こういう質問、プロバイダでオペレーターをやっていたときにも、たまにありました。「ブログを始めたけど、Ｙａｈｏｏ！で検索しても自分のブログが出てこない」とか、「お宅でホームページ作って公開してるんだけど、検索しても出てこない」とか。

　そんなことプロバイダに言われても・・・。

　インターネットのことは、全部プロバイダに聞けばいいみたいに思っているお客さんが多くて困ります。で、もちろん、上記のような質問には、「当社のサービスではないのでわかりかねます」でもいいのですが、わたしは次のように対応していました。

　「ご自身のブログやホームページを、検索エンジンで検索される、または上位に表示されるようにするには、ＳＥＯ、アルファベットで、エス・イー・オーと呼ばれる対策が必要なんですよ。大きな企業さんなんかは、専門の対策業者に頼んだり、狙ったキーワードを落札したりと、お金をかけてやってるんです。
　すぐに上位表示されるのは難しいですが、個人でもお金をかけずに、検索に表示してもらうことは可能ですので、まずは、ＳＥＯの勉強をしてみてください。ＳＥＯと検索すれば、たくさん情報が出てきますので。」

　１日ある程度の件数を取らなくてはならなかったテレオペでは、自社とは無関係な話で時間を割くわけにもいかず、上のような答えがぎりぎり目いっぱいでしたが、ここではもう少しだけ掘り下げて説明してみます。

　まず、ＧｏｏｇｌｅやＹａｈｏｏ！などの検索サイトが何をしているかという話から。

　ＷＷＷ（ワールド・ワイド・ウェブ）の中では、日々、検索ロボット（サーチロボット）や、クローラーと呼ばれるプログラムが、リンクをたどってＷＷＷ中を駆け巡り、片っ端からサイトの情報を収集しまくっています。そして、集めたサイト情報を、独自の計算方法（アルゴリズム）を使って、検索結果として表示するかどうか、また、何番目に表示させるか判断します。

　この一連の、サイト情報を集め、検索結果に反映させる仕組みが、検索エンジンと呼ばれています。ＧｏｏｇｌｅやＹａｈｏｏ！では、検索キーワードごとに、この検索エンジンが導いた結果を表示させているのです。

　以前は検索サイトごとに独自の検索エンジンを開発していましたが、現在はＧｏｏｇｌｅとＹＳＴという検索エンジンが主流で、そのどちらかを採用している検索サイトが多いです。ただし、検索サイトごとに独自の味付けを加えているため、同じ検索エンジンを使っていても、検索結果はまったく同じにはなりません。

　さて、こうした背景を見れば、自分のブログやサイトが検索結果に反映されるまでの流れがわかると思います。

　まず、検索ロボットはリンクをたどって新しいページを発見しますので、自分のサイトをＷＷＷにアップロードしただけでは、そこは離れ小島と一緒で、誰からも発見してもらえません。どこか、検索エンジンが既知のページから、あなたのサイトへリンクをはるという道案内をしてもらう必要があるのです。

　この点では、ブログは、記事を投稿するたびに、ブログポータルページの新着記事情報などに、自動的にあなたのブログへのリンクが生成されますので、何もＳＥＯ対策をしなくても、検索結果表示されやすいサービスであると言えます。

　では、そういった自動リンクが作られない、自分のサイトにリンクをはってくれる人もすぐにはみつからない、というサイトオーナーはどうしたらいいのかと言うと、自らＧｏｏｇｌｅやＹａｈｏｏ！にサイト登録の申請をします。以下のリンクから手続きができます。

● Ｇｏｏｇｌｅのサイト申請ページ
● Ｙａｈｏｏ！のサイト申請ページ

　ただし、サイトの登録申請は、どちらも検索エンジンに自分のサイトの存在を知らせるだけの役目に過ぎませんので、手続きをしても検索結果に表示される保証はありません。

　よく、ＳＥＯ対策として、被リンク（他のサイトに自分のサイトへのリンクをはってもらう）を多く獲得するのが有効で、相互リンクや、無料リンク集などに登録しまくるとか、ＳＥＯ対策業者に頼んで被リンク数を増やしたりといった方法が出ていますが、現在の検索エンジンのアルゴリズムでは、被リンク数は、さほど大きく影響しないようです。

　逆に、トラックバック自動送信ツールなどを使って、被リンクを多く獲得しようと、不特定多数のブログにトラックバックをする行為などは、スパム行為とみなされ、ペナルティとして検索結果の表示から外されることもあります。

　なので、ＳＥＯの一般論としては、まずはサイトの内容、コンテンツを充実させること。きちんと検索されたいキーワードを入れた記事が書けていること。ＨＴＭＬを正しく使ったページ設計ができていること。などなど、地道で当たり前のことを、続けてやっていくこと。それが結局は検索結果の上位表示や、訪問者数増加につながるということなんです。