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これまでビデオに始まりLD、DVD、BDと映像関連技術と機器の進歩には目をみはるものがある。早いうちからプロジェクターを使用していた私も、2014年になりやっと夢に見たHDプロジェクターの導入を果たした。今回のプロジェクターは5代目になる。しかし、ここではそのプロジェクター云々はさて置き、主に音響について語ろうと思う。 |
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我が家ではサラウンドシステムを2部屋に設置してある。メインとなるシアタールーム仕様の部屋にはパイオニアのVSA-1130を、一方の部屋にはソニーのSTR-DM850をそれぞれ導入。前者はトップミドル・スピーカー出力を備えたドルビーアトモス・デコーダー搭載の7.1Chアンプ。ソニーのアンプは通常の7.1Chアンプだ。どちらも素晴らしいサラウンド空間を創り出してくれている。とは言うものの、そこに辿り着くまでいろいろとあった。正に試行錯誤の連続。ソニーのサラウンドシステムが稼働しているのは女房と共有する部屋。この部屋は奥行きがあまり広くなく、サラウンドバック・スピーカーをリア1本とした6.1Ch仕様。しかも、リア・スピーカーは天井から下に向けての設置だ。サラウンド・スピーカーは視聴ポジションの真横。レベルバランスは後方を高めに調整した。特に、リアは1本だけなのでそのスピーカーのレベルは比較的高くしてある。それにより、音像の移動感や音場の広がりが増した。サラウンドシステム・アンプはどれもみな2Chのステレオ音源もアップミックス技術により最高7.1Chまでのマルチチャンネル再生を実現してくれる。サラウンド用に創られた音源(DTS-Master Audioなど)では、STR-DM850の場合はPure Directというポジション、VSA-1130ではAuto Surroundというボタンで自動的にデコード再生してくれる。 |
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シアタールームのスピーカー配置は少々複雑になっている。システムは7.2Ch(サブウーファーを2台使用)にしてあるがスピーカーセレクターを使ってフロントとサラウンドバックにさらに1対づつ天井取付のスモールスピーカーがある。すべてのスピーカーを稼働させれば数値上11.2Chになるわけだが、本来の11.2Chとはフロントハイやトップミドルなどの出力チャンネルが必要で、そのためには高額な上位機種を使わなければならない。では、なぜ自分の場合この様な配置にしてあるのかといえば、実は映画再生時にフロアのフロントスピーカーがスクリーンの後ろに隠れてしまうからだ。そのスクリーンとは巻き上げロール式の専用のものではなく自作のスクリーンなのだ。しかも4枚セットのややこしい形態で、ホワイトアルミ・ボードを加工して天井に取付けたカーテンレールにスライドさせて組み上げるタイプ。スクリーンのサイズは150インチ。高さ約90センチ、間口は約3メートル40センチのかなりの大きさ。部屋の壁全体を占める寸法。 |
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ビーズ反射の市販スクリーンよりも輝度が高くどこから観ても均一な反射でしかも安上がり。ま、スクリーンの件はそれくらいにして、本題のサラウンドの話に戻ろう。パネルに隠れてしまったフロントスピーカーの代わりに映画鑑賞時には天井側のスピーカーに切り替える。同時にサラウンドバックも同じ高さのスピーカーに切り替えるという訳だ。 (VSA-1130の場合はドルビーサラウンドで再生にする時はトップミドル・スピーカーが稼働。OUT.Pボタンでサラウンドバック・スピーカーとの自動選択が選べるが、DTS-Neoデコーダーはトップミドルに出力は出来ない。つまり、ミドルとバックの同時稼働は不可) |
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映画ソフトの場合、前述のAuto Surroundにすると殆どの作品はMPEG-2 AACで再生される。しかし実際に切り替えてみると、やはりドルビー・プロロジックII-XやDTS-Neo6 cinemaの方が音の分離感が良い。これまで1回だけドルビー・アトモスのソフトを視聴してみた。アンプの表示窓にDolby-Atomosの文字が現われ、意図された箇所では音が頭の上から降り注ぐ様に聴こえた。例えば「ミッション・インポッシブル/ローグネイション」では中盤に仲間がヘリコプターでビルの屋上に降り立つシーンで上空彼方から徐々にヘリコプターが近づいてきて頭上から下降してくる音の移動感にはゾクっとした。まだまだアトモス版のソフトが少ないが、昔の作品が5.1Chになっているという事はいずれ古い作品もアトモス信号に変換される可能性はあるだろうと楽観的に考えたい。更にもう一つ試行錯誤の賜物を紹介したい。それはサブウーファー。2台のウーファーのうち1台を椅子の下に設置した。エンクロージャーダクトを上に向け、椅子の真下に置くことで重低音の振動が身体に伝わるのだ。音楽はもちろん、映画では微妙な振動も感じられ、特にサスペンスものではより一層緊張感が増す。早い話がボディーソニックということだ。このアイデアにより映画の醍醐味を耳と身体で体感出来るようになり、映画中毒症状はもはや後戻りできないまでになってしまった。 |
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