Pablo Honey
1.YOU
2.CREEP
3.HOW DO YOU ?
4.STOP WHISPERING
5.THINK ABOUT YOU
6.ANYONE CAN PLAY GUITAR
7.RIPCORD
8.VEGETABLE
9.PROVE YOURSELF
10.I CAN'T
11.LURGEE
12.BLOW OUT
92年の秋から初冬にかけてレコーディングされたデビュー・アルバムは翌93年2月にリリースされた。このアルバムからは彼らの名前を全世界に知らしめた「CREEP」が大ブレークを巻き起こした。
レイディオヘッドといえば「CREEP」というくらいの強力ナンバーだったが、彼らはヒットを狙うタイプのバンドではなかったためその後シングル・ヒットはほとんど出ず、レコード会社の思惑ははずれた形となった。全体にまだ本来のレイディオヘッドの独自性はあまり感じられない。と、言うのもプロデューサーがショーン・スレイドとポール・コルデリーというパーロフォンサイドの人材で、彼らは当時既に世界のビッグネームだったU2の路線を意識した音作りを進めたかった様だ。冒頭の「YOU」のイントロや「I CAN'T」等でのギターのサウンドからは間違いなくその意識がはっきりと読み取れる。
しかし、そこはありきたりのバンドじゃなかった彼らのパワーが勝っており、それぞれの曲にノイジーなジョニーのギターが存在感をアピールしている。ストレートなロック・ナンバー「HOW DO YOU」の最後ではそのジョニーが何かを倒す様な音がしっかりと収録されている。普通はカットされる様なノイズをサウンドの一つとして表現の範疇に入れてしまう彼らのスタイルは押しも押されぬレイディオヘッドのその後を予感させてくれた。
イギリスのバンドだけに、やはり様々なブリティッシュ・ロッカー達の影響はそこここに聴き取れる。特に、軽快なポップ・ナンバー「RIPCORD」にはそのキャッチーなメロディーとトムの唄い方がエルヴィス・コステロとの共通点を感じさせる。
「THINKING ABOUT YOU」は唯一トムがアコースティックのみで最後まで唄うおとなしい曲だが、それ以外の曲は当初静かな滑り出しにも関わらず徐々に盛り上がり、気がつくと印象に残るジョニーの歪んだギター・メロディーがすべてを支配してしまっているというパターン。「ANYONE CAN PLAY GUITAR」は彼らのライヴでも人気のナンバー。ジョニーの挑戦的なギター奏法とみんなで合唱できる様な覚えやすいコーラス部で乗りのいい仕上がり。
ボサノバ・タッチのイントロで始まる最終曲「BLOW OUT」も印象に強く残るナンバー。メロディアスでありながらここでもジョニーの世界に凌駕されていく。エンディングのノイジーなギターは飛行機が離陸をはじめ飛び立って行く様なサウンド。
この部分はひょっとしたら「このアルバムはレイディオヘッドとしてはポップ過ぎたので僕らの一作目は「THE BENDS」からさ」とインタビューで答えていた彼らにとっての新たな世界へのテイク・オフの意味が込められていたのかも知れない。
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