Mission1
街ゆく宗教の勧誘を撃退せよ!・・・その3


撃退法とその効果の結果発表!

 さて、我々は宗勧と効率よくコンタクトをとる方法を発見した。それによって様々な実験をすることが可能になった。これから諸君にお見せするのは、その成果である。諸君にはぜひこれらを参考し、手軽に宗勧を撃退してもらいたい。

撃退法1:イスラム教徒作戦
 宗勧に対し、「自分はイスラム教を信仰してますから、あなたと話しても時間の無駄です」と突き放す作戦。ありがちだが、非常に効果的。イスラムに関する知識は特に必要ない。

 なぜか宗勧にイスラム教徒はいない。キリスト教、仏教などを母体とする奇形的な新興宗教はウヨウヨいるが、イスラム教をその母体としている宗勧は街中には存在しない。いや、どこかにいるのかもしれないが、少なくとも我々が活動をしていた範囲には存在しなかった。まあ、いたとしても圧倒的少数だろうし、そんな連中にはまず出会わないと考えて良いだろう。
 そのことを利用したのがこの作戦である。イスラム教という名を聞けば、たいていの宗勧はひるむ。日本には「イスラム教は恐い」という偏見が強く存在するので、これだけですでに奴等は逃げ腰である。さらに突然「アッラーフ・アクバル!」と叫んでみたり、「アッラーの他に神はなし! 貴様ら、地獄に堕ちるぞ!」とか言って追い打ちをかければ、もう完璧。あとは悠々とその場を離れればオッケー。宗勧がしつこく後を追ってくるなどということもない。先に書いたとおり、宗勧にイスラム教は見あたらないからトラブルの心配もなし。

 だが、一度だけ「自分はイスラム教徒ですから」と言ったら、「どちらのイスラム教ですか?」と返されたことがあった。うーん・・・バカ? まあ、相手がどういった意図でそう言ったのかわからないし、ひょっとしたらイスラム教にはいろいろ種類があるのかもしれないし、宗派のことを聞きたかったのかもしれないし、そんなこんなでなんとも言えない。けど・・・アレっぽいよなぁ。
 とりあえずその場は「イスラムはイスラムですよ」と、わかったようなわからないような返事をして逃げてきた。これはイスラム教徒作戦が失敗した唯一のケースといって良いかもしれない。まあ、めったにおきないとは思うけど。

 さて、一回失敗したにしても、この戦法が効果的であることにかわりはない。だがしかし、実は致命的な欠点が一つ存在するのだ。
 それは、本当にイスラム教を信仰している人に失礼だということである。
 この戦法は見方によってはイスラム教徒に対する侮辱である。我々にその意図がなかったとしても、先方がそれを理解してくれるとは限らない。いくら宗勧を撃退するためとはいえ、他宗教の侮辱になってしまうようなことをするのはナンである。そのため、この方法は現在当結社では禁じ手扱いになっている。

 補足的なことだが、宗勧に「自分はクリスチャン(もしくはプロテスタント、仏教徒)です」という対応はしない方が良い。なぜなら、しつこくつきまとわれるからである。
 街ゆく宗勧はたいていキリスト教か仏教の奇形を信仰している。そのためか、クリスチャン(プロテスタント・仏教徒)に対して「教義こそ違うが、基本的には同じ宗教を信じる仲間である」と勘違いしているらしい。だから「クリスチャンです」と言ったが最後、延々とラチもない宗教話をフレンドリーに語られるハメになる。拙者も一度そういう状況に陥ったことがあるが、その時の宗勧は「このままではこの世はハルマゲドンです」とかいうヨタ話を真剣に論じていた。貴様の頭の方がよっぽどハルマゲドンだっつーの。しかし、そうは思っても宗勧の話は終わらない。あまりにも話が延々と続くので、気の長い拙者もついにはキレてしまい、会話の途中でおもむろに相手にケリを入れて「バーカ、バーカ!」と叫びながら走って逃げた。まさに危機一髪である。くれぐれも宗勧に「自分はクリスチャン(プロテスタント・仏教徒)です」とは言わないように。



