物語の舞台となるのは昔の日本。
第一幕 :
夜が次第に明けて太陽の光があたりをつつむ。 イリスは見ていた恐ろしい夢を語り、悪夢を追い払ってくれた太陽に感謝している。
イリスの父が小屋から現れ、イリスの手で日差しの中へ導かれ祈りを始める。 オーサカはキョートの手を借りイリスを手に入れようと狙っている。
旅廻りの人形使いに変装したオーサカとキョートによってイリスは連れ去られる。 イリスの父は娘を探すが、彼女は吉原に行ったと聞かされ、
イリスに捨てられたと、思い込み、行商人に吉原へ連れて行ってくれるよう頼む。
第二幕 :
オーサカがイリスに言い寄るが、あどけないイリスは愛の言葉にあきれて笑っている。
やがてオーサカの本心がわかり、父親のもとへ帰してくれと頼む。 オーサカは失望し、キョートに彼女を追い出すよう勧めるが、キョートは
芸者にして稼ごうともくろみ、暗い穴をみせ従わなければ穴に落とすと脅かす。 父親があらわれイリスは居場所を指示するが、助けてくれると思った父親から
激しくなじられる。失望のあまり穴に身を投げるイリス。
第三幕 :
真夜中、どぶ川の土手、浮浪者達がごみを漁っている。 絹の着物を見つけ、その着物をはぎ取ろうとするが、
死んでいると思っていた人間が動くのを見て逃げてしまう。 横たわっていたのは、深い傷を負ったイリス。
薄れる意識に人生は無情だと告げるオーサカ、キョート、父親の声が。 やがて夜が明け、太陽が温かい光を彼女に投げかける。
彼女は手を差しのべ太陽に呼びかける。 「お前の光の中で私は休むわ」 ・・ 息を引きとる。
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