。ラストの不協和音の混沌は絵画的趣きさえ感じさせる。 一転して幸せを音にした様なメロディーから始まるNO SUPRISESは実は「死」をテーマにした作品。内容とサウンドとの大きなギャップがいかにもレイディオヘッドらしい。思わずニヤリとしてしまう。 その逆のパターンが、続くLUCKYだろう。この曲はそれまであまりに厭世的な歌詞ばかり書き続けてきたトム自身の反省からポジティヴな詞を造ろうとしていた時期に出来たものだそうだ。しかしドラマチックではあるものの曲自体の印象はかなり暗い。ちなみにこの曲はボスニア救済のチャリティーのため創られた。 ラストを飾るTHE TOURISTはジョニー・グリーンウッドによる変則スローワルツだ。ジョニー自身はこの曲を自分一人だけで創らせてくれたメンバーに感謝すると同時に驚いた様だ。その理由はこの曲にはレイディオヘッドらしさが全然なかったからだという。曲は全編夢うつつの様な気だるい雰囲気のまま流れ最後にひとつだけ鐘が鳴る。この鐘の音に何らかの意味があるのか無いのか、ファンには気になるところだ。 全2作からまた一段と変化を見せたOK Computer。ナイジェル・ゴッドリッチが6人目のメンバーとしての地位を不動にした記念碑的アルバムであり、同時にレイディオヘッドにとってもターニングポイントとなった重要なアルバムだ。 |
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