撃退法2:サタニスト作戦
 宗勧に対し「俺様は悪魔崇拝者だから、貴様は敵だ!」と宣言することで、攻撃的かつ脅迫的に勧誘活動を拒否しようとする作戦。効果の程は・・・まあ、下の方を見てもらいたい。

 サタニストは宗教関係者の天敵だと思われる。なにせ悪魔を信仰しちゃってるんだから。だから、こっちが「悪魔崇拝者だ!」と宣言すれば、宗勧も容易には近寄れんだろう・・・と思ったのだが、甘かった。奴等が一方的な善意の塊であることを失念していた。なんと奴等、我々を邪悪な道から救い出そうと説法を始めたのだ! しかも、人通りの多い駅前のど真ん中で! 正気の沙汰とは思えない。いや、まあ、奴等はもともと正気とは言えないんだけどね。しかし、アレだ、いくらなんでもこんなところで説教されるとは思わなんだ。
 どちらにしろ、この作戦は失敗。宗勧を撃退するつもりが、逆に奴等のいわれのない使命感を駆り立てる結果になってしまったのでは、本末転倒というものである。まあ、ひょっとしたらこの作戦が有効に機能する時があるのかもしれないが、リスクがあまりにも大きいのでやめた方が良いだろう。

 ちなみにこの作戦、「幸せを祈らせて下さい」系統の宗勧にはまったく効果なし。奴等はこっちがサタニストだろうとなんだろうとお構いなしだからだ。まあ、幸せを祈るのにサタニストもクソもないわな。しっかし、サタニストの幸せを祈るってのもどうかと思うのだが。



撃退法3:馬鹿作戦
 文字通り、馬鹿をよそおう作戦である。それ以上も以下もない。

 宗勧の目的はあくまでも勧誘である。勧誘とはたいていの場合、言葉によるコミュニケーションによって成り立つ。だってテレパシーで勧誘している奴はいないでしょ? 念力で勧誘していると自称していた宗勧が過去一人いたのだが、まあ、これは例外と考えてよかろう。ってゆーか、例外と思いたい。いくらなんでも。
 ともかく、いくらイッちゃってる宗勧でも、ある程度相手とコミュニケーションがとれなくては勧誘のしようがない。そんな宗勧の弱点をついたのがこの作戦である。内容はいたって簡単。馬鹿を装い宗勧とのコミュニケーションを一切拒絶するのだ。それで宗勧が「こいつはダメだ」「こんな奴に入信されたら困る」と思ったらしめたもの。さすがの奴等でもすごすご退散するしかない。

 とはいえ、一言に馬鹿とは言っても、その種類や程度、壊れ具合のバリエーションは無限にある。そのため「どんな馬鹿を装えばいいのか?」「どれぐらいの馬鹿さ加減なら十分なのか?」という疑問をもつ方も少なくないだろう。そこで目安にしてほしいのは、コミュニケーションが成り立たない、つまり会話が成り立たないというレベルである。我々の実例を交えながら説明しよう。

宗勧「すみません、ちょっと良いですか?」
大王「ズボン脱げ」
宗勧「私達は・・・という団体のものなんですけど・・・」
大王「パンツも脱げ」

 これである。これぐらい脳が壊れてればまず安心。しかし、なんだ、こうして書いてみると、宗勧より大王様の方がやばい人みたいだな、これじゃ。まあ、この発言は作戦上やむなくしたものであり、普段の大王様はこのような発言は・・・していないと思う。たぶん。いや、絶対。していないと信じたい。
 ちなみに他にも、

