Mission失敗録
その2:当然の結果としての失敗
秘密集会場のトップページにも明記されていることだが、当結社は常に諸君からの新規ミッション依頼を募集している。しかし、それらの依頼が実際にインポッシブられることは滅多にない。これは別に当結社の「新ミッション募集」の看板に偽りがあるわけではなく、だいたいにおいて依頼される内容が無茶苦茶だからだ。某宗教に偽装入信して内部調査してきてくださいだとか、某マルチ商法に実際に参加してレポート書いてくださいとか、酷いものになると死後の世界をその目で見てきてくださいとか、そんなのばっかりなのだ。できるか、そんなこと!
だが、全部が全部その様な無茶なものだというわけではない。中にはまともな依頼も多く存在する。しかし、まともだからといって全く問題がないわけでもない。簡単に列挙しただけでも以下のような問題ケースがある。
Case1 やる前からミッション失敗:絶対に失敗するミッションをインポッシブッても意味ないし。
Case2 スケールが小さすぎる:400字詰め原稿用紙2、3枚で終わってしまうようなネタじゃ、ちょっと、ね?
Case3 事前調査・調整で問題発生:簡単な問題なら良いんだけど、あまりにもリスクがデカすぎるとアウト。上記の「某宗教に偽装入信して内部調査」ってのも、広義の意味においてはこれに当たるかも。
Case4 面白そうじゃない:一見して何の魅力も感じないのは、いろんな意味で厳しい。
Case5 意義を感じられない:上と少し意味がダブるが、なんのためのミッションなのか全く見えてこないものは、なかなか魅力を感じにくい。
Case6 めんどうくさい:やっぱ気分がのらない時はナニもする気がおきないよにゃ〜。
上記のことからもわかる通り、一つのミッションが採用、施行されるまでには、様々な問題点を克服していかなければならないのだ。改めて考えてみれば、当結社が諸君からのミッション依頼の中で採用し、実際にインポッシブッてるものは、現在の所《 Mission4…KIOコミケ進出計画 》ただ一つがあるだけである。当結社の電脳世界進出から既に数年が経過していることを考えれば、これは驚くべき少ない数字といえるだろう。つまり、ミッション依頼の採用にはそれだけ困難が付きまとうということである。
前書きが長くなってしまった。ご容赦いただきたい。
さて、今回公開する失敗録だが、これはあるミッション依頼の顛末である。
この依頼、始まりは一通のメールだった。これが一通の間違いメールだったら、そこから恋が始まったり、変が始まったり、変になったりと、とにかく大変なことになるものなのだが、幸いにして普通のミッション依頼メールだった。では、はたしてどんな内容だったのか? 以下を参照してもらいたい。
↓ここから依頼メール いつも、ホームページを楽しくチェックしています。
本来、 注意
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Subject: お願い
プリン+醤油=うに味
の様に全く違う味を再現するものですが
今日、すごい食べ合わせを発見しました。
カロリーメイト(チーズ味)+100%グレープフルーツジュース
です。
ミックス方法はカロリーメイトを食べながらジュースを口に流し込んでください。
何の味かは実験してみてホームページ上で回答ください。
お願いします。
カロリーメイトは必ずチーズ味で、
特にグレープフルーツジュースは酸味が残る100%の物を使用してください。
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↑ここまで
賢明な読者諸君は、既にこのミッション依頼が多くの問題点を孕んでいる事にお気付きだろう。つーか、あまりにも問題点だらけなのよね。デンジャラスなスメルがギュンギュンしてるにゃ〜。
メールの書き出しが微妙に意味不明なのは良いとして、まずなんといってもスケールが小さい。小さすぎる。依頼の実験内容もかなり限定されているため、このままでは盛り上がる事もなく結果がアッサリと出て即お終いだ。
依頼者が既に結果を知っていることも問題だ。というか、なぜ事前に依頼者側の結果を教えておいてくれないのか? これでは検証実験にもならない。
企画としての発展性もゼロだ。そりゃそーだ、拙者が実験結果をサイト上で発表すれば依頼終了なんだから。
だいたい依頼者の想定している味と拙者の感じた味が食い違ってしまったらどうするのか? 味覚なんて曖昧なものだ。人によって感じ方が違ってても不思議じゃない。その時はどう収拾をつければいいのかetc、etc・・・
要するに、この依頼は厳密な意味において依頼じゃないのだ。なんか日本語が破綻している感じだが、まあ、聞いてもらいたい。いや、やっぱり聞かないでもらいたい。説明が面倒くさいんで、各自適当にニュアンスを読み取ってくれ。
これぐらい問題点がテンコ盛りの依頼だと、ミッションとして成立させるのは至難の技である。ってゆーか無理。普通にやったんじゃ絶対に無理。
だが、ここで戦闘放棄してしまっては秘密結社の名折れである。確かに無理難題ではあるが、必ずなにかしらの活路があるはずだ!
