西駒ヶ岳・宝剣岳
Part 1
行った日 |
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1998年10月03日 |
天候 |
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晴、頂上付近ガス |
参加者 |
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私(単独) |
登った山 |
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宝剣岳 (2931m) |
行程 |
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自宅0230 - 新大田切発電所下駐車場0345/0400 - 檜尾登山口0500 - 北御所登山口0535/0545
- 蛇腹沢登山口0640 - 清水平0730/0735 - ウドンヤ峠0805/0820 - 一丁ヶ池0900 - 小屋場0910/0915
- 舟窪1000/1005 - 八合目1045 - 伊那前岳1100 - 宝剣山荘1120/1145 - 宝剣岳1200/1220 - 宝剣山荘1235
- 伊那前岳1250/1320 - 八合目1335 - 舟窪1405 - 小屋場1430/1435 - 一丁ヶ池1445 - ウドンヤ峠1505/1515
- 清水平1530/1535 - 蛇腹沢登山口1600/1605 - 北御所登山口1645/1650 - 檜尾登山口1730
- 新大田切発電所下駐車場1820/1840 - (こまくさ荘 - 駒ヶ根市内で夕食) - 自宅2145
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今年は、夏場雨が多くて思ったように山に出られず、そのあと 9月中
旬に夏休みをとったのだが、結局その休みのほとんどが引越しに費やさ
れることになってしまった。「これでは今年は 2000mを超すことなく終
わるかな」と思い始めたのだが、10月最初の週末が久しぶりに晴れると
いう予報になったため、「どこかに登ってこよう」という気が起き始め
た。
金曜日の夜、帰宅すると妻が「どうせ明日山に行くでしょ」と言って
いる。ちょっと気になる言い方ではあったが、「諦めている」とみて山
の準備。行き先はロープウェイ運休期限まであと一ヶ月となった西駒に
した。天気と時間と疲れ具合によっては、檜尾岳から檜尾根を下る、あ
るいは空木岳まで縦走して池山尾根を下るということも考えたため、駒
ヶ根高原から登り始めることに決めた。避難小屋で泊まることも考えら
れたので、そこそこの装備になってしまい、体力の衰えを軽量化でカバ
ーしようという目論見は脆くも崩れてしまった。
出発前に MMLワッペンを安全ピンでザックに付ける。今年の製作で購
入したので、今回が私にとってのワッペンデビュー戦。 MMLメンバの誰
かと出会って、気がついてもらえるだろうか。
自宅で 2時まで仮眠し、出発。この時間だと広域農道も交通量はほと
んどなく、しらび平への林道のゲート手前の駐車場まで快調に走った。
駐車場には車はいなかったが、程無くその辺でうろうろしていたワゴン
が私が入ったのをみてやってきた。私はザックを下ろして水と無線を括
り付けて、すぐ出発。まだ真っ暗で満天の星の下での林道歩きだ。
北御所登山口までは急勾配の舗装道路歩きを強いられるため、本当は
避けたい所だ。が、ここを登ることにしてしまったので、仕方ない。で
も、登山靴で舗装道路は本当に歩きにくい。歩き始めは寒さを感じたが、
すぐに暑くなって汗をかいてきた。所々ロープウェイ改修に合わせて工
事をしている所が見受けられるが、この時間ではまだ何も動きがない。
いい加減飽きてきた頃不気味な唸りを立てる中御所発電所。星が見えな
くなってきたなあ、と思いながら、そこからさらに30分ほど歩かされて
北御所登山口に着いた。もうすっかり明るくなった。
北御所登山口から更にダートの林道を歩く。これもまた急勾配の道だ。
記憶にある登山道入口は、沢を渡ると突然道がなくなってそこからおも
むろに登山道が始まる、という感じだったのだが、沢には立派な橋が架
かっていて登山道の影も形も見えない。林道が更に先の方に延びていて、
入口はそこから少し先に移動していたのだ。ここまででかなり足を使っ
てしまった。この先が思い遣られる。
そこからの登山道はジグザグに急な坂を登っていく。幾らも登らない
うちに、巨大な倒木に行く手を遮られた。結構新しい倒木に見えるから、
この前の台風で倒れたやつだろう。屈んでくぐろうとしたが、枝に遮ら
れてかなり難航した。これでは鉈が要るかもしれない。まだ登り始めだ
というのに結構きつい。清水平に着いたらほっとした。ここで水を飲み、
パンを食べて小休止。
また急な坂を喘ぎながら登って、ウドンヤ峠。ここまで来ると所々で
視界が開けるのだが、稜線のあたりに雲が出始めているのが見えた。こ
れはやばい。登るのを加速するわけにはいかないから、何とか雲が飛ん
でくれと思う。周りの木々はとりあえず紅葉しているのだが、ほとんど
の葉が飛んでしまったのか、木に残っている葉が非常に少ない。それに、
辛うじて残っている葉の紅葉も色が腐っている。ナナカマドの赤い実だ
けが鮮やかだ。
ウドンヤ峠の先でまた新しい倒木だ。今度のは、道の脇に生えていた
のが根こそぎ倒れたため道がなくなっている。ぬかるむ土の上を「滑り
ませんように」と、慎重に歩く。一丁ヶ池は水がかなり溜まっていて、
本当に細長い池になっていた。北御所口から登ったのは何回かあるが、
一丁ヶ池が "池" になっているのをみるのは初めてだ。小屋場でも紅葉
の加減はいまいち。でも、普段だとこのあたりからロープウェイの千畳
敷駅のアナウンスが聞こえるのが今日はなく、静かなのはなかなかよい。
小屋場から千畳敷に向かう長谷部新道はロープで塞がれていて通行止の
ようだ。空の雲はさっきよりもだいぶ面積が増えてきた。
このあたりまで登ってきたら足が慣れてきたのか、登り始めよりも若
干楽に登れるようになってきた。森林限界を超えてハイマツ帯に出ると、
程無く稜線歩きとなる。稜線は結構風が強い。舟窪に隠れてウインドブ
レーカーを着る。伊那前岳は見えるのだが、そこから先が見えない。ど
うやらガスの向こうのようだ。何とかならないかなと思って登っていく
が、伊那前岳まで来たら本当にガスの中になってしまった。千畳敷カー
ルも真っ白だ。相変わらず風は強い。風に抗して歩いていると乗越浄土、
そして、目の前に大きな建物が突然現れてびっくり。宝剣山荘に着いた。