ずるり、とそれが内側から抜き出る感覚にゾワと肌が粟立った。

まるで身体の中心に深く刺さっていた軸を抜かれるようで。

内臓を押し上げるように圧迫していたそれの出ていく動きに合わせて、中で溜まった

体液が逆流するのか、外に流れ出ようとするのが気持ち悪い。

こうしているうちも零れ始めた白い滴が、たらたらと尻を伝ってはシーツを汚す。

ゆっくり、ゆっくりと時間を掛けて繋がりを解くこの行為は愛撫に近い。

緩やかな肉の摩擦が、酷使して赤く腫れあがった入り口に煽るような熱を与えて。


「は、やく抜けっ」

「つれねーな、余韻にくらい浸らせろよ」


もう一回ブチ込み直すぞ、と 態と腰を入れる体制をとって片足を胸に付くまで

押し曲げられた。無理な体勢に息が詰まる。





「どうだもうひと勝負」

「やらねぇっ・・・・さっさと退かねーと、潰す」


何をとは言わなかった。

東条はほんの少しの間だけ目を見張って見せたが、すぐさま、に、と面白い獲物を

見つけたような表情で笑って見せた。


「ほんと、つれねーヤツだ、なッ」


ギシと悲鳴を上げるベッド、大きく跳ね上がる身体。

ヒ、と喉の奥で声にならない声。

まさかと身構えもしていなかった力の抜け切った身体の内側に、文字通り一突きで

最奥まで埋没した巨大な楔に目の前が一瞬真っ白に映る。

だが限界まで広げられても大丈夫なほど受け入れる場所は柔らかく泥濘んで、

東条のそれを根元までしっかりと包んだ。

それにしてもこちらは初めてだというのに遠慮もクソもありはしない。

ありがたくもない話だが、すでに本日3度目になる荒々しい行為のお陰か。




「―・・・ッツ・・・の、やろ・・・う・・・・!」


閉じ始めていた肉の道が、改めて侵入してきた下肢によって再度開かれていく。

二度三度と良い処を穿たれる度、引きずり出される快楽に抗いたくて

右頬目掛けてフックを放ってやった。が、難なく腕を捉えらる羽目になる。

そのまま握った拳にキス、なんてキザな。

似合わなくね。



「おいおい、お前の反応がそれじゃーオレが強姦してるみてぇだろが」

「ふっ・・・・く、・・・ァ・・・アッ」


まだまだ躾が必要だな、と1人語散る東条は楽しそうに笑う。

互いを馴染ませる様なグラインドに身体が揺すり上げられ噛み殺せない声が漏れた。

だってこんなの知らないんだ。


「いいか辰巳、こーゆーときは素直に感じろ。ほら、腕はこっちだ」

「・・・・あ・・・ぅ・・・」

「声、出せよ。ツライだろ?恥ずかしいならオレにしがみ付いてればいい」


嫌だ、恥ずかしい、もういいから早く終わってくれ。

何もかも、抱きしめあうこともキスもセックスも全部全部、“意味をもって”するのは

初めてで。古市としたのとは違う。もちろん古市とセックスなんてしないけれど。

“意味”を持ってしまったら、どうすればいいのか解らない。




好き、な人を抱きしめるにはどうすればいい?

好き、な人とキスをするにはどうすればいい?

好き、な人にこうして抱かれている時はどうしたら―・・・?




「深く考えんな。お前はお前でいいからよ」


でもちゃんと声はだせよ、可愛い声。と耳を擽る東条の囁きに、知るかと返して

首根っこにしがみ付いてやった。





けれど。




「耳、真っ赤だぞ辰巳」





からかうような笑いを含んだ言葉と、敏感になった耳元へ這わされた舌の熱さと

口唇の柔らかさに、悔しかったが思いがけず高い声が上がった。


















                            
   08:  耳











END















キスのお題その13。というかキスお題というよりヤってます・・・・。
つか私お題に沿って書くってのが苦手なのかな、お題に乗れてない・・・全部。
この話は初Hの第3ラウンド目ですね、はい。素直じゃないのは私です。
じゃじゃ馬みたいな男鹿さんを少しづつこうやって教えてあげて自分好みに仕上げていくのです。
何も知らない男鹿さんの身体はすぐ東条さん好みに仕上がります。