セマルハコガメ

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 世の中には亀好きの方も沢山いらっしゃるようで。ボスん家に来られるお客さんの中でも、よく山の中で「ハコガメ」に会えますか?という質問を口にされる方がいらっしゃいますが、ハコガメは山の中で見つけることの方が実は難しいようです。むしろ、民家近く、僕のアパートや勤め先の家の周囲にも何匹か生息していて、よく目にします。
 その家では生ゴミを家庭内で消化してしまおうと、土に穴を掘り、埋めては土壌の肥やしにしていますが、そんなゴミ捨て場付近には夏場ともなれば、必ず2、3匹のセマルハコガメが徘徊しています。以前の女性スタッフ、ヒカリなどは「太郎」「次郎」と名付けていました。「太郎」はスイカ(の皮)好き、「次郎」はパイナップル(の芯)好きでした。
 彼らはスタッフの目を盗んで、時には建物内にも潜入しているようで、とあるツアー後の夕べ。

 漸く後片付けを終えた僕が、少し休もうとビール片手に室内に入ってくると、離れの床に黒い泥のようなものが点々と残されているのに気づきました。よく見ますと、ギザギザした何やら葉っぱの破片らしきものも含まれています。匂えば、臭い。これは何者かの糞のようだと、部屋の隅に犯人を探しますが、見つかりません。もう出て行った後のようです。
 しょうがなく、掃除しようとしていますと、家の主が「ただ拭き取るだけやったら、誰でもできるぞ。その糞を取って、なんか入れ物に水張った中に入れれば、何食ったかわかるやろう。そしたら犯人もわかるかも知れんやろ」
 なるほどと、早速捨てる前の古いペットボトルに水を入れ、糞を入れてかき混ぜ、分離して観察してみました。すると、葉っぱだと思っていたギザギザが、カタツムリの殻の破片であったことがわかりました。

 中にはそのままの形で出てきている小さなカタツムリの殻も見つかります。カタツムリを食べる動物。そこで、スタッフは思い浮かべるわけです。このセマルハコガメのことを。地上性で雑食性の彼等ですから、この西表の草むら、枯れ木の陰に沢山いるカタツムリを常食としていてもなんらおかしくはありません。犯人はハコガメにおそらく間違いないと踏み、機会あれば、ハコガメが目の前で垂れた糞を逆に調査して裏づけせねばと内心決意する僕達でした。


「天然記念物だからホントは触ってもいけないんだよ」
「でも、家の中で迷子になっても困るし、外に出そうね」

救出(?)のために取り上げたところ、きれいに蓋を閉じちゃいました。

部屋の中に迷い込んだものをドアの外に放したところ、彼は一目散に逃げていきました。

西表島、
隣人達の事件簿

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