設 定
時代は15世紀、南フランス プロヴァンスの王ルネの娘イオランタは、生まれながらの盲目。 しかし彼女自身はその事実を知らされずに育っている。 王の命により、城内では彼女の盲目の事実をほのめかす者には死の刑罰が待っている。 イオランタとロベルトは幼い時より婚約者どうしであるが、いまだに会った事もない間柄。
幕が上がる
美しい庭で花に囲まれ音楽を聞いているイオランタ。 疲れを感じマルタに子守歌を歌ってと頼む彼女。
ルネ王とハキアが到着する。彼はイオランタの調査結果を王に話す。 それはイオランタ自身の直そうとする意志、彼女自身が盲目であることに気づく事が必要と。 落胆する王。
夕暮れ、道に迷った二人の騎士が城門におとずれ禁制の庭に入ってくる。 一人はロベルト、もう一人はボデモン。彼らはルネ王の城に到着したことに気づいていない。
ロベルトはまだ会った事も無い、王の娘イオランタとの愛の無い結婚を嘆く。 彼は王に婚約の免除を希望している。なぜなら彼にはマチルダという新しい恋人が。
イオランタは二人の声で目覚める。ボデモンは彼女を見て、彼女の無邪気な美しさにうっとりする。
イオランタはボデモンにワインをもてなす。 話のなかで彼はイオランタが盲目であることに気づき始め、
彼女に赤いバラを取ってくれるよう頼むが、彼女は白い花を彼に手渡す。 彼は彼女の閉ざされた世界を理解する。
「あなたの心には、すばらしい世界の光を見るなんの望みもないんですか?」 イオランタは答える。
「世界ってなに? 見るって、光って?」 バドモンは彼女に、世界は素晴らしさや美に囲まれていると話す。
そこへルネ王が現れ、見知らぬ者がいることに怒り、イオランタの秘密が明らかにされたことを悟る。
王は、もしイオランタが治癒しなければ、侵入者を殺害すると誓う。 イオランタは、バドモンの献身的な愛情に深く心を動かし、
彼を救うのは、彼女自身の「見る」という強い意志しかないと悟る。 奇跡がおこる。彼女は光をはっきりと認めはじめる。
一方、ロベルトが戻り身分を明らかにする。 王は心が和らぎ、ロベルトを結婚の約束から解放し、イオランタの手をバドモンに。
|