ダメです。



病気のこと


 なぜこのことを最初に書かなかったのかというと、
 「和めるサイトを作りたい」という最初の目標に合わないと思ったのと、
 このことをサイトのウリにはしたくなかったから
 「○○という病気の管理人が作ってます」みたいに


 俺はある病気にかかってます
 しかも、なんと不治の病だったりするんですよ、これが
 「家族性大腸ボリボージス」
 あまり聞いたことはないかと思います
 ほとんどの医者がこの病気のことを知っているけれど、
 ほとんどの医者はこの病気の患者に会ったことがない
 そんな病気です
 どんな症状かと言えば、
 遺伝性の病気で、
 大腸に癌の元がたくさんできるというもの
 あんまりにたくさんできるので、1個1個は取り切れず、
 大腸を全部取ってしまう以外にありません
 そんなわけで、
 俺は大腸を全部取ってしまってます
 取ったのは、もう7年も前のことになりますか
 病院で阪神淡路大震災のニュースを見ました

 大腸を取りました
 でも、大腸がないのなんて、そんな大したことはないんです
 まあ、前とまったく同じ生活というわけではありませんけどね
 大腸がないと水分補給が上手くできないので常に下痢ですが、
 どってことはないですね
 トイレは近くなりました
 外に出かけるときはいろいろ注意を払ってます
 別に食べるものに制限もありません
 退院して1年くらいは下痢止めの薬を飲んでましたが、
 いまは薬も飲んでません
 大腸がないという話をすると、みんなそうは見えないと言います
 その程度のことです、大腸がないことなんて
 普通に仕事してます
 普通に生活してます

 でも、
 どうしても普通にはならないことが1つだけあります
 それは、この病気が遺伝性のものであるということ
 遺伝子レベルでの病気なので、根本的な治療法はありません
 症状はなくなりましたが、別に病気が治ったわけではありません
 幸いなことに、
 遺伝性でありながら、家族、親戚含めて、俺以外にこの病気の人はいませんでした
 まったくの突然変異
 事故みたいなものですね
 だから、
 この病気が自分の子供に遺伝する可能性を持つものだとしても、
 そのせいで子供を作ってはいけないんだということも、
 事故みたいなものなんです

 5年近く付き合った女にふられた理由は、
 病気で子供を作れない男とは結婚できない、
 というものだった
 それを言われたらしょうがない
 努力してどうにかなるものじゃないのだから
 泣き叫んだところで、この病気が治るわけじゃない

 それから俺は、
 これからはずっと1人で生きていかないといけないんだなと思いました
 1人で生きていくにはなにが必要なんだろうと考えて、
 たくさんの趣味を持つことにしました
 ピアノもそう
 スノボもそう
 ネットを始めたのもそう
 そして、このサイトを立ち上げたのもそう
 なにかしてないとダメだと感じてます
 立ち止まれないんだなと

 正直に言えば、
 心の傷は一生消えてはなくならないと思います
 でも、
 生きていくにはそれにずっと耐えていかなくちゃならないし、
 耐えていけないのなら、死ぬしかない
 そして、俺はまだ死にたくはないから、
 これからもずっと耐えながら生きていくのだろうと思います
 耐えられなくなるまで


 なぜこのことを半年経って書こうと思ったのかと言えば、
 このことを避けるようにして日記を書くことに限界を感じてきたから
 そして、
 俺の書いたものの意味を判ってもらえるかもと思ったから
 別に同情して欲しいわけでもないのです
 病気のことは、俺の中ですでにケリがついてることなのです
 ただ、
 いつまでも隠していてもしょうがないと思いました
 ので、
 サイトを公開して半年経ったことをキッカケにしてこのテキストを書きました

 特別な言葉とか要りません
 どうかこれからも変わらずこのサイトに訪れていただければ、
 それだけで俺は本望です
 本当に小さくてなにもないサイトですが、
 細々とのほほんと続けていきますので、ご愛顧のほどを、どうぞ


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