Yer Blues(ヤー・ブルース)
4分01秒
1968年11月21日/アルバム「ザ・ビートルズ」収録
1968年8月13日録音開始/EMIスタジオ
曲/詞=ジョン・レノン
ギター/ヴォーカル=ジョン
ベース=ポール
リード・ギター=ジョージ
ドラム=リンゴ
ビートルズにとっては初の2枚組でのリリースとなった通称「ホワイト・アルバム」に収録されている曲。この曲には特徴的なエコーが聴き取れるはず。実はこのエコーの謎に面白いエピソードが語られている。彼等の成功を不動のものとした「サージェント・ペパーズ」以降、ビートルズは自由にスタジオを使う事が許されていた。この曲の録音に際してジョンの気まぐれな提案からEMI第二スタジオの脇にあったコントロール・ルームのテープ倉庫でレコーディングしてみようという事になった。ジョージ・マーティンの承諾のもと、彼等はアンプやドラムセットをそこに持ち込んで演奏を始める。通常、楽器ごとの音がかぶらない様にしきりを使っての録音が常識だったが、アンプを壁側に向けることでその問題をクリアさせてみせた。メンバーは気軽なセッションを繰り返し、単純なブルース進行のこの曲をジョンのめりはりの効いたヴォーカルで見事なビートルズ・サウンドに昇華させた。イントロのカウントはリンゴ。中間のリード・ギター・ソロはエリック・クラプトンだと言われているが実際はジョージのプレイである。一部分のちにダビングされた箇所があるものの殆どはライヴ録音といってもいいだろう。典型的なジョンの作風の曲で、彼等の最後のアルバム「アビーロード」に収録されている「アイ・ウォント・ユー」の原型とも言えるブルースである。
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