弓について 
　楽器同様大事なのが弓の選択です。 
　弓の良し悪しを実感できるようになるのはある程度弾けるようになってからなのですが、やはり良いものはそれなりの値段がするのでまずは手ごろなものを購入して、その弓に限界を感じたり違いがわかるようになったりしたら一つ上のランクのものを購入、という流れが多いと思います。私もそうでした。
　弓を買い替えのために選ぶ際に、予算範囲内のものだけを試してみるのでなくさらに上のランクのものも一緒に試してみると性能の差が相対的にわかって良いのではないかと思います。少しの価格の差で随分性能に差があるようであれば、その回は思い切って購入を見合わせてしまったほうが結果的に経済的であることになるからです。
　楽器と弓に関して決定的に違うと最近思うのは、楽器の場合幾つか手元にあるとそれなりにどの楽器も弾いてみると楽しめたりするけれども、弓の場合は一度より良い弓を買って使い始めると、もうそれまで使っていた弓を敢えて使おうという気持ちにはならないんじゃないかということ。あくまで私の場合ですが一番、二番と弓に順位をつけてしまったらできる限り一番を選んで弾いてしまうと思います。もっとも、もっといい楽器や弓を幾つか手に入れたらまた違った印象を持つようになるかもしれません。ただヴァイオリン本体の場合は機能的側面つまり音だけの問題ではなく色々好みを通す余地があるけれど、弓の場合は使えるかどうか、が第一に問題になって、その他の要素はそれほどこだわらなくてすむんじゃないかと思います。

　　また最近では性能の良いカーボン弓などもあります。木製でなければダメ、という気持ちをとりあえずちょっとおいておいて、演奏する道具として見てみると結構よさそうなものも多いです。購入にはいたっていませんが・・・