11/23 三重県
大安トラウトレイク

釣り大会 〜大安トラウトフェスタ〜


 最初に言っておくと、今回の大会には参加しないでおこうかと思った。

と言うのも、前回大会での優勝者は、半日で32匹という丸一日釣っても敵わないような、ぶっちぎりの匹数での優勝だったからだ。

2位も20匹以上。『もしかしたら』『運がよければ』等では覆らないであろう、圧倒的な力の差。社民党が単独過半数を獲得するようなものである。

しかし、この日は特にやる事も無かったので、珍しく早く目が覚めた事もあって大安トラウトレイクへ向かった。









が、家を出て5分、嫌な予感がしたのでコンビニで荷物を確認すると、リールを忘れた事が発覚。Uターンして取りに戻る(泣)



ようやく釣り場に着くと・・・


ズラー

スゴイ車の数。フツーに『やっぱり参加するのやめようかな?』と思ってしまった。

しかし、せっかく来た以上仕方が無い。ロッドを持って事務所に向かうと『もう参加する人いない?締め切るよー』

あわわわっ!『出ます!参加します!』


エントリーで名前を書く時、かなり悩んでしまった。

と言うのも、”俊”というハンドルネームは本名から一字拝借しているので、優勝して名前が張り出された時、これだけ大勢(たしか60名近く)いたら気付く人がいるのではないか、と。

私の本名が”有栖川宮俊仁親王”である事が、バレてしまわないか、と。

「もしかしてあの人、セレブなフライフィッシングサイト、”Fly High Fisher”の管理人じゃないの??」『サインしてー!』なんて事になったりはしないか、と。

『あなたが俊さんですか?ハイ、これをどうぞ』などと、突然バンブーロッドを貰ってしまったりしないか・・・(←しつこい)


とりあえず、”俊”を”利”と書いておいた。やる前から優勝後の心配をしているなんて、俺は小井手監督か?
ちなみに『なんか名前が違うよな?って思った』とは、大会終了後、マネージャーYさんの談。


当日の大会ルール

禁止事項
・トレーラー、
・ダウンショット、
・フォーミュラなどの集魚剤、
・フライのドロッパーなどの2本以上の毛針(普段はOK)

釣れた時の確認方法
・釣れた方は手をあげて報告
・マスにさわった時点で1匹
・スタッフ(ボランティア)が確認、サイズ計測。集計用紙に記入し、サイン。


 まず最初に、半数はクジによって呼ばれた順に好きな場所へ入った。
番号を呼ばれなかった人達は、空いたスペースに入るという方式で大会スタート。ちなみに自分の番号は呼ばれなかった・・・(遠い目)


第3桟橋は、もう人で埋まっただろうな、と思いながら桟橋に向かうと、予想に反してスペースが空いている。

難なく場所確保に成功。


セオリーどおり、べた底にミッジピューパ(#16黒)を沈めて釣り開始。ティペットはフロロ6X。

前回の32匹を基準に考えたら、32匹/4時間つまり最低でも10分に1匹以上のペースで釣る猛者がいるはずだ。


ところが、開始直後ルアーの人が2〜3人手を挙げただけで、周囲は完全に沈黙。



エッグやマラブー、スカッドと次々フライを換えるが、全く反応無し。前日からの急激な冷え込みで、ターンオーバー現象(気候の急激な変化による水温低下や、それに伴う対流による濁り。俗に言う”水が死んでいる”状態)が起きていたらしい。

1時間ほど経って、ようやく最初のアタリ。見事あわせも決まって、ランディングしようとしたが、恐るべき現実が待ち構えていた。



↓↓↓
→      ←
 バラせ! 
                  
↑↑↑

ザクザクザクザク


あいたたたたた。突き刺さる、周囲の皆さんの怨念。皆の気持ちが一つになったとはこの事を言う。


さらに最悪の事態。目の前には、桟橋固定用の鎖が2本!