そこで拙者は考えに考えた。脳細胞をフル動員し、脳に栄養を送るため食事をし、アルコールを摂取し、睡眠をとり、また食事をし、アルコールをとり、食事をし、アルコールをとり、アルコールをとり、また食事をしたあたりでフと思いついた。
この依頼の最大の弱点は、拙者が実際に実験をしたら終わってしまう所にある。だったら拙者が実験しなければ終わらないのでは? おお、逆転の発想! 逆転しすぎて一回転してしまっているよーな感じがないでもないが、たぶん気のせいだ!
具体的にどうするかといえば、読者参加企画にしてしまうのである。当結社の閲覧者から、カロリーメイトとグレープフルーツジュースの食い合わせの感想を募集する。そこで集まった感想を拙者がまとめ、様々な意見の中心点を絞り込む。その中心点の味を、この食い合わせの当結社公認味覚として採用するのである。
この方法なら、拙者が実験結果を書いてお終いってことにはならないし、広く感想を募集することによる盛り上がりも期待できる。また、感想報告のついでに他の変わった食べ合わせの情報が寄せられる可能性もあり、それによってミッションが大きく成長するかもしれない。そしてゆくゆくは全国、いや全世界規模の新食べ合わせ実験ミッションになる可能性も・・・ありえないとは言い切れない!?
新たな可能性の発見に狂喜乱舞した拙者は、さっそくこのミッションにおける細かいルール作りをはじめた。当結社公認味覚を決定するのだから、やはりそれなりのルールが必要だ。拙者が適当に気分で味を決定しちゃったんでは、説得力が出ないからね。
さて、その結果できたのが以下のルールなのだが、できるだけ単純明解に、且つそれなりの合理性をもつよう調整したつもりだ。まあ、とりあえず見てもらいたい。
条件1:味の感想は三票を一単位として採用する
例:甘い3人→甘い
甘い6人→かなり甘い
甘い9人→凄く甘い
条件2:三票以下の感想は採用しない
例:甘い3人&辛い1人→甘い
条件3:異なる味が一単位以上報告された場合、それらを混合する
例:甘い3人&辛い3人→甘辛い
条件4:味は報告された人数により微調整する
例:甘い9人、辛い3人→基本的に凄く甘いが、少し辛味もある
条件5:味以外の特殊な感想は宰相の裁量で採用する
例:感想が「甘くて切ない味でした」→甘いに一票、切ない味は単独で採用
上記のルールでは「三票」というのが大きな意味を持つ単位とされているが、これは同じ味を感じた人間が3人いれば、それが全くの間違いということはまずないだろう、という判断からきている。
また、条件5についてだが、これはなるだけ面白い意見を取り入れたいとゆー拙者の願望から生まれたものである。味感想の中には明らかにウケを狙ったものもおそらくあるであろう。しかし、その様なウケ狙いが三票も集まる可能性はゼロに等しく、よって条件2によりそれらは自動的に切り捨てられてしまうことになる。それではいまいち面白みに欠ける。そこで具体的な味でないものに関しては、拙者の裁量で最終的な公認味覚に取り入れてしまうことにした。
さて、これでルールも整った。後はミッション決行あるのみである!
さっそく拙者はトップページで情報募集の告知をした。
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去年末、当結社に一通のメールが届きました。内容はちょっとした依頼だったんですけど、その頃は個人的に忙しい時期だったので ↓ここから依頼メール いつも、ホームページを楽しくチェックしています。
本来、 注意 えー、ここで最初に思いきって本音を書かせてもらいます。正直言ってこの実験、拙者はあまり気が進みません。というのも、なんか微妙にヤル気をそがれるんですよね、このメール。 ところで、この食い合わせを試すのは簡単なんですけど、ただ、実験をする上で少し不安な要素があります。それは人間の味覚は必ずしも同じじゃないってこと。同じ食べ物でも人によっては味が違って感じられるってのは良くありますよね。有名な例としてはアボガドとトロとか。両者の味が似ているって人もいますし、ぜんぜん違うって人もいます。同じように今回の実験でも、吉田さんはAの味に似ていると感じたのに拙者にはなんの味だかわからない、とゆー可能性があるわけです。最悪の場合、吉田さんがAの味、拙者がBの味と、意見が真っ二つにわかれることすら考えられます。これではわざわざ食い合わせの実験をする意味がありません。 そんなわけで、これは当結社から皆さんへの依頼です。気がむいた人は上記の食い合わせを試して、その感想を当結社までお寄せください。ある程度皆さんの意見が出揃ったところで拙者が結論を出したいと思います。いったいどんな結末になるのか…それは皆さん次第です。報告お待ちしています! |
か、完璧だ・・・まず依頼メールの内容に不満があると難癖をつけ、それにより気がのらないと駄々をこねる。そこから「この実験には問題点があるから読者諸君に協力してもらいたい」と話をもっていく。普通こんな大々的に投稿を募集すれば「もしかしてこれってなにかのミッション?」と疑問にもたれそうなものだが、事前にヤル気の無さをアピールしてあるので、「自分で調べるのが面倒だから感想募集とかしてんだろ」と勘違いされることはあっても、まさかこれが大ミッションの第一歩だとは夢にも思うまい! ふふふ、変にミッションを意識されると素直な意見が集まり難いからな、壮大なミッション計画は隠したままがいいだろうて。
さあ、種は蒔いた。後は芽が出るのを待つだけである。
拙者は読者諸君から味の感想が寄せられるのを待った。
待って待って待ちまくった。
その結果・・・
投稿総数:メール3通
ご愁傷様です。
チーン!
