上がる息をどうにか抑えたくて口唇をかみ締めるのは癖。 ダメだと低く制止の声。 仕置きのように身体の奥深くを抉られ、男鹿は不本意だったが声が漏れた。 (・・・エロい) ほとんど情事の際に声を上げない強情な恋人の、めったに聞けない高い声に、 組み敷く東条も欲を煽られるのを隠し切れず、細腰を掴む手に力が入った。 もうこれ以上近づけない、それほど密着させた互いの肌が擦れ合えば ぬちゃりと粘ついた音がたつ。 「ぅ・・・ぐっ・・・・!」 大きく広げられた両足を痛いほどに屈曲され、やっとラストスパートまで来た事を 男鹿は霞がかる頭の中で理解したが、安堵など本のつかの間。 そのまま手加減なしに身体ごと揺すぶられれば耐え難い射精感に襲われて、 使用されていない埃っぽい教室に掠れた悲鳴が上がる。 冷たいはずのフローリングの床が体温で暖められたのかやけに熱かった。 ********* 「大丈夫か?今日はちっとガッつきすぎた」 悪いな、と謝る東条は本気で悪いなどと思っていないのだろう。 飽きもせず男鹿の身体の至る所に手を這わしている。 「こんくらい何でもねー。つか悪ぃと思うなら触ンな離れろ」 何でもないという言葉は強がりな事が安易に知れた。 力が入らないのか悪態をついても、男の広い腕の中にすっぽりと抱きすくめられても 好きなようにさせたままだ。 這い回る不埒な手つきに、時折ひくりと身体を震わせて。 その可愛らしい反応に東条はまた下肢に熱が点るのを感じて、先ほど精を吐き出した ばかりで潤う入り口に指を突き入れる。 抗議の言葉が飛んできたが止めてやることなど出来なかった。 どれだけ抱いても手に入れた気がしないのだ、男鹿という男は。 恋人というポジションに落ち着いてもまだ不安に駆り立てられ、 こうして何度も求めてしまうし、加減をしてやる余裕すら出てこない。 「お前の言葉を聞かせろよ・・・・」 たった一言告げてくれるだけで、救われるのに。 「―・・・ッ!・・・・ッは」 うつ伏せになった背後から一突きで身を割り裂かれ、男鹿は息を詰めて衝撃を耐えた。 また長い交わりが続くのだろうか、最奥までたどり着いた東条のそれは 今しがた萎えたものとは思えぬほどの回復をみせていた。 「聞かせてくれよ、頼む」 ― お前を壊したくないんだ。 祈るように背に口付けを。 聞き取れぬほど小さな囁きは、濡れた水音と快楽に声を耐える荒息にかき消された。 09: 自由 (背中 END |
キスのお題その4。これくらいだったら表でも大丈夫・・・だよな。
私的に背中へのキスが大好きです。こう、なんかエロくないですか?