ちゅ。


普段あまりゲームなんてしないほうだ。たまにドラクエやったりするけれど。

そんな訳でやり始めた切欠はそうだな、この雰囲気を紛らわすため。

紛らわすためだったのに。

ムードもクソもない軽快な音楽が流れる中、気にしていないのか俺の隣に座る東条は

ただ隣に居る事が飽きてきたのか頬に口付けてきた。

確かに付き合っている相手の部屋に行くということは、少なかれそうなる可能性は

大いにあるわけで、だからといってそういう展開になるのを望んでいるわけでもなくて。

事実今もTV画面から目を離すと引きずり込まれそうなこの状況。

ちゅ。

最近買ったと言っていた対戦ゲームに集中するふりをして、ボタンを連打したりする。

先に折れた方が負けだ。

別にああいうやらしー行為をするのが嫌いなのではない。気持ちいいし。

ただ恥ずかしいのが嫌なだけだ。

俺は天邪鬼だから、素直になんか甘えられない。するつもりもない。

だからいつも強引になし崩しにされるのを待っているのだ。

「やめろ」と言いながらも相手に流されていけば、相手の所為にできるから。

ちゅ、ちゅ。

頬から耳へ、首筋へ。


「おいコラ盛ってんじゃねー、デカ猫が」

「いいんだぜ、気にせずゲームやっとけ。俺は好きにすっから」

「好きにって・・・」


顎のラインを口唇でたどられゾワリと粟立つ。

柔らかく食まれて思わず、ア、と声が出た。

ニヤニヤしてるのが解る。悔しいのでコントローラーの角で金色の頭を殴ってやった。


「さっきからくすぐってーんだよっ」

「感じるんだろ」


違うと言ってやりたかったが、調子に乗った東条が弱い首や鎖骨に何度も口付けていく。

本当にくすぐったいのだ、頼むから歯を立てないでくれ。










「っとに・・・・構ってほしいならそう言えば?」






返事の変わりに口唇を塞がれた。













                                   
16: こそばい






キスのお題その1。
こそばいって、くすぐったいであってるよね?つか雰囲気がこそばいって意味で
書くべきだったのかな・・・・もういいや。