「ねー、男鹿ちゃんてさ」 東条さんと、デキてんの? 出会ったのは偶然だ、ただ授業が退屈でベル坊の散歩にと校庭を歩いていて。 ふいに呼ぶ声がしたのでそちらを方を振り返った。 長髪の男が少し離れた所から此方を見ている。 上級生だろうか男の顔には覚えがない。 誰だとの問いに、胡散臭いにこやかな表情で「やだな」と返され、妙な気持ちの悪さを 感じてそのまま場を離れようとした所を、冒頭の言葉を投げ掛けられたのだ。 何が言いたいのだろう。 如何にも女性受けしますといった優しげな笑みが何を考えているのか理解しがたい。 伸ばした髪さえキザったらしい。 「誰が誰とデキてるって・・・?テメェぶっ飛ばされてーのか、そーかそーか」 「ホントの事言われてテレてんの?いいね、凄く可愛い」 からかわれているのだろうか? 腕を巻くって右手を振る素振りをしてみせるが焦ることもなく、くつくつと笑う。 しかしそれも刹那。 ゆっくり近づいてくるその男の表情が変わり、「猫の」被り物を容易く脱いで見せた。 あぁ思い出した、この男はあれだ、夏・・・・夏・・・・ 「なつめ、だよ男鹿ちゃん、ぜんぜん覚えてくれないね? どうしたら俺が君の記憶に残るのかな・・・・?」 例えば。 君をこのままどこかへ連れ去って、縛り付けて、俺のモノにしちゃえばいいのかな。 そう囁いて、再度にこりと笑みを浮かべる、夏目と名乗った男に自然と身体が 臨戦態勢に入ろうとしていた。 後ずさりなど“らしくない”とは思ったが、それでもジャリと鳴った足元が憎い。 普段は授業中にも関わらず其処此処を徘徊する不良たちの姿があったが、 こんな時に限ってこの場所に限って、やけに人気がなかった。 「で?さっきの質問だけど東条さんと付き合ってんでしょ?」 「確かにこないだ買い物には付き合ってやったけど」 「古典的なはぐらかし方だねー、でも別にいいんだ。人のモノだろうが、さ」 「・・・・・っな、にをっ・・・」 気づいた時には目と鼻の先に男がいて、ふわりと一瞬細い髪の毛が頬を擽る。 奪われた左手の、甲。 引くまもなく落とされる柔らかな口唇。 「―・・・・これは君への宣戦布告」 宣戦というよりまるでおとぎの国のお姫様への求愛のように。 愛しく、優しく。 布告の割にはまるで君主に忠誠を尽くす従者の誓いように、畏怖と敬意を込めて。 「簡単に東条のモノにはなるなよ、君は俺がオトすから」 口唇の触れた甲がいつまでも熱を持っていた。 03: 手 END |
キスのお題その6。夏目×男鹿・・・・。
私の中の夏目さんて、こんなカンジ。普段凄く女の子受けよくてニコニコしてんのに
実は中身とんでもねーの飼ってマス、みたいな(笑)当然東条さんとデキてるの知ってて聞いてます。