い、いや、そんな冷静なツッコミをしている場合ではない。これは大問題である。そして大失態である。当結社が全世界に投稿を呼びかけたのに、寄せられたのがたったのメール3通だとは!? 全世界を裏で操っていると巷で評判の当結社がだ! な、なぜだ!? 今回の計画の何が悪かったというのだ!?
ここで話は前振りまで戻る。拙者は最初にミッション施行に至るまでの問題ケースをいくつか挙げたが、今回の計画はそれらの問題点のほとんど全部を内包していたのである。スケールが小さすぎる、事前調査・調整で問題発生、面白そうじゃない、意義が感じられない、めんどうくさい・・・これではダメで当たり前だ。ましてや読者参加企画である。情報提供、実験報告がなければ何も始まらない企画だ。であれば、より多くの投稿を得るためにも、企画はまずわかりやすく、そして魅力的でなければならなかったのだ。それなのに拙者は「世界に名立たる当結社が号令をかければ、それなりに読者投稿など集まるだろ」とタカをくくってしまったのである。傲慢だった。自惚れていた。
後になって考えてみれば、問題点はたくさんあった。いや、ありすぎたのだ。それをノリと勢いで誤魔化して、まるで全ての問題を克服したかのよーな気になっていたのだ。ああ、なんて愚かな。そんな状況で思い描く壮大なミッションなど、汚泥で城を作るも同然である。そんなの立派に建つはずがないではないか!
思えば、読者諸君からの投稿が少なかったのも、この企画の裏にある不安定さに薄々気付いてのことだったのかもしれない。しかし、今更なにを言っても仕方がない。賽は振られてしまった。そして結果は・・・大失敗である。
今回のミッション失敗における教訓。
読者参加企画は良く考えよう
まあ、ミッション依頼からして最初っから失敗に片足突っ込んだよーなもんだったんだけどね(開き直り)。スタート地点からピンチだったんだから、まあ、頑張った方なんじゃないかな。でも、昔の偉い人はこう言ったと聞く。ピンチこそチャンスだと。と、いうことは、チャンスこそピンチ? でもピンチはチャンスなわけだから、じゃあチャンスは?
ああ、それと、カロリーメイトとグレープフルーツジュースの食べ合わせについてなのだが、いくら投稿がメール3通だけだったからといって、それらを無かったものとして扱うのは失礼だ。いや、むしろ、こんな腐った企画にも関わらず投稿してくれた人達に敬意を表して、ちゃんと当結社公認の味を決定しておくべきであろう。
そーゆーわけで、投稿された感想三つをここで発表したい。
感想1:美味しかったです。
感想2:結論から言うと、、、不味いです。もともとカロリーメイトのチーズ味が嫌いだったんでそう感じたのかもしれませんが・・・。味は「酸っぱいカロリーメイトチーズ」でした。まんまです。良く言ってもチーズケーキっぽかったっす。ちなみに飲んだグレープフルーツジュースは、明治乳業の「PinkGrapefruit100%」ってやつです。
感想3:結果としては水分が口の中で増えてカロリーメイトのチーズの風味が増しました。ただそれだけです。これでは何の報告にもならないと思いましたのでセブンセンシズ全快で何かの味を感じ取ろうとしたところ「チーズケーキ」もしくは「チーズ蒸しパン」の味が一番近いのではないかと思いました。結論、「グレープフルーツジュース+カロリーメートチーズ味」はチーズケーキの味です。
結論としては、どうやらチーズケーキに似た味になるようである。美味いか不味いかは意見がわかれたが、でも、最初の投稿者はなぁ・・・本当に試したかどうか怪しいし。つーか、たぶんウケ狙い。感想3もあまり美味しそうなイメージがわく表現をしていないから、たぶん不味いんだろう。
で、この三つの感想を吟味した結果、カロリーメイト・チーズ味と100%グレープフルーツジュースの食べ合わせは味がしないということになった。いや、だって同じ感想が三票集まってないし。拙者の設定したルールだと三票で一単位だからねぇ。だからって急にルール変更しちゃったりしたらインチキになるので、ここはこのまま当初決めたやり方で最後まで通したい。
そんなわけで、これは当結社公認味覚である。異論は許されない。諸君も今後この食べ合わせをしたり、その感想を聞かれるようなことがあれば「なんの味もしない」と答えるように! これは命令だ!(傲慢)