今年も8月のお祭りに向けた子どもたちによる「祇園太鼓」の練習が土・日をのぞく2週間にわたり行われました。我々の地元では小学校6年までの子どもが祭りの本番に山車に乗って太鼓と鐘による「子ども祇園太鼓」に参加できます。前橋では昔から受け継がれてきたいわゆるお祭り囃子が各地区にあり、そのほとんどは共通した叩き方です。ただ、大人の太鼓の様に数多くのパターンを子どもたちに教える事は難しいのでここ地元ではさわりの部分を繰り返す形に代えられてきました。
本来は太鼓・大太鼓・鐘のほかに横笛が加わるそうですが、ここではやはり笛は割愛されています。
それでも新入学の一年生に太鼓を教え込むのは大変です。覚えの早い子・遅い子の差は多少はありますが、だいたいの一年生は何とか本番までに覚えてくれます。4年以上の高学年の子どもたちには大太鼓と鐘の練習も加わります。そして特に女の子には太鼓のバチを廻すテクニックも覚えてもらわなければなりません。夜、仲間たちと集まっての太鼓の練習は子どもたちにはたまらなく楽しい事の様です。
学級1クラス分の子どもが集まれば当然その騒ぎの大きさは半端ではありません。お父さんたちも大きな声で叱ったり、時には褒めたりと真夏の暑い夜にがんばってくれたおかげで何とか全員が出来るようになりました。
8月6日の日曜日が今年の納涼祭でした。朝から良すぎる天気のおかげで汗だくのお祭りになりました。
子ども達は法被を着てお化粧をしてもらい大はしゃぎです。10時に午前の山車が神社を出発しました。
途中に交代ポイントがいくつかあり、子どもたちを乗せ替えます。何よりも楽しみなのが数カ所設けられている休憩所です。そこでは大人には冷たいビールがあり、子どもたちにはジュースとお菓子が待っています。休憩する度に汗を流して協力しあう仲間たちのつながりが確かなものになっていきます。これこそがお祭りの意義だと毎回のことながら認識させられます。
午前の巡回から戻ってみんなでお昼をいただきます。ここで子どもと大人のエネルギーの差が歴然とするわけです。お父さんたちはビールを飲み過ぎてグロッキーに。対照的に子どもらは早速出店に向かって駆け出していきました。さて、午後の巡回の再開です。2時の出発からの1時間がもっとも体力の必要な時間帯。ここで多くの低学年がリタイアするケースがこれまで多くありました。
今年は大きなパラソルを使って子どもたちに日陰を作ってやったせいかギブアップした子どもはいませんでした。
4時近くになり、雲が増え始め日差しが弱くなってくれたのは嬉しいのですが、今度は夕立の心配が始まります。でも、何とか天気が回復してくれた様で無事に神社に戻れました。
山車の巡回で動き回ったみんなはしばらくの間かき氷やビールで乾きを癒します。そして夕方、特設ステージでビンゴ・ゲームが始まりました。子どもたちの騒ぐ声も大人には癒しです。
今年は「山車」ができて10年目だそうです。公民館では10年前の山車作りの様子が写真で紹介されました。地元の仲間が協力しながら作った山車にそれぞれの家の子どもや孫が乗って祇園囃子を奏でるという行事はとても素晴らしい事だと思います。子どもたちが大人になって次の代に受け継いでゆく大切な財産でもあります。この幸せを細く長く続けていければいいなぁと思っています。
山車新築10周年を記念して年一回のお祭りをレポートしました。
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