Sexy Sadie (セクシー・セディー)
3分15秒
1968年11月21日/アルバム「ザ・ビートルズ」C面収録
1968年7月19日録音開始/アビーロード・スタジオ N0.2
曲/詞=ジョン・レノン
アコースティック・ギター/
ヴォーカル=ジョン
ピアノ/ベース/コーラス=ポール
リード・ギター/コーラス=ジョージ
ドラム/タンバリン=リンゴ
ジョンの友人でとんでもないペテン師「マジック・アレックス」という人物がインドでのビートルズの瞑想に横槍をいれた結果生まれたのがこの曲である。ビートルズが傾倒していたインド哲学の師マハリシ・マヘシ・ヨギを訪ねて集まったリシケシュで彼らが純粋に物事の摂理を学んでいく様子に危機感を抱いたヤニ・マルダスことすなわちジョン・アレクシスがありもしないマハリシの女性関係を吹聴してジョンを惑わし、結果としてビートルズをインドから連れ戻した。子どもの様に純なジョンはその与太話を信じてイギリスへの帰路中にこの曲を書いた。ジョンは曲のタイトルを「マハリシ」にして「一体あんたはみんなに何をしたんだ」と糾弾する内容にしようとしたものの、彼の無実を知っているジョージが反対して表題に落ち着いた。
曲自体は素晴らしい出来で、特にバックでのジョージとポールのフェイズ処理されたコーラスの歌詞のイントネーションとメロディーの一体感は秀逸。
失意のジョンを何とか庇おうとするメンバーの気遣いがサウンドの中に溶け込んで聴こえる気がする。ジョージのリードギターのフレーズも然り、ポールの優しいピアノも然り。
この大ほら吹きのスペイン人がいなければビートルズももう少し違った道を歩めたのかもしれない。確かに才能豊かなジョンではあるけれど、彼自身が持つ絶大な影響力に同居する感化されやすい性格がもたらした結果ともいえる。異論もあるだろうが、ヨーコとのつながりもその一つだと考えている。
なお、ここでマハリシの名誉のためにも、信頼のおける関係者がこの件が彼にとっては事実無根の濡れ衣だと証言している事を記しておきたい。
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