宗勧「すみません、ちょっと良いですか?」
宰相「キリンさんが好きです」
宗勧「私達は・・・という団体のものなんですけど・・・」
宰相「ゾウさんも好きです」

という、松本引っ越しセンターも真っ青な発言でも良い。いや、ごめん、この発言は実際にはやっていないのだが、たぶん、いけるでしょ。

 さて結論だが、この作戦は非常に効果的である。なにせ馬鹿なんだから、言うなれば無敵モードみたいなもの。宗勧がなにを言おうが関係ない。こっちは一方的にとりとめのないことをブツブツつぶやいてればいいんだから。それに、頭を使う必要もなし。むしろ本能的に口に出てしまう言葉の方が望ましいくらい。いや、けっして上記した大王様の発言が本能的に口から出てきたってわけではない。たぶん。まあ、とにかく、本能的発言がより良いということだ。
 諸君の中には「もともと頭が半分以上ブッ壊れている宗勧ですらついてこれないぐらいの馬鹿を装うのは、クールでクレバーな私にはできない」とおっしゃる方がいるかもしれない。我々も最初はそう思っていた。いや、マジで。しかし、実際にやってみると案外楽チン。人間、壊れようと思えばいくらでも壊れられるもんだということを強く感じた(けっして我々がもともとブッ壊れていたわけではない)。だから、諸君も安心してブッ壊れてもらいたい。脳味噌を足りなくしていってもらいたい。どうせ元々足りないんだから。

 さて、この作戦、たしかに有効なのだが、ただ・・・すっごくむなしい。なにせ、はたから見れば明らかにこっちの方が宗勧より異常なんだから。それに、宗勧に「こいつはダメだ」「こんな奴に入信されたら困る」と思われるってことは、奴等に見限られる、見下されるということである。それは凄い屈辱だ。自尊心が体の80%を占める我々には耐えられるものではない。
 だいたい、馬鹿を装うぐらいなら最初っから無視してれば良いんじゃないのか? 結局、相手とのコミュニケーションを拒絶するって意味では同じ事だ。だったら、わざわざプライドをかなぐり捨ててまで馬鹿を装う必要はないだろう。
 まあ、それでも、馬鹿を装った我々にどう対応したものか、と困惑する宗勧は見ていて楽しいから、我々はあえてこの作戦をお薦めする。



撃退法4:逆要求作戦
 「ちょっと良いですか?」と時間を求めてくる宗勧に対し、こちらが逆に時間を要求する作戦。これはお薦め。宗勧の行動原理もよくわかる素晴らしい作戦である。

 宗勧はたいてい「すみません、ちょっとお時間良いですか?」とコンタクトしてくる。もちろんこっちが「良くない」と言っても「お時間はとらせませんから」とねばってくるのだが。要するに、「お時間良いですか?」なんて愁傷に聞いてくるのはただのポーズで、実際には良かろうが悪かろうが結局話しかけてくるってわけだ。なんとあつかましい。
 まあ、それは置いといて。とにかく奴等は「ちょっと時間をくれ」と我々に要求してくるわけだが、それを逆手にとったのがこの作戦である。内容はいたって簡単。宗勧が「ちょっとお時間」と言ってきたら、まず、

「ちょっとってどれぐらいですか?」

と聞き返すのだ。相手はたいてい「2〜3分ですみます」と言ってくるだろう。そしたら、である。ここがポイント。メモとっておくように。こう返事するのだ。

「じゃあ、2〜3分貴方にあげますから、貴方も2〜3分ください」

 宗勧もまさかそんなことを言われるとは思ってもいない。たいていは(というか、今までの実験では100%)明らかに動揺した様子を見せ、「それは・・・ちょっと・・・」と口ごもる。そこで追い打ち。

「私の時間をあげるんですから、それ相応のものをこっちにくれたって良いでしょ?」

 実際、これってそうおかしくない取引だよね?
 しかし、である。宗勧は絶対にこっちには時間をくれないのである。「いや、それはちょっとダメなんですけど、私達の話はホントすぐ終わりますから」とか言ってくるのだ。こっちの時間はもらう、自分達の時間は一分たりともやらない。本当に宗勧ってあつかましいよな。
 まあ、そんなこんなで、「そっちが時間くれないならこっちだって嫌です」と言えば、宗勧は100%去っていく。嘘みたいな話だが、これは本当だ。保証する。

 ちなみにこの作戦、当初は宗勧に時間をもらうことによって、逆に奴等を当結社へ勧誘、そして我々の思想で洗脳してしまおうという遠大な目的で考えられたものなのである。怪しい新興宗教にハマるような人間なら我々にでも再洗脳できるだろう、という甘い目論見があったのだ。しかし、そこら辺は相手方宗教の教祖も先刻ご承知らしい。たぶん逆洗脳とかされないように「教祖以外の人の話は聞かない」って教育されているのだと思われる。あ、教育じゃなくて洗脳か。まあ、この際どっちでもいい。
 ともかく、この作戦は有効である。まったくリスクもないし、やっててむなしくもない。ある意味、理想的な宗勧撃退法である。だが・・・なんか面白味に欠けるのよね。あまりに完璧な方法なもんで、宗勧をからかうという楽しみがまったくないのだ。
 と、いうわけで、ただ純粋に宗勧を撃退したい人にはお薦め。



