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 宗教法人とは?

 宗教法人とは、宗教法人法の規定により法人格を持った宗教団体のことを言います。

なお、宗教法人法に定める宗教団体とは、以下を目的とする団体を指し、
  1. 宗教の教義を広め
  2. 儀式行事を行い
  3. 信者を教化育成する
かつ、次の団体とされます。
  1. 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院、その他これらに属する団体
  2. 1.の団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区、その他これらに類する団体。

上記の要件にあてはまる宗教団体は、
  1. 規則を作成し
  2. 所轄庁の認証を受け
  3. 設立登記をする

ことにより、宗教法人になることができます。



 なぜ宗教法人にするのか?

 宗教団体が宗教活動を行うにあたって、任意団体のままであっても、法人格を取得しても全くの自由であり、宗教活動そのものに違いは生じません。

しかし、宗教団体が宗教法人となり法人格を得た場合には、公益法人の扱いとなり、法律関係の独立の単位として権利義務の主体となることができます。
次に、宗教団体が宗教法人となることについてのメリットを記します。
■ 社会的メリット

宗教法人は公益法人となります。当然、社会的信用度も高くなり、財産の管理、取引が安全かつ容易になります。結果、社会生活上その活動が容易になります。
■ 継続的メリット

宗教法人は資産を保有することができます。つまり、法人名義で車や土地を所有できるということです。そして法人格である以上、これらの資産は役員等の設立者の死亡後でも、法人組織に帰属し、未来へ存続していくことができるのです。
■ 事業的メリット

宗教法人は、公益事業を行うことができます。具体的には、次の施設の運営が該当します。
  • 幼稚園・各種学校
  • 図書館・博物館
  • 助産施設・保育所・児童厚生施設
  • 母子福祉施設・老人福祉施設
  • 墓地霊園
また、目的に反しない限り、収益事業を行うことができます。具体的には駐車場経営、お土産販売などが該当します。
■ 税務的メリット

宗教法人は税法上、非課税等の優遇措置が講じられます。
具体的には、財産を取得(寄付を受ける)した場合の、登録免許税、不動産取得税が非課税扱いとなり、また、財産保有税として、毎年、市町村に納めるべき固定資産税、都市計画税も非課税となります。 更に、法人所得税、県事業税、市事業税、法人住民税をも非課税扱いとなります。

ただし、収益活動を行う場合、その収益活動については一般の法人と同じ課税対象となります。

また、登記上、礼拝用建物等の差し押さえ禁止が保証されることとなります。



 宗教法人になるには?

 先般の宗教法人による諸問題の影響により、近年宗教法人の設立認証の決定においては所轄庁での審査が非常に厳しくなっています。

本来、憲法で保障されている信教の自由はしかるべき尊重がされていますが、こと宗教団体へ法人格をあたえることについては、相当の要件を具備していないと認証されません。また、単に書類を整備しただけではだめで、行政庁の審査においては、「本当に宗教団体として、法人化する要件に合致した実態であるのか」 が厳しくチェックされます。

これは、一度認可をしてしまうと憲法で保護されている宗教の自由により、行政側の監視・指導が届きにくくなくなるといった懸念もありますが、法人化することでの税制面での優遇などから、本来の公益事業拡大のための法人化というより収益事業を主とした目的により、要件をみたさない安易な申請が多いといった事例が多いというのも事実です。

 宗教法人の設立認証は、前述のように、規則を作成し、所轄庁の認証を受け、登記をすることにより成立しますが、実際には内部的に行わなければならない手続・書類の作成等、様々な要件が発生します。

また、認証申請にあたっては所轄庁と事前協議をおこないますので、周到な準備が必要です。

以下に、具体的な手続の概要を記します。

■ 宗教法人規則認証申請前の手続

  1. 設立発起人会議を開き、規則案を作成します。

  2. 規則案の議決後、公告します。公告は、事務所の掲示場・機関紙・新聞等を利用して行い、規則案の要旨を信者その他の利害関係人に周知徹底するようにしなければなりません。公告をする時期は、規則の認証申請をする1か月以上前で、1か月以上経過してどこからも異議が出ないことを確認しなければなりません。
  3. 被包括の宗教法人を設立しようとするときは、ここで包括団体の承認を得ます。(単立の宗教法人の場合は不要)
■ 宗教法人規則認証申請

宗教法人の規則認証は、概ね以下の書類を所轄庁(都道府県、または文部大臣)に提出します。
  1. 規則認証申請書
  2. 規則
  3. 設立しようとする宗教法人が宗教団体であることを証する書類
  4. 施設に関する書類
  5. 公告をしたことを証する書類
  6. 申請について適正な手続を経たことを証する書類
  7. その宗教団体が公益事業その他の事業を行う場合には、その事業に関する書類
  8. 設立しようとする宗教法人が被包括の宗教団体である場合には、包括団体の承認を得たことを証する書類

認証申請後、概ね3ヶ月で規則認証の決定が通知されます。。
■ 設立登記

規則認証の通知後、2週間以内に設立登記をしなければなりません。登記の完了後は、その登記簿謄本等を添えて、所轄庁に設立の届出を行う必要があります。



 宗教法人の設立後は?

 宗教法人は、法人格を与えられた以上、様々な報告義務・備付義務・運営の透明性が発生します。

次に、宗教法人の運営義務の概要を記します。

■ 備付義務

宗教法人は、毎会計年度終了後、3ヶ月以内に収支計算書及び財産目録を作成し、これらを備えなければなりません。
  1. 規則及びその認証書
  2. 役員名簿
  3. 財産目録及び収支計算書並びに貸借対照表(貸借対照表は、作成している場合に限る。)
  4. 境内建物(財産目録に記載されているものを除く。)に関する書類
  5. 責任役員その他規則で定める機関の議事に関する書類
  6. 収益事業等を行っている場合には、その事業に関する書類
■ 報告義務

宗教法人設立後は、会計年度終了後4カ月以内に、次の書類の写しを所轄庁に提出します。
  1. 財産目録及び収支計算書並びに貸借対照表(貸借対照表は、作成している場合に限る。)
  2. 境内建物(財産目録に記載されているものを除く。)に関する書類
  3. 収益事業等を行っている場合には、その事業に関する書類
■ 運営の透明性

備付けが義務付けられている書類及び帳簿に関して、信者その他の利害関係人から閲覧請求があった場合には、これを閲覧させなければなりません。

 宗教法人の会計は、企業一般会計原則とは異なった、宗教法人法に基づく会計処理をしなければなりません。また、宗教法人設立後、2ヶ月以内に所轄の税務署に対して、その納税地、事業目的などの一定の事項を届出なければなりません。

 個人が宗教法人に資産を有償で譲渡した場合には、その個人には所得税(譲渡税)がかかります。また、贈与を受ける宗教法人に対しては贈与税が課税される場合があります。

しかし、一定の要件を備えた公益性の高い法人に対する贈与である場合には、非課税の取扱を受けれることもできます。この適用を受けるには、宗教法人組織や管理運営体制について一定の要件が必要となりますので、規則の制定にあたっては十分な検討が必要となります。



弊事務所では、宗教法人の認証に関する相談、書類作成、並びに提出を行います。
また、必要に応じて認証後の諸手続・毎年の更新手続も行います。

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