●ハードウェア、工房近影

 

 

 3年半前に「動くイラスト」なるものを作りはじめた時はこんな環境だったりしますが、今も自作機のマザーが変わったくらいで、あまり変わっていません。見た目はこのままソックリ。

●写像

↑写像(1988年)

(Q:ところで隣の絵は何なのですか?)
(A:大きさがわかるようにA4の紙を置いて見ました、責めないで下さい。)

写像(フレームバッファ)これ、私のお宝です(^^) 最大640×512ピクセルのフルカラー・フレームバッファ 1Mバイトしかないメモリー空間を圧迫させないための思想だったのかもしれませんが、なんと「I/Oレジスター」経由でピクセル操作をしています。画像ハードを設計した事のある人なら、この耐え難い遅さは想像できるでしょう。 それでも、あの時代にある種の感動を与えてくれました(^^)

●IO-DATA GA-1280A

↑GA-1280A (1993年)
(Q:だから、隣の絵は何なのですか?)
(A:関係ありません。作画作業中だったのです、気にしないで下さい。)

98用名ビデオボードGA1280です。発売時はWindows3。0がようやく実をつけはじめた感のある頃ですね。
珍しい国産アクセラレーションチップを搭載、シーラスロジックなどのチップを使っていた他社に比べ明らかに高速で、当時としてはあの遅いCバス(98標準バス)で大変な高速描画を実現しており、国産ビデオアクセラレータの底力を見た気がします。当時としては大容量の2MのVRAMを持っていました。
もうひとつ驚くべき事は、DOSから使う為のCライブラリ、サンプルソースがついていた事。このビデオカードにはもう、沢山遊ばせてもらいました。

難はフルカラー表示では横512ピクセルと言う実用性の無いスクリーンサイズになってしまう事。

●パソコンソフト、アプリケーションなど

1989年頃にi286のPC9801互換機とフルカラーフレームバッファ写像を全財産はたいて購入、CG環境に触れました。その頃の写像対応ペイントツールは「写像ペイント」のみ、

「写像ペイント」

 このソフトはスゴさは語るも涙!当時としては先進的なウインドウシステムを採用しているのは良いのですが、ぼかしペンや指先ツールを使うとなんとウインドウ枠までとろけてしまうのです、現在の常識からは想像もつかないですね。販売元のキャストに相談したら「お気に召しませんのでしたら返金します」との事だったので、「お気に召しませんので」とありがたく返品させていただきました(__)

それでも情熱が許さない!ふるからぁで絵を描きたい!と思って買ったのが「アートフロンティア」

「アートフロンティア」

 当時のスーパータブローの値段から考えると、この機能でこの値段は画期的(3万円台)、 試行錯誤の必要な機能に限ってメニュー階層の深い所にあり、処理が終わればトップメニューまで戻ってしまう苦痛のインターフェースには問題ありありでした。これでなんとか描けない事も無いが、5,6枚描いてお休みになる事に、結局高い買い物だったかも知れません。

「まるぱ」

PC98 DOSモード専用ペイントソフト。
アートフロンティアの不満点はほぼ解消しました。なんと言いましても、画面の4分の1を覆ってしまうでっかいメニューパレットがドーンと鎮座しているのですから、階層を潜ったりする必要がない訳です(^^)

更に嬉しい事にフレームバッファより格段に安くて速度の速いウインドウアクセラレータが使え、当時持っていたGA-1024/1280で、写像の作画領域を超えるCGを画策していたのですが..

↑「まるぱ」(1993)

 問題はエアブラシ(と言っても所詮は「ぽわっ」としたパターンペン先)の精度が悪い事。たまりかね、幾何円形グラデーションを幾重にもかけエアブラシの代わりにしていました。細かい表現が出来ないかわりにおかげで、この頃の絵は肌のなど広い面のグラデーション精度が良くて、今までの画風とはうって変わって胸元の大きく開いたドレスの豊乳の女とかヌードばかり描いていたような気がします。

「DaisyArt」

 「まるぱ」の仕様をそのままWindowsに移植したような印象があります。まるぱ同様、主画面以外のチャンネルはマスクチャンネルのみで、もちろんレイヤ無し。パタパタとスタンプで押した様なペン先の筆跡、今だから言えますが、どうしてもこれで絵を描く気にはなれませんでした。

