I AM THE WARLUS | ||||||||||||||||||
(アイ・アム・ザ・ウォルラス) | ||||||||||||||||||
Lennon & McCartney | ||||||||||||||||||
DATA | ||||||||||||||||||
Recording Date: 1967年9月5日録音開始 | ||||||||||||||||||
Recording Studio: アビーロード・スタジオNo.2 | ||||||||||||||||||
Running Time: 4分35秒 | ||||||||||||||||||
John Lennon: メロトロン/リード・ヴォーカル | ||||||||||||||||||
Paul McCartney: ベース/バック・ヴォーカル | ||||||||||||||||||
George Harrison: タンバリン/バック・ヴォーカル | ||||||||||||||||||
Ringo Starr: ドラムス | ||||||||||||||||||
Others: (セッション・ミュージシャン)ホルン/ヴァイオリン/チェロ マイケル・サムズ・シンガーズ(男女コーラスグループ) |
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「ストロベリーフィールズ・フォーエヴァー」と並ぶジョンの代表的名曲である。ある日ジョンは自宅の前を救急車がサイレンを鳴らして走り過ぎる音を聴いてそのドプラー効果による高低のサウンドと規則的な音の間隔に合わせていくつか言葉を当てはめた。曲のイントロから始まる最初の歌詞の部分である。曲全体の音の流れはこのサイレンがベースになっている。 彼が好きなルイス・キャロルの詩「セイウチと大工」からイメージが膨らみ彼は摩訶不思議な世界を創り出した。彼の大好物でもある「コーンフレークスの上に座ってバンを待ってる」なんてクレイジーでアバンギャルドなフレーズが次々に飛び出す。曲中に出てくる「エッグマン」というのは実はエリック・バードンの事である。ビートルズは彼の事をその変わった性癖から「エッグ」と呼んでいたのだが詳しく書くのは遠慮しておこう。 ジョンはこの曲を100年は楽しめるだろうと大変に気に入っており、実際に歌詞がリズムの一部になり韻を踏む言い回しやあらゆる解釈が可能な意味深長なフレーズはまさしくジョン独特の世界だ。 サウンドもあらゆる要素が入り交じり歌詞に劣らず音の百貨店然としている。この曲は完成に1ケ月近くかけた力作だけにかなり聴きどころが多い。デモテープを聴いた限りではごく普通のロックだが、オーケストラが加わるとまったく違った曲に変貌した。そのオーケストラアレンジを担当したのがジョージ・マーチン。 8本のヴァイオリン、4本のチェロそして3つのホルンが紡ぎ出す重厚なサウンドはこの曲の静脈と動脈を司っている。彼の力の凄さが改めて認識できるだろう。 また彼はジョンとエンディングに挿入するコーラスもアレンジしている。マイケル・サムズ・シンガーズの男の子たちには"Oompah Stick It Up Your Jumpah"と歌わせ同時に女の子たちには"Everybody's Got One"と繰り返させた。このセッションはビートルズもコーラス隊も充分に満足できたものだったという。 イントロはジョンの弾くメロトロン。この曲には正式に2つのヴァージョンが存在する。世界中の殆どがイントロ4回なのに対してイギリス盤のみが6回のヴァージョンでのリリースだった。 また中間部の"Yellow Matter Custard"の前に2拍の音が入っているものもある。 この曲がエプスタインの死から僅か9日後にレコーディングが開始されている事でジョンの歌う「アイム・クライング」の部分が悲痛に聴こえる。 前半と後半を繋ぐ部分とエンディングで聞こえるラジオ音はジョンがコンソールに入力したラジオのダイヤルを回してつくったもの。最後に聞こえるセリフはそのラジオでたまたま流れていたBBCの生番組「シェークスピア/リア王」の一部である。 映画の中でもこの曲のシーンはもっともインパクトが強い。特にラストでエッグマンたちが並んで行進するシーンは一時ビートルズがこの映画の脚本と監督を打診した英国俳優のパトリック・マッグーハンのテレビ映画「プリズナーNo.6」に似たシュールな映像で強く印象に残る。 |
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