メロディー・ガルドー「マイ・オンリー・スリル」
Melody Galdot/My One And Only Thrill
オーディオCD 「マイ・オンリー・スリル」
ユニバーサル・レコード/UCCU-1186
2009年4月8日リリース
収録曲目
1.Baby I'm A Fool
2.If The Stars Were Mine
3.Who Will Comfort Me
4. Your Heart Is As Black As Night
5.Love Undercover
6. Our Love Is Easy
7. Les Etoiles
8.The Rain
9. My One And Only Thrill
10.Deep Within The Corners Of My Mind
11.Over The Rainbow
昨年リリースされたデビュー・アルバム「夜と朝の間(はざま)で」(WORRISOME HEART)は、ジャズ・ファンのみならず広く音楽を愛する人々から大きな評価をうけた。1982年生まれなのでまだ30歳にもなっていない若手ではあるものの、その落ち着いた雰囲気と心をとらえて離さない歌声は常に耳に残ってしまう。彼女の人となりは公式サイト等でお調べいただきたいが、なぜ彼女の歌声と曲がここまで心に染み込むのかはその生き様にある様だ。
今回リリースされた「マイ・オンリー・スリル」は更に磨きがかかった仕上がりで大満足の作品だ。
オリジナル盤での全11曲中「虹のかなたに」以外はすべて彼女の自作曲。ピアノとギターをこなす多才さが曲作りにもよく現われている。ボサノバやブルースも取り入れてメリハリある曲構成になっている。特筆は「アワ・ラヴ・イズ・イージー」だろう。この1曲だけのために金を払っても絶対に損はないという素晴らしい曲だ。まるで映画のサントラの様なドラマチックな旋律と包み込まれるかの如きヴィンス・メンドーサによる壮大なストリングス・アレンジ。シンプル過ぎるかも知れないそれでいて心を震わすミュート・トランペット・ソロ。自然に涙が流れ出す不思議な曲だ。
また、「虹のかなたに」ではガルドーのボッサ・アレンジが弾む。時にはこんなリズミカルな「虹のかなたに」もいいもんだ。二十代にしてニーナ・シモンやビリー・ホリデイらビッグネームと比肩されるガルドーの今後にジャズ・ヴォーカル・ファンはしばらく目が離せない事になりそうだ。
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