もし俺が採用担当の面接官で、 採用の面接で「なぜあなたはわが社を選んだのですか?」と聞いたときに、 相手が「御社ならやりがいのある仕事ができると思ったからです」と答えたとしたら、 俺はその人を絶対に雇ったりしないと思います どんな職業に就きたいか? どんな会社で働きたいか? 就職するっていうのは、なかなか大変な作業です その就職先を決めるときの判断材料がいくつかあると思いますが、 職種とか、 ネームバリューとか、 給料とか、 1番材料とされる部分ですよね そりゃあ誰だって、有名で給料の高い会社で働くにこしたことはないです そんな判断材料の1つとして、 「やりがい」 というのも上げられるのではなかろうかと思います どうせ仕事をするならば、 自分を高めてくれて、自分を満足させてくれるような仕事がしたい、 そう思うのはごくごく当然のことです 働いて、お金もらって、しかもその仕事に満足できれば言うことなし でも、 このやりがいを求める部分が大きくなりすぎるのは考えものじゃないでしょうか 「第一希望の会社に入ってみたけれど、 自分がやりたいという仕事はやらせてもらえないし、 いまやってる仕事は単調で面白くない ちっともやりがいが感じられない」 こういうことって、きっと珍しくないんだろうと思うのです それが、 転職が増えたり、フリーターが増えた1つの原因だと思います 自分の夢を追いかけるために、転職とかフリーターの道を選ぶというのは、 それは「アリ」だと思うし、頑張ってもらいたいところです でも、 ただ単にいまの仕事が面白くないから転職しよう、 という考えならば止めたほうがいいと思うのです 友達から仕事の話を聞いたりすると、 その友達の働いてる会社の方が、いま勤めてる会社よりずっと魅力的に見えたりします 「隣の芝生は青く見える」 会社の良し悪しというのは実際のところ、 入って働いて見ないことには判らないことだし、 個人個人で判断が分かれるところでもあると思うのです 「前の会社よりこっちの会社の方がやりがいがあるように見えた でも、移ってみたら思ってたほどじゃない 今度はこっちの会社よりあっちの会社の方がやりがいがあるように見える」 そうなったら大変です 次から次へと転職を繰り返して、いつまでたっても落ち着けない 「青い鳥症候群」という言葉があります チルチルとミチルが青い鳥を探してあちこち旅をしたように、 「やりがい」という目に見えないものを探して、何度も転職を繰り返す そうなったら、その人は不幸ですよね だって、 その人はきっと、一生「やりがい」を見つけられないだろうから 青い鳥が最初の場所にいたように、 きっとスタート地点に戻らないと見つからないから 俺は思うのです 仕事に最初から「やりがい」を求めるのは間違ってるのじゃないかと 「やりがい」ってあとからついてくるものじゃないかと だって、みんななんのために働くのかって言ったら、お金のためでしょう? 別に会社はやりがいを与えるために雇うわけではないのだから 仕事をしてお金をもらう。これがイコールで結ばれるわけで、 やりがいというのは付加価値に過ぎないと思うのです その付加価値をあまりに重視してはいけないと思います 希望の会社に入ったからといって、希望の仕事をやらせてもらえるとは限りません むしろ、やらせてもらえる場合の方が少ないはずです 希望の仕事をやらせてもらえなかったと嘆くより、 いまやってる仕事の中からやりがいを見つける方が、前向きでずっといい どんな仕事にだってやりがいは潜んでるはず それを探し出せるかは、その人の気持ち次第じゃないでしょうか 「やりがい」がないから転職したというより、 給料が安かったから転職したという方が、判りやすくてすっきりしてます 目に見えないあやふやなものに固執するよりかは、 もっと確実に計れるものさしを重要視した方が、 仕事は楽しくやっていけるんじゃないかと思いますが、どうでしょう 「どんな仕事からでもやりがいを見つけ出してみせます」 こんな気持ちのいい回答が聞けたらな、俺なら即採用なんだけどな |