撃退法5:ナチュラル幸せ作戦
 この作戦は「貴方の幸せを祈らせて下さい」とくる宗勧にだけ有効。幸せを祈らせてくれという宗勧に対して「いえ、もう十分幸せですからけっこうです」と答えるのだ。

 街ゆく宗勧の中でも比較的多いのが、「貴方の幸せを祈らせて下さい」という輩だ。こいつらはあれだ、迷惑と言うよりは恥ずかしい宗勧だ。しかも、かなり狡猾。たいていの人は「祈らせて下さい」と言われれば、「まあ、祈るぐらいなら・・・」と慈悲の心をだしてしまうものだ。奴等はそこをついてくる。「祈るぐらいなら別に良いですよ」と答えると、今度は手を合わせて目をつぶることを要求してくるのだ。もうすでに「良いですよ」と言った手前、断るのもなんである。本当は嫌なんだけど、仕方なく言うとおりにするしかない。もちろん奴等はそれを狙っているのだ。なんて狡猾!
 まあ、それでも祈らせるぐらいなら別に問題はないのだが、問題なのはそのポーズ。奴等はこっちが目をつぶると、頭に手のひらをかざし、なにやら真剣にぶつぶつと低い声でつぶやき始めるのだ。まあ、たぶん、幸せを祈ってくれてるんだろうけど、なんにせよこの二人のポーズは恥ずかしい。まるで洗礼をうけているみたいだ。これでは周りから宗勧の仲間と思われてしまうではないか!
 ちなみに後でなにをやっていたのか相手に聞いたところ、手のひらから照射される波動エネルギーにより我々の血液を清浄化してくれていたらしい。

 ・・・・・・まあ、いい。

 さて、そんな祈らせて下さい系の宗勧に対する作戦だが、やはりここは「私はもう十分幸せですから、祈ってもらう必要はありません」と返答したいもんである。これほどストレートな拒絶もあるまい。相手は絶句し、自らの無力さをかみしめながら去って行く・・・なんてことはない。奴等は宗勧である。基本的に常人とは神経が違う。たいていの場合は「それなら、もっと幸せになるよう、祈らせて下さい」と返してくるはずだ。なんだ、その「もっと幸せになるように」ってのは。なんか幸せって言葉がひどく安っぽいぞ。だが、まあ、つまるところ、奴等はなにがなんでも祈りたいらしい。馬鹿馬鹿しい。つきあってられない。そんな時は、こう言ってやるのだ。

「辛いことや苦しいことがあるからこそ、自分が幸せであることを実感できるんじゃないですか。だから、私はこれ以上幸せになる必要はないんです。今の私こそが最高に幸せなのです」

 なんて良いセリフなんだ! ちょっと自己陶酔気味。さすがの宗勧もこれには心動かされるらしく、たいていの奴はすごすごと去っていく。中には去り際に「おみそれしました」と言ってゆく奴もいた。
 まあ、それでも「祈らせてくれ」という奴もいるにはいたけどね。もうあれだ、ここまでくると祈りフェチとしか言い様がない。運悪くそういう奴に出会ってしまったときには、一発ぶん殴って逃げるのがベストだ。

 しっかし、なんで奴等はあんなにも他人の幸せを祈りたがるのだろうか。ほんと、好意の押し売りにも困ったもんだ。でも、波動エネルギーじゃあなぁ・・・


これからも新たなる撃退法が考案されれば、我々はビシバシ実行していく予定である!
諸君も「これは!?」と思う撃退法を思いついたら、ぜひ我々に連絡してほしい!

 さて、どうだったであろうか。なにか諸君の参考になる撃退法はあっただろうか? もし、あったのなら幸いである。さて、この宗勧撃退プロジェクトには後日談らしきものがある。それを次回にお話ししよう。
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