corkboard タテヨコ企画『風にゆれる、じっと見てる。』

タテヨコ企画第6回公演『風にゆれる、じっと見てる。』@こまばアゴラ劇場

出演者:好宮温太郎、大枝佳織(KAKUTA)、佐藤需(オッホ)、ちゅうり、西山竜一、(無機王)、舘智子、藤崎成益、山口恭子、増田理(バズノーツ)、中尾祥絵、神原直美、青木慎一、山田秀香、田村友佳(KAKUTA)

チケット入手方法:都内某所のセブンイレブンで購入

2002/11/03 (SUN) 定点カメラ(どこぞのサイトのパクリではないよ)状態

えーと、佐藤需氏(オッホ)は大学のサークルの3つ先輩です。というかそもそもこの劇団の主宰の横田修氏がサークルのOBだったりする(今調べてみると10コ上だった。さすがにそんな上とは面識がない……と思ったが大学の別の劇団の10コ上の人で面識がある人がいるのを思い出した。大学ってところは恐ろしい)。そういうつながりで初めて観ることに。本当は9月につくばで公演があったのですが、ちょうどそのとき房総半島の最果てに出かけていて観れなかったので、2年半ぶりにアゴラへ出向く。

そんな広義でミウチな芝居(直接面識があるのは一人だけなんだけども)なもんで、かえって劇団に対して事前に何の予備知識も持ってなかった。「おもしろいんだろうな」くらいで。そしたらなんかすごい愉しかった。シアワセ。

ストーリーを説明するのは不毛だと思う。できないわけじゃなくて。動物園の事務室の、ちょっといろんなことがあった一日をそのまま切り取ったような1時間半。いい意味で1時間半が半日くらいに思えた。人間関係のいろんなしがらみとか、それぞれの過去とか、ちょっとおかしな日常的状況とか、そんなのを素直にただ見せる作り。いろんな出来事が起こるんだけど、でも結局何も起こってないし解決してない。私は動物園の事務室に行ったことは当然ないけれど、「こんなふうに一日一日繰り返していくんだろうなー」と思った。というより、今回の舞台はたまたま動物園だっただけで、世の中じゅうのいろんなところで似たような一日の積み重ねが行われてるわけで。と書くのは、物語を観てる間になんだかバイト先の某信販会社で社員さんたちの会話を聞いている時と似たような気分になったから。でも、日常の場合は観ている状況には当然自分が含まれてて、あんまり気楽にギャラリーになれないけど、芝居(特に今回みたいな)ではただ気楽に傍観していればいい。定点カメラになった気分。とってもキラク。

ここからしばらくはちょっと感じたことで、レポートとはなんかずれてる話。

芝居で「日常を切り取る」という見せ方はけっこういろんな人がやりたがるけど、すごく難しい手法だと思っている。「日常をそのまま」と思って本当に日常を舞台の上に再現しようとするとたいてい失敗する。その前にたぶん無理だし。たとえば生活空間には本当にたくさんのノイズが含まれていて、ためしに録音して聞いてみるとびっくりするくらいだけど、私たちの耳が実際に聞き取るのは自分が聞きたいと思っている音だけなのと同じで、日常のいろんな出来事にもいろんなノイズがあって、私たちが見ているのはその中の見たいことだけ。だから舞台に「日常」を載せようとするときもどうやってノイズをクリンナップするか、あるいは必要なノイズを残すかが重要になるんだろう。そしてそれがすごく難しいと。

そういえば私はまだ平田オリザ氏の作品を観たことも読んだこともなかったな。講談社現代新書の「演劇入門」を読んだくらいで。今度触れてみよう。

ところでこの公演には終演後にお客さんも交えたカンパイがありまして、私もちょっとだけ参加してきました。久しぶりに需さんに会ったのでちょっとお話したかったし。といっても「前から知りたかったんですけど、トップスの舞台裏ってどうなってるんですか?」みたいなくっだらない話だったけど。トップスの舞台裏は単なる奈落だそうです。想像とちょっと違った。カクスコが寄付したらしいあまり冷えない冷蔵庫(ん?「あれ」じゃないよねまさか)はどんな風に置かれてるんだろう。

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