RUBBER SOUL
Drive My Car
Norwegian Wood
You Won't See Me
Nowhere Man
Think For Yourself
The Word
Michelle
What Goes On
Girl
I'm Looking Through You
In My Life
Wait
If I Needed Someone
Run For Your Life
曲名クリックで音響マップ図が開きます BACK
 ビートルズの7.1Ch.フォーマット盤コレクションは、彼等の中期とされる「ラバーソウル」以降から始まる。それ以前のアルバムは音響構成的にはシンプルで、サラウンドとしての興味が涌かなかったのがその理由だ。この作品以降は様々な試みが繰り返され、サラウンド効果が徐々に高まっていく。「ラバーソウル」では「ノルウェイの森」1曲だけの試験的導入ではあるものの、ジョージがインドから持ち込んだシタールの存在感が際立つ。
 さて、「ラバーソウル」のサラウンド盤は、特に音像の移動が有るわけでもなく全体的にコンパクトにまとまっている。パーカッション系の音(タンバリンやマラカス等)はほとんどが右リア附近で聴こえる様に収録されている。本来、センターにあって欲しいヴォーカルは何故か右側に寄っていて、ドラムは基本的に左側の空間に位置づけされている。
 中でも音響的に面白いのは「愛の言葉」。ジョンとポールのヴォーカルのシンメトリー配置とオルガン、マラカス、コーラス、リードギターなど音源が豊富なだけにサラウンド感を楽しめる。(音響マップ図参照)
 7.1Ch.になったことで、これまでのステレオでは周りの音に埋もれていて聴き取れなかった様々な音を確認することが出来るのもサラウンド盤の楽しみのひとつだろう。「ひとりぼっちのあいつ」の有名なハーモニクスを使ったリードギターでは、弦を一音いち音はじくピックの音がはっきりと聴こえる。楽器の位置が判ることで、目を閉じるとおのずと4人の場所が想像できる。「浮気女」でのコーラスではジョージの声が右リアから、ポールの声は左リアから出力。ギターは前方から後方にヴォリューム移動されるが音像の移動とは異なる。
 この作品からマルチチャンネル・8トラックでの録音が始まったとされているが、まだこの時点では彼等の持つスタジオライブのパワーとグルーヴが全面にでており、変に音を加工したり妙な細工のないストレートなビートルズ・サウンドが楽しめる。