2006年6月、ラスヴェガスの「ミラージュ」で開幕したミュージカル・ショウ「LOVE」ではそこに流れる音楽のすべてにビートルズのオリジナルが使われた。そのショウのために遡ること3年前の2003年から第5のメンバーとして知られる元・ビートルズのプロデューサーであるサー・ジョージ・マーティンが膨大な量のビートルズ・オリジナル音源からまったく新たにリミックスを施す作業を開始した。彼の息子ジャイルズ・マーティンと共に実に足掛け3年という長期間の作業の末に完成したこのアルバムはまさしくビートルズの新作として世界中のビートルズ・ファンに迎えられた。その出来栄えは素晴らしいものの、一方ではこのプロジェクトがビートルズを冒涜するものだとして非難するファンも多い。ある意味宗教的な存在にまで登りつめたビートルズであるからこその現象なのだろうが、その論争はひとまず脇に置いておき、純粋にミュージックとしてこのアルバムの楽曲を語ってみたい。このプロジェクトはポール、リンゴをはじめジョンとジョージの連れ合いであるヨーコとオリヴィアも承諾しているものであり、ビートルズ自身の音源のみでリミックスされたという事実がビートルズの純血作品である事を証明しているわけで、往年のファンにはすべてのこだわりを捨てて存分に楽しんでほしい。またその価値は十分にあると思う。
デジタルによって蘇った各曲のサウンド・クオリティーは素晴らしい。それを裏づけするためなのかDVD-オーディオのディスクが同梱されたものも同時発売されている。筋金入りのビートルズ・ファンであれば思わずニンマリする場面が続々登場する。曲間は常にビートルズのいずれかのサウンドで繋げられており、ちょうどアビイロードのB面がイメージされる。過去にはステレオとモノの微妙なミックス違いだけでアルバムが新たに売れまくっただけに、今回のど派手なリミックスを聴いてしまうとあれは一体何だったのかと変な気持ちにさえなる。それほど斬新な編集がなされているのである。
1. BECAUSE
2. GET BACK
3. GLASS ONION
4. ELENOR RIGBY
 ーJULIA
5. I AM THE WALRUS
6. I WANT TO HOLD YOUR HAND
7. DRIVE MY CAR/THE WORDS/WHAT YOU'RE DOING
8. GNIK NUS
9. SOMETHING
 ーBLUE JAY WAY
10. BEING FOR THE BENEFIT OF MR. KITE/I WANT YOU(SHE'S SO HEAVY)/HELTER SKELTER
11. HELP!
12. BLACKBIRD/YESTERDAY
13. STRAWBERRY FIELDS FOREVER
14. WITHIN YOU WITHOUT YOU/TOMORROW NEVER KNOWS
15. LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS
16. OCTOPUS'S GARDEN
 ーSUN KING
17. LADY MADONNA
18. HERE COMES THE SUN
 ーTHE INNER LIGHT
19. COME TOGETHER/DEAR PRUDENCE
 ーCRY BABY CRY
20. REVOLUTION
21. BACK IN THE U.S.S.R.
22. WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS
23. A DAY IN THE LIFE
24. HEY JUDE
25. SGT. PEPPERS LONELY HEARTS CLUB BAND (REPRISE)
26. ALL YOU NEED IS LOVE
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