PAPERBACKWRITER
(ペーパーバック・ライター)
1966年5月19日〜20日製作
ビートルズがコンサートを打ち切る年の1966年中旬に発表されたシングル曲のプロモーション・フィルムである。この時点できっと彼等はアピールの場をスタジオに変える事を決めていたのではないだろうか。
その証拠に公開された4つのヴァージョンの3つがアビーロード・スタジオでの収録である。
一連のフィルムは後に「LET IT BE」を監督する事になるマイケル・リンゼイ・ホッグが手掛けている。
ヴァージョン1は英国の音楽番組「Rock Steady Go」で6月6日に放送された。この時には同時にアウトテイク版もオンエアされている。
その前日、アメリカでは「エド・サリヴァン・ショウ」でカラー版のヴァージョン2が放映されている。
カラーTVが普及していたアメリカ向けの戦略の一環かも知れない。
ヴァージョン3は更に2日前の6月3日に「Rock Steady Go」で初公開され、アメリカではこのフィルムが6月25日にABC系列の「Goodbye Lucky Stars」でオンエアされた。
基本的にプロモーション・フィルムとしてのスタンスで創られたヴァージョン4はカラー版でしかも35mmフィルムでの収録で、彼等がチェズウィック・ハウスの庭園で演奏する姿を捉えている。BBCの「Top of the Pops」で一番最初に公開されたフィルムである。ただし、当時は白黒でのオンエアだった。
version 1
version 2 version 3
version 1 (outtake) version 4
このフィルムを製作する直前に、ポールはバイクで転倒し前歯を折ってしまった。スケジュール的にも延期の利かない状況から撮影は継続された様で、そのせいかポールの表情がやや冴えない。
アップになるとその折れた前歯がはっきりとわかる。また、彼等のトレードマークでもあったリッケンバッカがエピフォンとギヴソンに替わっている点も注目すべきポイントだろう。
エピソード
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