事業協同組合とは? |
|
事業協同組合とは中小企業等協同組合法に基づく組合で、主として異業種あるいは同業種の中小企業が集まることによるスケールメリットを活かして、共同受注や共同生産、共同購入や組合員の福利厚生を行うなど、構成員の組合員の営利のためにつくられる組織です。
法人の性格としては、株式会社などの営利法人と、福祉法人などの公益法人との間に位置する中間法人であり、営利目的を目的とはしませんが、収益をあげて組合員のための資産に投資するなどの行為は可能です。
なお、平成12年の法改正により、事業協同組合から株式会社、有限会社へと変更することも可能となりました。 |
|
|
なぜ事業協同組合にするのか? |
|
事業協同組合の設立のメリットは、弱体の中小企業が集まることにより、一つの組合として法人格を得ることによるスケールメリットにありますが、具体的には次のようなことがあげられます。
|
- ■ 社会的メリット
事業協同組合は行政庁の認可を受けた中間法人ですから、その社会的地位や公益的役割により信用度は高くなります。例えば、行政に対する発言力は大きくなりますし、取引においても対外的に与える信用は大きいと言えます。
- ■ 資金的メリット
事業協同組合は、国がその振興発展のために補助してくれるという点がまずあげられます。また、中小企業組合の専門金融機関である商工中金や、中小企業事業団などによる低利長期の融資が受けられたり、また民間の金融機関においても融資は受けられやすくなることが言えます。
- ■ 営業的メリット
異業種間の事業協同組合であれば、組合の中で仕事を回すなどの協同作業のネットワークが構築できるなどのほか、組合として仕事を受注し組合員に発注したり、組合員が取り扱う製品を組合がまとめて販売するといったことも可能です。
また、1年以上経過した事業協同組合が「官公需受適合組合」として認められれば、公共工事など官庁から仕事が流れてきやすいといったメリットもあります。
- ■ 生産的メリット
個々の組合員では保有できない設備を組合として保有したり、組合員が材料などをまとめて購入し原価低減を達成できたりします。
また、個々の企業でできない市場調査や研究開発、情報提供を行うなど、企業は本来の事業に専念することができます。
- ■ 事務的メリット
個々の企業の経理を組合で行ったり、人材募集や労務管理を組合で行うことにより、余分な経費削減が望めます。また、組合で健康診断や福利厚生施設の運営といった共同福利もできます。
- ■ 税務的メリット
事業協同組合には、その性格が営利の追求を目的としない認可法人ですから、それに見合う特別税制がひかれてあります。
例えば、法人税・印紙税・事業税・不動産取得税・固定資産税・事業所税などの軽減措置です。
これ以外にも事業組合にすることによるメリットはいろいろと考えられますが、SOHOや在宅ワークなど、規模の縮小化・合理化の形態が多くなってきている今日の情勢を考えると、緩やかな結合により大企業でしか得られなかったメリットを享受できる事業協同組合は、時代にマッチした組織形態だといえそうです。
|
|
|
事業協同組合を設立するには? |
|
事業協同組合は、4人以上の中小事業者が発起人となり、定款,事業計画,収支予算等を作成しで所轄庁の設立認可を受けて、登記をすることにより設立します。
具体的な手続は、次のようになります。
|
順序
|
設 立 事 務
|
行為者
|
期 日
|
摘 要
|
1
|
設立発起人の決定 |
|
|
発起人は4人以上必要 |
2
|
設立発起人会の開催 |
発起人 |
随時 |
設立に必要な事項の決定並びに書類の作成を行う |
3
|
設立同意の呼びかけ |
同上 |
創立総会開催直前まで |
組合員となる資格を有する者に対して行う |
4
|
設立同意並びに出資引受けの申出 |
組合員になろうとする者 |
同上 |
発起人に対して行う |
5
|
創立総会開催の公告 |
発 起 人 |
創立総会開催日の2週間前 |
創立総会の日時、場所及び議案を創立事務所に掲示すれば良い |
6
|
創立総会開催の通知 |
同上 |
おおむね創立総会開催日の2週間前まで |
設立同意者に対してする |
7
|
創立総会の開催 |
設立同意者 |
|
発起人が作成した議案を審議決定するとともに、役員を選任する |
8
|
理事会の開催 |
理 事 |
創立総会終了直後 |
理事長、専務理事等を互選するほか、組合事務所を決定する |
9
|
設立認可の申請 |
発 起 人 |
創立総会終了後遅滞なく(おおむね2週間以内) |
所管行政庁(県)に対してする |
10
|
設立事務の引継ぎ |
発 起 人
理 事
|
設立認可後遅滞なく |
発起人から理事に対してする |
11
|
出資払込の告知及び徴収 |
理 事 |
設立事務の引継を受けた後遅滞なく |
引受けのあった出資の全部を払い込ませる |
12
|
設立登記の申請 |
代表理事
(理事長)
|
出資払込み完了の日から2週間以内 |
設立登記によって組合は成立する |
13
|
法人設立の申告 |
同 上 |
設立登記後2ケ月以内 |
税務署、市町村等に対してする
青色申告の申請も同時に行うこと
|
|
なお、設立にあたっては各組合員となる企業からの出資が必要となり金額上の要件はありませんが、概ね全部で100万以上はみておきます。 |
|
|
事業協同組合の設立後は? |
|
事業組合として認可後は、毎年度の通常総会終了後2週間以内に決算関係書類を所轄長に届け出る義務があります。
それ以外にも次のような変更は、所轄庁に届け出なければなりません。
- 定款変更
- 員外利用の特例
- 合併
- 組織変更
- 事業転換
- 役員変更
- 中小企業者以外の加入
また、名称や目的、事務所の移転、役員や出資の変更がある場合には、登記しなければなりません。 |
|
弊事務所では、事業協同組合の認可に関する相談、書類作成、並びに提出を行います。
また、必要に応じて認証後の諸手続・毎年の更新手続も行います。 |
|