魚は見事に2本の鎖の間に入り込み、右へ左へ大暴走。隣には、既に釣れた魚を確認するスタッフがスタンバイしていて、様子を伺っている。

『こ・・・こら!右に行くなって!!・・ってチョット待て!左にも行くな!(←無理)


キリキリキリキリ・・・と、ティペットがこすれる嫌な感触が手に伝わる。数秒後、ふっと軽くなり、周囲の皆さんの願いは無事叶った。
『ここはランディングが難しいかもしれませんねー』 計測係の方に慰められる(汗)


反応があったので、同じ場所をしつこく攻める。フライは黒のビーズヘッド・ミッジピューパ#14。

ピクピク・・シュバッ!

見事フッキングーしかし、5秒程でバレる。ふと隣を見ると、計測係の人が待ち構えていた。あまりにも皆が釣れないので、やる事がないようだ。
『おしかったですね。また鎖で切れましたか?』

『いえ、ごく普通にばれました・・』(聞くなっての)


この時点で、おそらく2時間ほどが経過。優勝とか30匹などとは程遠く、目標は”ボーズにならない”この一点に絞られた。多くの参加者も、おそらく同じ気持ちだったと思う。



とんでもない釣り大会です。



確認できた限りで、一番釣った人でも2匹。周囲では既にタバコをふかしたり座り込む人が出てきた。
しかし、ここでやる気を無くすわけにはいかない。私は優勝したいわけでも、賞品が欲しい訳でもない。






このままでは
ホームページ更新のネタがない!ない!ない!




あとは、極小さなアタリを見逃さないよう、全神経をインジケーターの動きに集中した。



開始から2時間以上、フッと沈んだインジケーター、即座にフッキングと同時に鎖を避けて1m横に移動。


思った以上に魚は元気で、多少てこずったが無事ランディング!
サイズは37.5p、計測係の人のサインを貰ってようやく1匹。しかし、この後も厳しい状況は延々続き、大会終了まで1時間程になった。





困った事になった。

ホームページ更新には、やはり”入賞”か”ボーズ”が望ましい。『1匹釣れました』なんて中途半端は、面白くも何とも無い。
でもこの状況なら、3匹で入賞は狙える。




ここで、戦略を立て直す事にした。

今までは、15m程投げて、手前4〜5mのポイントでいずれもアタっている。つまり、

・ロングキャストはライントラブル防止の点からも不要。

少ないながら、オオユスリカのハッチが極僅かながら見られる。ミッジピューパ以外ではアタリは無かったので、フライは#14・ビーズヘッドミッジピューパで固定。

タナを底から30pほどに調整。”点”ではなく”線”で釣る方法に変更して、7m程投げて足元まで超低速でリトリーブ→また7m程投げるを繰り返した。


すると、極小さなアタリがすぐにあったので合わせると、小さな手応えと共に魚が上がってきた。・・・と思ったらブルーギルだった(泣)


自作リリーサーで光の速さで何事も無かったように即リリース。何事も無かったように涼しい顔で釣りを再開。
しかし、この外道一匹の後、奇跡は起こった。



数分後、目の前でまたも小さなアタリ。1匹目よりは小型だったので難なくランディング成功。今度は正真正銘ニジマスだった。計測係の人に『2匹釣った人は殆どいないみたい』との情報をゲット。
上手くいけば、入賞が狙えるかもと思った。

『さっきのギルが虹鱒なら、優勝候補だったんですけどねー』  ぐはっ!
『み・見てました?』
『駆けつけようと思いましたが・・・ニヤリ』


ヨッポドミンナツレテナインダナ。


どうやら魚は桟橋近くにいるようなので、目の前3〜4mぐらいを重点的に攻める。時間は後30分を切っている。
信じられないことに、またもやヒット!

計測係の人が、すぐに駆けつけてきた。しかも『優勝候補!優勝候補!!』と連呼している!

