Your Mother Should Know(ユア・マザー・シュッド・ノウ)
2分33秒
1967年12月8日/2枚組EP「マジカル・ミステリー・ツアー」A面収録
1967年8月22・23日録音/チャペル・レコーディング・スタジオ
曲/詞=ポール・マッカートニー
オルガン/バック・ヴォーカル=ジョン
ピアノ/ベース/リード・ヴォーカル=ポール
タンブーラ/タンバリン/バック・ヴォーカル=ジョージ
ドラム=リンゴ
ポールが得意とするノスタルジックな名曲。彼は父の影響で子供のころから慣れ親しんでいたノエル・カワード(英国の役者・劇作家・作曲家)の古き良き時代のダンス・ミュージックに魅せられていた。彼の中にある保守的なムード、例えばサージェント・ペパーズに収録されている「When I'm Sixty-Four」などは顕著な作品といえよう。この曲はテレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」のために作られた。エンディングでみんながダンスをするあのシーンである。彼はカヴェンディッシュの自宅に親戚が集まっていた日にこの曲を創った。ジン伯母さんやハリー伯父さんたちを見ていて彼等や母の青春時代に想いを馳せ、歌詞もスムースに書き上げられたそうだ。『君のおかあさんが生まれる前に流行っていた曲で踊ろうよ』という何とも優しく暖かなメロディーは耳に心地よい。 録音はマドックスのニュー・ボンド・ストリートにあるチャペル・スタジオで行われた。アビーロード・スタジオに予約があったためだとはポールの弁。2日間のセッションにはその数日後に変死を遂げたブライアン・エプスタインも立ち会い、結局エプスタインには最後のスタジオ訪問という結果となってしまった。彼等は翌月になってこの曲に一部手直しを加えている。 さて、作品は正規盤ではポールのヴォーカルが第一ヴァースが左チャンネル、第二ヴァースが右チャンネル、そして最終ヴァースはセンターといった具合にパンポットされている。ちょうどダンスのステップの雰囲気を感じさせてくれる。間奏部で聴かれるジョンのオルガンの音色はあたかも教会でのミサを思い起こさせる神聖な響きで曲のムードに貢献。またバックでジョンとジョージが"Your Mother Should/Know"と繰り返すファルセット・ハーモニーはこれぞビートルズという典型スタイル。楽曲データではジョージがタンブールを担当しているとあったが、どこで使われたのかよくよく聴いてみると最後に耳に残る残響でそれとわかる程度の一番最後の4小節だった。そこまで考えて創っているとは何ともはやこの4人組の感性に改めて脱帽。
ホーム トップ
戻る