第一幕 (イストリア、ディニャーノの交差点)
夕暮れ、雷と稲妻が鳴っている。人々は収穫物を心配し、村の守護聖人ビアージオに祈っている。 マルッサに恋をしている裕福な青年ニコラは、居酒屋へ・・・ 仲介人(民謡の演奏者)ビアージョはマルッサの父メニコに、マルッサの結婚相手にニコラはと持ちかける。 欲深い老人メニコは断りながらも打算をしている。
帰宅途中、マルッサはいちご売りルーゼの悲しい打ち明け話を聞き同情している。 マルッサのもとに恋人ロレンツォがセレナータを歌いながら現れる。 二人は村の習慣で贈り物を交換し永遠の愛を誓う。 そこにメニコが突然現れ、ロレンツォを追いやりマルッサを家の中に引きずり込む。
第二幕 (メニコの家)
メニコはマルッサの箪笥のなかをひっかき回し何かを探している。 ビアージョはそれを見ながら、どうすればマルッサがニコラとの結婚を承諾するか考えている。 それには、ロレンツォがマルッサに贈ったイヤリングを見つけ出してロレンツォに返し、 また、マルッサが贈った金のハートを再び彼女が手にすれば、 二人はお互いに相手の裏切りを信じ、マルッサはニコラの愛を受け入れるだろうと考える。 ついにビアージョはマリア像の足元にイヤリングを見つけ、何も事情を知らないルーゼに計画を実行させる。 そうしてイヤリングを手にしたビアージョはマルッサに渡し、ロレンツォには他に女がいると言って彼女を騙す。 マルッサは絶望しながらも父への忠誠の気持ちから、ニコラとの結婚を受け入れてしまう。 家の外ではロレンツォが恋人の裏切りを嘆いた歌を歌っている。 マルッサは憤った父を止めながら、ロレンツォに、「逃げて!」と叫ぶ。
第三幕 (マルッサの部屋)
結婚式当日、悲しみに沈んだマルッサはルーゼに、 ロレンツォからもらったイヤリングを、彼に返したいので持ってきて欲しいと頼むが、 ルーゼは驚いて、それはもう返したではないですか、と言う。 その言葉でビアージョたちの裏切りを知ったマルッサは、ルーゼをロレンツォのもとに走らせる。 まもなくして来たロレンツォにマルッサは、一緒に逃げようと言うが、 ロレンツォは、すべてをニコラに話した方がいいと言い、物陰に身をひそませる。 マルッサはニコラに話すが、彼は聞き入れようとしない上に嫉妬までおこすしまつ。 そこに現れたロレンツォに、ニコラが襲いかかるが逆に致命傷を受ける。 マルッサはロレンツォの死体の上に泣き崩れる。
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