My Favorite Tunes : Part6

 

   

第 6 回 ( 12 / Mar / 2000 )

Maria de Buenos Aires (ブエノスアイレスのマリア)
Piazzolla, Astor (ピアソラ, アストル)

 

    ピアソラという作曲家に出会い、従来抱いていたタンゴのイメージが根本から覆り、
    またバンドネオンという楽器も初めて知りました。
    素晴らしい作品ばかりですが、その中でも特に好きな曲の一つです。

Baltar(vocal)、Rosas(vocal)、Ferrer(narrator)
Piazzolla(bandoneon) / Gosis(piano) / Agri(violin) / Baralis(violin)
Pontino(cello) / Panik(viola) / Diaz(bass) / Tirao(guiter)
Schneider(flute) / Corriale(percussion) / Bisio(vibrafon)
DISCMEDI / DM 156 CD
オリジナル版ともいうべきピアソラ盤

Zenko(vocal) / Jairo(vocal) / Ferrer(narrator)
Glorvigen(bandoneon) / Kremer(violin) / Sakharov(piano) / Fedotova(flute)
Sudraba(cello) / Zebriunaite(viola) / Posch(bass) / Sadlo(percussion)
Arrangement(編曲) : Desyatnikov (デシャトゥニコフ)
TELDEC / 3984 20632 2 (WPCS 6380/1)
クレーメル盤 オリジナル版の11人に対して8人編成となっています

Gentile(vocal) / Garay(vocal) / Speca(narrator)
Pitocco(bandoneon) / Pellegrio(violin) / Bruni(violin) / Pezzulo(viola)
Magri(cello) / Giorgi(bass) / Fabiani(flute) / Torlontano(guitar)
Francesco(piano) / Pasquale(percussion) / Costanzo(percussion)
I Solisti Aquilani / Antonellini
Dynamic / CDS 185/1-2


台   本 :


フェレール

初   演 :

1968年 ブエノスアイレス

    どちらも素晴らしい仕上がりで、これはもう両方聴くしかないでしょうね
    どちらにもフェレールが語り (小悪魔) として参加してます。
    (どちらの盤にもなぜかリブレットが添付されてません。幸い去年 (1999/2) クレーメルが日本でも公演し
    その録画がNHK-BSで放送されました。字幕付きでしたのでやっと歌詞の内容がわかりました ^^ )
    なお、クレーメル盤にはオリジナルにない 「私はマリア」 という個所が追加されていますが、
    この部分は歌詞が新しく追加され、音楽は 「受胎告知のミロンガ」 と同じものとなってます。

      某掲示板で質問したところ、斎藤氏からお答えをいただきました
      氏は 「アストル・ピアソラ 闘うタンゴ」 の著者であり
      CD 「エル・タンゴ」 にも素晴らしいライナーノートを書いておられます

 

マリア(タンゴという音楽を擬人化したもの) をとおして、
タンゴの誕生から変化、没落と死、新たなる復活を全2部16場にまとめている。

    ボーカル (女性) :

      Maria (マリア) / La Sombra de Maria (マリアの影)

    ボーカル (男性) :

      La Voz de un Payador (パジャドールの声) / Porteno Gorrion con Sueno (夢見る雀のポルテーニョ)
      Ladron Antiguo Mayor (古き大盗賊) / Analista Primero (第一精神分析医)
      Una Voz de ese Domingo (あの日曜日のひとつの声)

    語 り : El Duende (小悪魔)

 

第1部 :

    第1場 アレヴァーレ(合図)

      マリアを愛する小悪魔がマリアのイメージを呼び起こす。

    第2場 マリアのテーマ

    第3場 おかしなオルガニートへのゆがんだバラード

      小悪魔はマリアの物語を語る。「彼女は女神にして浮浪者 ・・・」
      小悪魔とパジャドールは悲しいマリアのために祈る。

    第3場b わたしはマリア (クレーメル盤で追加されている部分)

      マリアは自分を紹介する。

    第4場 少女マリアによるカリエーゴ調のミロンガ

      夢見る雀のポルテーニョが、マリアとその出自の物語について語る。
      ポルテーニョはマリアを愛する最初の男。しかしマリアは彼をあざける。
      彼は気落ちし、マリアが町から去るだろうと予言する。

    第5場 フーガと神秘

    第6場 ワルツによる詩

      マリアが堕落した生活をたたえて歌うが、また自分の死が近いことを予感する。

    第7場 罪深いトッカータ

      小悪魔は、バンドネオンがマリアを誘惑し堕落させ傷つけたとして告発する。

    第8場 下水道の古い盗賊たちの場末の懺悔の歌

      街の最低辺に落ちぶれたマリア。
      年老いた泥棒たちと娼婦たちが彼女を待ち受けミサを執り行う。
      マリアは死の宣告を受けるが、マリアの影はブエノスアイレスの路地に戻り
      太陽の光から逃げて過ごすこととなる。

第2部 :

    第9場 マリアの最初の死による葬儀のコントラミロンガ

      小悪魔はマリアの奇妙な埋葬について語る。

    第10場 暁のカンタータ

    第11場 街路樹と煙突に寄せる手紙

      マリアの影は記憶を失い、自分が誰のものかも分からず
      太陽の光から守ってくれる街路樹と煙突に手紙を書く。

    第12場 精神分析医たちのアリア

      マリアの影が精神分析医たちに診察される。しかしマリアの影の記憶を戻せない。

    第13部 詩人で酔った小悪魔のロマンサ

      マリアを失った悲しみに小悪魔は酔いつぶれている。

    第14場 アレグロ・タンガービレ

    第15場 受胎告知のミロンガ

      あやつり人形たちがマリアの影を見つけ出す。
      影は受胎がどのように成長したかを語り、自分が生まれ変わることを宣言する。

    第16場 タングス・ディ (神のタンゴ)

      小悪魔と「あの日曜日のひとつの声」、静かなブエノスアイレスの日曜日の様子を語る。
      しかしこの日曜日は他の日曜日とは違っていた。
      この異変に小悪魔は答える。「この日曜日は何と不思議な収穫になったことか ・・・」
      マリアは生まれ変わる。だが死んだマリアとは別のマリアなのか ・・・
      幻想的な祈りのなか幕を閉じる。

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