上高地
Part 1
行った日 |
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1997年11月30日 |
天候 |
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曇り時々晴れ一時小雨 |
参加者 |
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3人(私+友人Tさん+Tさんの友人Iさん) |
行程 |
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塩尻(私の家)発06:50 → 坂巻温泉旅館 08:10着 発08:25 →
中の湯分岐 08:45 → 釜トンネル入口 08:50 → 出口 09:00
→ 大正池 10:00 → 河童橋 10:45着
河童橋 発12:40 → 坂巻温泉旅館 15:10着 発16:15 → 塩尻(私の家) 17:30着
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上高地につながる県道上高地公園線は、毎年11月上旬から冬季閉鎖に
なる。閉鎖になってしばらくは宿泊施設や売店などの撤収作業があるが、
それが終わってしまうと翌年の春までほとんど人が入ってこない、いわ
ば「上高地の冬休み」が始まるのである。そんな時期になると、上高地
に行きたくなるのだ。11月や12月は道などに雪が積もったとしてもまだ
少ないから歩いて行きやすいし、山には本格的に雪が積もり始めている
ので山が見えたら本当にきれいなのである。本格的に雪が来るまでは河
川工事が行われているが、それも大々的にはやってないから静けさを邪
魔しない。
今年は12月 6日に安房トンネルが開通することになっている。開通す
ればR158の冬季閉鎖区間は安房峠旧道だけになるから、中の湯の近くま
で車で行けるかもしれない。しかし、車の通行量も増えるだろうから、
そういう道を歩くのもいやである。それに、歩いて上高地に入ろうとい
う人も増えるかもしれない。と思い、逆巻温泉から先が閉鎖されている
うちに行こうと思い、予定の入っていなかった11月29日か30日に行くこ
とにした。
一週間前になると週間天気予報が出るのだが、出始めてからずっと週
末は天気が悪いという予報を出している。結構気になって毎日のように
CRC総研の天気予報サイトを見に行った。そのうち、29日は望みがなく
なったが30日に望みが出てきた。晴れ間も出るようだ。行くからには穂
高の山並みが見えてほしいから、これは良いぞ。しかし、前日29日の松
本平は大雨。夜中には雷まで鳴っている。朝になって本当に晴れてくる
のだろうか、非常に不安。
翌30日、起きたら雨音はしていない。外に出ると、晴れとまではいか
ないが雲が所々切れている。Tさん達が来たので、私の家まで誘導し、
私の車で坂巻温泉に向かうことにする。明るくなりつつある空を見てい
ると、雲の流れが速くて山の稜線あたりにある雲がどんどん切れて行く。
非常に期待が持てる様子になってきた。沢渡のあたりで虹が見えて、車
内から歓声が上がる。途中の電光掲示で「沢渡より先通行止」とあった
のだが、沢渡のゲートは開いていて、何も問題ないようだ。
坂巻温泉旅館の駐車場に車を置かせてもらう。電話で聞いたら「フロ
ントに声かけて」ということだったので、フロントに一言断って駐車料
金を払う。1日500円也。温泉に入れるのは何時までか聞くと、「今泊っ
ている人が少ないから、いつでもいいよ」まあ、あまり遅くならないよ
うに帰ってこよう。朝出発する時は「暖かい」と感じるような気温だっ
たが、流石に標高1200m 風が冷たい。支度をして出発。
R158は冬季閉鎖区間を歩くので、工事用の車以外は来ない。トンネル
の中もほとんど埃っぽさはない。道の真ん中を堂々と歩いていても車が
来ないからその点では大変楽。昨日の雨のせいだろうか、梓川の水量が
多く、流れが激しい。
中の湯の分岐のところの売店を覗くと、中に人がいた。「なんでいる
のだろう?」びっくりだ。工事の人相手かもしれない。でも、確か「卜
伝の湯」はこの売店で鍵借りて入るようになっていた筈、ということは、
帰りに「卜伝の湯」に入れる! と思った時、タオルを車に置いてきた
ことに気がついた。残念というか、悔しいというか。
ピーク時の県道上高地公園線は、バスやタクシーが列を作って大変な
のだが、今日は当然静かだ。釜トンネルも好きなところを歩ける。とい
っても、昨日の雨のせいかトンネルの中に降ってくる水が多いような気
がする。どこを歩いても同じように水がかかってきて、避けられない。
トンネルの中の道の最急勾配は100/1000と言われていて、非常に急。ト
ンネルに入るまでは会話もあったのだが、次第に声が聞こえなくなり黙
々と坂を登っている。
トンネルの出口でとりあえず休憩。甘いものの補給とトンネルの中で
かぶった水の拭き取りをする。産屋沢の坂を越えると左手に焼岳が見え
た。結構はっきりと、きれいに見えている。これなら、と期待を持って
写真を撮ったが、すぐに雲がかかってきて隠れていってしまった。うー
ん、今日は本当に晴れるのか。でも、クリヤーな時に写真撮っておいて
良かった。
産屋沢の坂よりあとは急な上り坂はないのだが、下り坂があったりす
るから歩いていて何か損したような気分だ。坂の頂上のような感じにな
っているカーブを曲がると、雲の切れ間に穂高連峰が一部分だけ見えた。
「お、これは期待できるかもしれない」しかし、見えていたのは一瞬だ
った。今度は写真を撮り逃がした。が、「雲が流れているから、きっと
晴れて山が見えてくる」と、甘い期待を持った。