corkboard 『演劇の世界で作られる身体文化 ―スポーツとの比較を通して―』

2002/10/18 (FRI)

うちの大学の私の専攻で開講されている授業に、「スポーツ文化論」という授業があります。私も2年前に受講しましたが、身体文化やハビトゥスについての議論がメインの授業です。ちなみにハビトゥスとは、

ブルデューはハビトゥス(habitus)という日常的な態度のシステムとして、その構造の対象化を論じた。ハビトゥスは、習慣の概念のひとつとして重要であり、過去によって構造化された(条件づけられた)構造であると同時に、現在の知覚や行動や思考を構造化する(条件づける)構造である。

弘文堂『社会学辞典』「習慣」の項より

わかりにくいので、私が過去に読んでもっともわかりやすかった解説を。

「ブルデューなんて、カンタンだ。鹿児島の高校よ、反省せよ?」

ちなみにこの文章を書いた桜井芳生さんはこんな人。ずいぶんインパクトのある方です。

今日は魁 健朗(かい けんろう)氏をゲストに迎えて演劇の世界での身体文化について議論するそうで、私も潜りこんでまいりました。久しぶりに見た黄先生は相変わらず美人だった。

ちなみに、黄順姫先生のサイト

5000人目のお客様は本がもらえるそうです。このサイトの中に何枚か黄先生の写真があったけど、実物の美しさを全く表現しきれてないです。なんせ私、最初30代だと思ってましたから……。

話を元に戻して。

授業は魁さんがご自分の経歴を話すことから始まりました。ご両親ともに有名な役者さん(お母様はタカラジェンヌ)で、妹さんもタカラジェンヌ、弟さんも元役者といった役者一家に育った魁さんですが、今何とか役者だけで生活できるようになるまでに青年座の養成所に通ったり、プロダクションが倒産したり、狂言をしてみたり、紆余曲折あったそうで。今日の議題のひとつに「役者一家に育ったことによって役者としてのハビトゥスが形成されていったのではないか」みたいなことがありますが、私としては「養成所とかで訓練を受けた役者のハビトゥス」のほうが気になってみたり。ちゃんとした養成所に通った経験がなくて、感性とかもともと持っているキャラクターで名を上げた役者さんっていっぱいいるわけで、養成所出身の人から見てそういう人たちってどう見えるのかな、と。一人の見解を聞いてどうなるものでもないし、そもそも受講生でもない私が質問して場を引っ掻き回すのもどうかと思ったんで黙ってましたけど。

全体的にちょっと空回りだった講演会だったなと思います。題材であるはずの身体文化やハビトゥスについて魁さんのほうがきちんと理解していないこと、それは仕方のないことですが、学生側は魁さんの話がすべてハビトゥスの概念に基づいていると思ってた模様。題名のとおりそもそもスポーツが題材の授業なので、質疑応答でもっとその辺の対比についてつっこんだ議論が聞けると思ってたのに、実際には高校時代演劇部だった人とか、今演劇の訓練を受けている人とか、そんな人たちばかりが質問していてちょっとがっかりでした(気持ちはわからんでもない)。それにしても元演劇部員よ、役作りにおいて「自分を捨てる」なんて表現をするのはやめてくれ。「自分を捨てる」とか「恥を捨てる」とかいう役作り論がすごく嫌いな私の個人的意見ですが(役者はロボットじゃねえんだから、ということです)。

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