西駒ヶ岳・宝剣岳
Part 2
中に入ると、 3人組がストーブにあたっていた。今日初めて人に会っ
た。宮田高原から登ってきたということであった。宮田高原からは数パ
ーティー入っているらしい。宮田高原から黒川沿いに登る道も倒木はあ
ったらしいが、どかされたりして処理されているということだった。人
の入りが多いためなのだろうか。
歩き始めから 7時間半。結構疲れた。下ろしておいたザックを持ち上
げるのにも気合が要る。今シーズン初めて 2000mを越える山に登るとい
うのにちょっと歩きすぎのような感じがする。これでは明日一日は休養
に充てた方がいいかもしれない。とりあえず様子を見て今日下山するこ
とにする。でも、待っていてもまだ外は白い。が、時折明るさが見える
ようになってきた。外に出ると宝剣岳が見える。「これは登るべし」小
屋の外に荷物を置いて、カメラだけ持って宝剣岳に向かう。ガレ場を少
し登ると岩場になって鎖が現れた。家庭内の平和と安定の維持のため、
鎖・梯子禁止法を適用されてしまっているのだが、黙っていれば問題な
い。最初の鎖は鎖無しでも難なく通過したが、次にあったのが、短いけ
れども私の苦手な岩場のトラバースだ。「三点確保、三点確保、」と呪
文のように唱えながら鎖を頼りに通り抜けた。そのまま回り込んでいく
と頂上。
しばらく頂上にとどまったが、相変わらずガスが沸いたり飛んだりを
繰り返している。その一瞬のガスの切れ目に、青空をバックにした西駒
頂上が見えた。伊那前岳の方向は青空で、伊那前岳はクリヤーに見えた。
もう茶色になってしまっている千畳敷は見えたり見えなかったりだった
が、ロープウェイゴンドラらしきものが動いているように見えた。ここ
で縦走の人が一人やってきた。今日は檜尾避難小屋だそうだ。その人が
行ってから、私も頂上を後にする。
宝剣山荘に戻り、中に入ると、小屋の人が「中にいると休憩料かかる
んですけど」と言うので、荷物をまとめて出発することにした。時間的
に、西駒頂上を往復したら、登山道で暗くなりかねないと思ったので、
今回は西駒は諦めた。まあ、今回は宝剣岳に登ったし、西駒も以前に何
回か登っているので、それほど悔しい敗退ではなかった。乗越浄土から、
また西駒頂上が見えた。そこでロープウェイ工事の作業員の人が「午後
(の作業)に遅れるかな」と言いながら、弁当を食べていた。話を聞くと、
今日は作業用にゴンドラを動かしているとのこと。さっきのはやはりゴ
ンドラだったようだ。伊那前岳から少し下り、石の陰で風を避けて私も
昼飯にした。今日はゆであずきの缶詰と餅でぜんざいがメイン。下界で
食べたらかなり甘いのだろうが、山ではうまい。
この後の下りでは風はそれほど強く感じなかった。濃ヶ池のカールの
方はずっとはっきりと見えていた。下りにかかってから、登ってくる人
とかなり出会った。全部で単独行も含め十組位と出会っただろうか。で
も、誰も MMLワッペンに気がつかないのか、ついぞ声をかけられること
はなかった。やはりこの山域はロープウェイ効果が大きいのか、今日は
ロープウェイが動いているときとは全く違い、人の少ない西駒・宝剣で
あった。歩き過ぎか、かなり膝にはきていたのだが、下りは私にしては
いいペースだった。「暗くなる前に」という気持ちが大きく作用したの
かもしれない。
蛇腹沢登山口から北御所登山口への林道で、工事の車に抜かれたが、
車は私を無視して走り去った。このあとの舗装道路でも何台も抜かれた
が、「乗せていってくれないかな」という私の期待をよそに、工事関係
車両は皆私を無視して走っていった。結構膝にきている状態で急勾配の
舗装道路を下るのは辛かったが、何とか駐車場まで戻ってきた。本日の
歩行時間11時間55分也。疲れた。次に登るときは、宮田高原からにしよ
う。
このあと「こまくさ荘」で温泉に入った。疲れた体にはやっぱり温泉
である。夕食にソースカツ丼を食べ、帰宅。体への負荷は大きかったが、
一瞬であっても頂上が晴れたし、無事戻って来れたので、良し。山は逃
げないから、生きて帰ってくればまた登れるのだから。