周囲からは、また釣りやがった 何でコイツだけ立て続けに釣れるんだ? なんかインチキしてねーか? バレろ!(×10) もしかして岩井渓一郎?など、多種多様な邪念が降り注いでいる気がしたが、ホームページを楽しく更新という、重大な使命を持つ我輩には、痛くも痒くもない。



無事ランディングして、計測係の人より『優勝狙えますよ!』と嬉しいお言葉。

しかし、他の桟橋の状況は分からないので、『これで3位争いのジャンケンには多分参加できますよね?』と聞くと、『ええ!ジャンケンはいけるでしょう!(どんな会話や)


間もなく、Yさんより『あと5分で終了です』とのアナウンス。周囲の人が諦めムードになっていたが、おそらくこの時、俺は金色のオーラを纏っていたと思う。

『4匹目が釣れたら、間違いなく入賞できる!』そう確信し、全神経をインジケーターに集中。HUNTER×HUNTERで言うところの”円”


『あと1分です!』とYさんが言ったと思う。その数十秒後、インジケータがゆっくり沈んだ。と同時にすかさずフッキング!

またも計測係の人が駆けつける。(結局、手を挙げる必要は無かった)
『いける!優勝狙える!!慎重に!慌てずに!』


俺より計測係の人が大ハッスル。

比較的小型だったので、無事ランディング。そして確信した。『入賞は間違いなし。もしかしたら優勝!??』



その時、色々な不安が頭をよぎった。

『確か、景品ってEUFLEXのEXVかXCの#5だったよな?オイオイ、SAGE・XPが#5なのに、番手がかぶってるやん!どっちかオークションで売っ払うかー?SAGEは気に入ってるし、やっぱり売るならEUFLEXか・・・しかし、一回は使いたいなー。おっと、その前に優勝したら本名がバレちまう!ウーン困った、どうしよう・・・』

ものすごく余計な心配をしながら、無事魚をキャッチ。間もなく『終了ーー!』


ここで、ふと気付いた。



写真撮るの忘れてた・・・。


結果発表前のひと時。あちこちで『ボーズだった』『1匹だけ』『アタリすら無し』など、とても楽しそうな会話が飛び交っている。



そしてついに結果発表。ざわざわざわ・・・人が集まってきた。





大物賞! 沢田さん!(仮名)


おめでとー。パチパチ。

隣の人が40センチオーバー釣ってたので、入賞してない事は先刻承知。





『フライ部門。優勝は・・・・』




ゴクリ




『7匹!』  グフッ!!(痛恨の一撃。俊は1万ポイントのダメージを受けた)

『岩井さん!(仮名)

お・・おめでとー。パチパチ。


ヤバい。仮に7匹・6匹・5匹だと、3位争いのジャンケンにさえ参加できない(汗)



『2位!』














『4匹!』







『有栖川宮俊仁親王殿下!!』(←おい)







よっしゃあああああああああああああああっ!!



















ああああああああああああああああああああああああああ



お 知 ら せ□

管理人が激しく錯乱しています。
しばらくそのままでお待ちくださいm(_ _)m



















はっ!? 私は一体・・・?

あ、そうそう!続きをお話しすると、見事2位・・いや、ここはあえて準優勝と言わせていただこう。何はともあれ、無事入賞を果たす事が出来ました。

これもひとえに、自分のおかげです。うん。
混じりっ気無しで、
俺様の力のおかげです。
(←スゴイ嫌な奴)



しかし・・・・もしもバラした2匹と、ブルーギルが虹鱒だったら5万円はするロッドが手に入ったかもしれないのに・・あぁいと悲し。

その後、同じ場所で午後3時まで釣り、5匹ほどの釣果がありました。夕暮れまで釣り続けるのも野暮だったので、おとなしく帰宅しました。

頂いたC&Fのフライボックス、かなり欲しかったモデルだったので、素直に嬉しかったです。来年も参加しようかな?


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