*プロローグ
ある日、いつものようにシャワーを浴びながら、ふと鏡に目がいった。
そこに映った私のお腹、右側に小さな傷が見える。
小学生の頃にやった盲腸の跡だ。
普段はすっかり忘れていて気にも止めないけれど、なぜかその時、傷を見て
「あぁ、そういえば私、手術したんだなぁ」と思った。
確か小学校3年生くらいのときだった。夕方お腹が痛くなって、かかりつけの医者に診てもらったら、即もっと大きい病院へ行くように指示され、そこで検査してすぐに手術ということになった。
まだ子どもだったし、あっと言う間のできごとだったので、不思議と恐怖はなかった。 (手術するんだ〜すごいな〜)くらいにしか思ってなかったし、手術室へも自分で歩いて入ったくらい!
でも考えてみたらお腹を切って開けたんだよね。 よくそんなことできたよなぁ〜。今なら怖くてとても無理だわ・・・。
子どもの頃よりも今の方が弱虫になっている自分に気づき、苦笑い。
まぁ、もう今さら手術なんてすることないだろうけどね・・・。
そう考えながらシャンプーに手を伸ばし、髪を洗い始めると、いつの間にか傷のことはもうすっかり意識の外だった。
そして、このとき、私はまだ自分の身体に何が起きているのか、少しも気づいていなかったのだ・・・。
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