「DaisyArt/x」

サポートBBSでおとなしくバグレポートをせっせと送る毎日でしたが、DaisyArtが他のペイントツールに比べ思想的に遅れている事が言い出せない。

ある時、今まで自作プログラムで合成していた、二枚以上のフレームをリアルタイムで乗算合成し、他方のフレームを保護しながら絵を描く方法を提案するが、(学生の時の研究論文がまさにこれだったからである)その必要性すら、なかなか開発元に理解してもらえなかった。

まもなく、二枚のフレームをリアルタイム乗算合成して、他方のフレームを保護しながらペイントのできるプロトタイプDaisyArt/xが作者の丸岡さんの努力により完成する。

Windows95

大騒ぎが記憶に新しい、言わずと知れたマイクロソフトのOSのニューバージョン。もちろん初日にゲット。踊らされてるんじゃない踊ってるんだぜオレたちゃ。Windows3.1からの移行もスムースに出来てしまったので眉つばと思ってもそのまま使っている、本の編集も勿論、Windows95と3.1アプリケーションの組み合わせ。

「VisualBasic2.0J」

いつもアセンブラでステップ数に凌ぎを削っている自分には、イヤになってしまうほど、安直かつお手軽にWindowsプログラムが出来てしまうプログラミング環境。

「写像,創像」

1988年に(株)エス・アイ・ジーから発売されたPC98シリーズ用3次元CGアニメーション作成システム。

当時としてはGUIモデラー,オンラインヘルプ,アニメーションリアルタイムプレビュー,ツリー構造サポートのアニメーションエディター装備と言った先進性に加え、フルカラーフレームバッファ「写像」とのセット価格で3万円台と驚異的な安価だったが当時のマシンでは速度的に満足なCG製作が難しく、このツールの本当の素晴らしさが実感出来たのはi486DX−66MHz以上の環境が一般化される今日まで使い続けた人だけでは無いでしょうか。ぼかぁ、しあわせだなぁ。

↑創像(1988)


「メディアインパクト」

 ローランド(株)から発売されている、マルチメディアの世界を手軽に体験できるソフトウェアなどを計6本納めた、Windows3.1対応のソフトウェアセット。

 同セット中の「ラジカル・ムービー」は驚きの簡単操作でマルチメディア作品が作成できるソフトで、複数のBMP画像を使ったアニメの演出,BGM,効果音の付加などが手軽に出来る為、スキャナーで入力した動画のチェックにも最適。しかし、扱える画像サイズに自由度が無く、特に一番使い道のあると思われる640*480や320*240のサイズが扱えないのが難(Ver1.00)。

「Vistapro英語版」

 地形、天気、植物等のパラメーターを与えるだけで架空の風景を描き出す不思議なプログラム、地形データーはPCXフォーマットで入力と余り日本では馴染みのない画像フォーマットを地形マップとして風景を創り出す。

「SoftF/X」

 Windows3.1、WindowsNT3.5、Windows95とOSを選ばないマルチプラットホームと高速レンダリングを誇る3D画像制作ツール。完全な32bitアプリケーションでレスポンス速度には定評がある、ただインターフェースはクラシカルでマニアック、レンダリング品質は動画向け、言い方変えれば速度以外、使い勝手と品質はイマイチって感じ。。


↑SoftF/X(1994)

3DF/X

 低価格で初心者向けの3D画像制作ツール。余りにも初心者向けなのでモデリング環境はおざなりで、どちらかと言えば既に装備されているオブジェクトモデルだけを使って画像を作る感じ。三面図がないのでオブジェクトの配置でさえままならない(最近発売されたVer2.0で視点切り替えが付いたので格段に進歩)が、レンダリングの性能と品質は低価格3Dの中ではピカイチ。ホントほれぼれしてしまう。MGAのビデオカードのおまけに付いていたのでお持ちの方も多いかと思います。

ぱるみらε、ぱるみらχの背景のモデリングはSoftF/X、レンダリングは3DF/Xと、この二つの3D画像制作ツールの良いところを使って制作しました。


↑3DF/X(1995)

メニューの3D動画もすべて3DF/Xで制作、何ともかわっていると驚愕されます。