チェルフィッチュ『三月の5日間』+イデビアンクルー『ヒメゴとアソビ』

report

何も知らないでチェルフィッチュを観に行ったら、イデビアンクルーもちょっとタダで観られてオトクーな気分で帰ってこれて幸せ。ちなみに今回のレポート中、「居心地が悪い」とか「どうでもいい」とか「キモい」とか「迷惑」とかケチョンケチョンにしますが、今回に限っては否定的な意味ではありません。チェルフィッチュのこともイデビアンクルーのことも賞賛しているつもりなんです。

チェルフィッチュ『三月の5日間』

KAVCには演劇用のホールもあるのだけど、今回チェルフィッチュが使ったのはギャラリー。(今回は観なかったけど、ホールではAPEが公演してた)中は椅子も座布団もなくて、「歩き見スタイル」。空間を二つに区切って両方のスペースを使ってたから、確かに一箇所にちんまり座ってたら見えないものが多くてちょっとさみしいかも。区切られた空間にはモニターとビデオカメラが1台ずつ無愛想に置いてあるだけで、他には何にもない。壁は真っ白。照明も特別に組んだりしてなかった。電球がいくつか切れてて点いてなかったんだけど、あれってわざとなんかな、それともただ単に切れてただけなんかな。(電球が抜いてあったわけではなく、あくまでも切れた電球が入ってた)……ところで、私は劇場空間じゃないところで演じられる芝居って結構好きだ。だから今回も「わー、どうするつもりなんだろー」ってわくわくはしたんだけど、だけどあまりにも何もないのも居心地が悪くて(かっこわらい)開演前はロビーに出てました。ヨーロッパ企画の人がしゃべってたりイデビアンクルーの人がパフォーマンスしてたりして外の方がおもしろかった、っていうのもある。

開演前に演出が出てきて「歩き見スタイル」について再度説明があったあと、開演。それまでの2回の公演であんまり観客が移動しなかったらしく、最初に空間の切り替え(?)があったあと演出が「ささ、ご自由に動いてください」とか声を掛けるほど。確かになれない「歩き見」はちょっと「いいのかなあ」な気分になるかも。でもみんなでごそごそ動いてたらそのうちあんまり気にならなくなってきた。

で、肝心の内容はといえば、私の想像の3倍くらいは確実にユルかった。話の内容なんて、もう超どうでもいい。「2003年3月のイラク戦争がはじまったあたりの5日間にラブホに4連泊して2ダースとちょっとがんばってた男女の話」っていう筋は一応あるんだけどそれってもう他人にとっては本気でどうでもいいじゃない。イラク戦争に絡めてなんか言いたいことがあるわけでもなく、完全に「イラク戦争が始まってデモとかやっちゃってる渋谷」って感じで背景になっちゃってるし。観終わって残ったものは、強いて言えば「ラブホって連泊できるんだあ」とかそんな嘘かほんとかわからん上に実際に役立つかどうかもわからんトリビアくらい。そんな話を前半45分後半35分聞かされてたわけです我々観客は。開演前、「80分芝居になぜ休憩が?」とか思ってたけど、確かに休憩がなかったら、あまりにもどうでもよすぎて後半しんどいかも。

話の内容もどうでもいいんだけど、なにより登場人物がみんなものすごいリアルにものすごいダメダメ口調でべらべらべらべらしゃべってて、しかもしゃべってる間中ちっとも落ち着いてなくて、一言で言えば「キョドってる」感じがかなり新鮮。芝居じゃなくて現実で同じことを目の前でやられたらこっちがイライラして怒鳴りつけるだろーな、この人たちとはあんまりお友達になれないな、って感じ。こういう「演技」は実はとっても難しいと思う。観られてるっていうことを意識しててなおかつダメダメ口調でしゃべるって芸当は、「迫真の演技」をするより絶対難しい。そのへん、かなりすごいと思う。

なんだかんだいって「わかりやすいお話」ではないわけで、お芝居をみる習慣のある人とか、あとこういうのに波長が合っちゃう人以外にはもしかしたら「キモっ」とか思われちゃうかもしれない種類の公演。したり顔で観てそれなりに満足してしまえる観客たちも、自分含めて相当キモい。

イデビアンクルー『ヒメゴとアソビ』

チェルフィッチュ公演の受付に行こうとしたら、イデビアンクルーの人たちがそのカウンターの前でパフォーマンスしててカウンターに近づくのをかなり躊躇してしまった。たいへん迷惑な話だ。実は客いじりもかなりしていた。いじられた客もどうしていいかわからなかっただろう。チェルフィッチュの公演が終わって出てきてみたら、またパフォーマンスが始まった。出口の前でやるもんだから帰るに帰れない。さらに帰ろうとした人を引きとめてた。周囲を巻き込みまくり。あんまりダンスを観ないからでもあるかもしれないけど、なにを表現したいのかはよくわからないパフォーマンスだった。でも身体の動きがおもしろくて、観てて決して飽きなかった。「解釈」の呪縛から解き放たれて、あとあじすっきり系。こんどちゃんとした公演も観に行きたいなと思いました。

memo

チェルフィッチュ『三月の5日間』

劇団公式サイトurl:
http://homepage2.nifty.com/chelfitsch/
公演会場:
神戸アートビレッジセンター
脚本・演出:
岡田利規
出演:
下西啓正、山崎ルキノ、山縣太一、瀧川英次、松村翔子、江口正登、東宮西北
miharucoが観た時の状況:
2004/06/05 (SAT) 18:00〜観劇。2日前にぴあ(ファミマ)で前売り券購入。よくわからんけど観客は30人くらい?これ以上増えたらちょっと観づらかったかも。

イデビアンクルー『ヒメゴとアソビ』

劇団公式サイトurl:
http://www.idevian.com/
公演会場:
神戸アートビレッジセンター
振付:
斎藤美音子
出演:
東さくら、川村奈実、小山達也、佐藤亮介、斎藤美音子
miharucoが観た時の状況:
2004/06/05 (SAT) 17:45〜、19:30〜、20:10〜のパフォーマンスを観たっぽい。
このページへのリンクはあなたの意思でご自由にどうぞ。
Copyright©2004 miharuco<miharuco@hotmail.com> All rights reserved.